営業者口座ないSPCの営業者報酬の計上

SPC案件では、メイン口座(事業用口座)、リリース口座、営業者口座
など、役割に応じて、銀行口座を開設するケースが一般的です。

メイン口座は、賃貸収入(信託配当等)の受取り、借入金の
元利金支払いなど、SPC事業の中心となる資金の授受を
行います。

リリース口座は、AM報酬や、投資家への配当金支払など
最も劣後する支払いをメイン口座から資金振替を受けた後に
行います。

営業者口座は、①資本金の受入 ②メイン口座から営業者報酬(匿名組合契約に
記載されています。)の受取 ③法人税の支払
を行います。

このように、銀行口座を分けているSPCでは、資金の移動内容が
預金口座を見れば分かるので明確です。

なかには、上記のように複数の口座を持たずに1つの銀行口座で
進んでいるSPCもあります。

そのような場合 営業者報酬の精算による銀行口座間での
資金移動は行いません。匿名組合決算のために、営業者報酬の計上は
必要です。そのため、匿名組合部門営業者部門を設定し
営業者報酬相当営業者部門が匿名組合部門に未収計上し、匿名組合
部門
未払計上する 経理処理で対応します。

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お客様とのデータ共有

SPC案件では、会計証憑や契約書等のPDFデータをご提供いただき、
それに基づき経理処理をして、税務申告書の作成、決算書の作成、
匿名組合決算書の作成など様々な成果物を提出します。
また、SPCの登記内容の変更などあれば、税務署に届出を行います。

プロジェクト期間が長期に及ぶと、会計事務所とアセットマネジメント会社
との間で共有する資料の量は膨大なものとなります。
時々、数年前の資料を確認したい時もあり、これらのデータは時系列で整理され、
データ保管されることが大切になります。

弊事務所では、お客様からのご要望等あれば、ご提出いただいたデータと、
弊事務所が作成しお客様や税務署等に提出した資料を、それぞれ時系列に保管し、
クラウド上で共有出来る体制を整えております。

この体制を整えることで、過去の資料の確認等が容易に出来ます。
資料の保管ルールを定めておくことで、過去の資料を確認したい時も、
短時間で探し出し、確認出来る体制となっております。

紙書類を出来る限りPDF化することで、膨大な資料もパソコン1台で
出来るシステムとなっています。
昨今の在宅勤務を弊事務所でも導入していますが、資料をPDF化しておくことで、
自宅でも事務所にいる時と同じ水準の資料を見ることが出来ます。

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発電事業者の新収益認識基準の摘用

2021年4月以降の事業年度より大企業においては、
新収益認識基準が強制適用となりました。

各企業は実現主義の原則に従い、それぞれのタイミングで
売上計上を行ってきましたが、日本の会計基準を国際的な
会計基準にあわせるため、新収益認識基準として売上計上の
タイミングをルールとして定めました。

弊社の顧客である12月決算の再生可能エネルギーSPCにおいても、
2022年12月末決算でこの新収益認識基準が適用される事と
なりましたが、これは電気事業及びガス事業における従来の
検針日基準を見直すというものです。

従来の検針日基準では、検針日が月末以外の場合、
決算月の検針日以降から決算日までの売上が翌期に
計上されていましたが、新収益認識基準では、
検針日基準は認められず、検針日から決算日までの
売電収入を見積計上するというものです。

この見積額の算出方法ですが、簡易法として日割り計算が
認められており、単価が変動する場合は決算月の前年同月の
平均単価を基礎とする事ができます。

この基準に沿って、適用初年度の2022年12月の決算では、
見積もった売電収入額を計上し、遡及適用額については、
適用初年度の期首の利益余剰金の加減で会計処理を行いました。

「収益認識に関する会計基準」への対応について|国税庁 (nta.go.jp)

