平成初期と昨今の不動産市場の違い

平成初期と昨今の不動産市場の違い

平成初期の頃の不動産価格の高騰は
土地神話(土地価格は、上がり続ける)の基に
不動産の取引価格が上がり続けて
経済実態から乖離した価格にまで
到達したため、価格が急落しました。
当時の日本の土地総額が、米国の土地総額の
数倍となり、日本の土地を全部うれば
米国全土を買っても、お釣りがあるという
状態になりました。

昨今の不動産価格の高騰は、不動産投資
ファンドやJREITの出現により
不動産市場に資金が、入ってきて
価格が上昇したことは、ご存知のとおりです。

ただ、ここでの価格形成プロセスが、平成初期の
不動産バブルとは、おもむきが異なります。
昨日のブログでも、少し触れましたが
最近の不動産相場は、価格ではなく
利回り(キャップレート)で、言われる
ことが多くなりました。
これが、不動産の金融商品化の
象徴的なことです。

利回りで、不動産の市場を見ることと
取引事例価格(相場価格)で、不動産の市場を
みることでは、大きく異なることがあります。
利回りは、収益÷時価で算定されます。
つまり、時価(市場価格)と収益とのバランスをみて
その不動産の価格が、高いか低いか評価することです。

平成初期のバブル期のような極端に高い
市場価格になれば、利回りが極端に低くなります。
リスクのほとんどない、国債の利回りよりは
低くなることはないでしょうから、利回りで
評価する場合、一定のラインで、歯止めがかかると
予想されます。

これが、平成初期のように、単純に取引事例価格のみで
不動産相場が、形成されるのであれば、歯止めが
かからず、米国の土地全部を、日本の土地全部で
変えてしまうという極端な価格に、なってしまうのでしょう。

この点では、平成バブルの教訓が、活かされている
と思います。

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