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SPCの吸収合併に伴う被合併法人の異動届出

担当させていただいておりましたSPCが
親会社に吸収合併されることになりました。

被合併法人であるSPCは、吸収合併により解散
することになるため、その際の被合併法人が行う
異動届出書の提出について、税務署等に照会した
詳細をお伝えします。

まず、提出先は、国・都道府県・市町村ともに
被合併法人の従来の本店所在地の管轄税務署・
都道府県税事務所・市町村となります。

主な記載内容は以下のとおりです。

【税務署への届出】
・異動事項等→吸収合併(適格または非適格)
・異動前→被合併法人の法人名と住所
・異動後→合併法人の法人名と住所
・異動年月日→履歴事項全部証明書に記載の吸収合併日
・合併、分割の場合→適格合併または非適格合併のいずれかにチェック

【都道府県・市長村への届出】
・異動事項→6.合併
・変更項目の法人名~本店所在地
  変更前→被合併法人名等
  変更後→合併法人名等
・旧本店の状況→廃止・存続のいずれかを選択
・合併→被合併法人名・住所

添付書類は、いずれも次の3点となります。
・合併契約書
・被合併法人の履歴事項全部証明書
・合併法人の履歴事項全部証明書

更に、いずれも備考欄等に
「吸収合併により被合併法人〇〇は解散」と
記載しておくと良いでしょう。

今回は、被合併法人の届出についての詳細ですが
合併法人では更に消費税や支店登録の届出が
必要になる場合もありますので、ご確認ください。

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国の節電プログラムと省エネ対策

先日、顧問先である再生可能エネルギーSPCあてに、
契約先の電力会社より省エネに関するダイレクトメールが
届きました。

今後の厳しい電力需給に対応する「国の節電プログラム」で、
資源エネルギー庁から小売電気事業者として採択された
との案内でした。

顧問先であるSPCは、電力を供給する立場ですので、
消費電力も少なく、このプログラムの対象ではありませんが、
多くの電力を消費する工場や事務所がこの節電プログラムに
参加する事によって、特典が付与されるというものです。

最近、ニュースでもよく耳にしますが、
一般の家庭では、2,000円相当のポイントが付与され、
電力の利用料金支払いにも利用できるという事です。
また、工場や事業所など高圧/特別高圧を利用している
事業所では、20万円相当の特典が国から付与されます。

このプログラムは、高圧、特別高圧の電気利用者は、
節電の成果如何にかかわらず、採択事業者のHPから
参加申し込みをするだけで20万円相当の特典付与が
されますので、該当する電気利用者は、まずは参加の
登録をして下さい。

電気利用効率化促進対策事業費に関する補助金|経済産業省 資源エネルギー庁 (setsuden.go.jp)

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SPCの資金管理と銀行口座

プロジェクトファイナンスの為、利用されるSPCの預金口座は
その目的に応じて、
①プロジェクト口座
②リザーブ口座
③リリース口座
④営業者口座
などの口座を開設します。

プロジェクト口座は、案件によっては
メイン口座、信託配当受取口座、事業用口座など
様々な名称が使われますが、プロジェクトでの資金
異動で、最も頻繁に使われる口座です。

一方、一定の資金を留保する、例えば
元利金の返済資金、固定資産税の納税資金
修繕等の資金などを留保するため
留保資金を貯めておく、リザーブ口座を開設することもあります。

リリース口座は、プロジェクトでの資金収支の残余分を
エクティ出資者への配当や、AM会社へのAMフィーの支払いなどに
充当するため、プロジェクト口座からの移動資金を
受取る口座です。

資金の流れは、プロジェクト口座で受け取った資金が
リリース口座に流れるという順序です。

リザーブ口座には、プロジェクト開始時に一定額を
留保しておき、不足が出れば、プロジェクト口座から
補填されることが一般的です。

最後に、営業者口座ですが、これは、
①法人税等の納税のため
②匿名組合契約により、営業者報酬の授受のため
使われます。

これらの預金口座の使い方のルールは、ローン契約や
プロジェクト契約等に記載されていることが、一般的です。

SPCでのプロジェクトファイナンスでは、資金の流れに
透明性を持たせるため、このように複数の銀行口座を
一定のルールに従って、利用することがあります。

このように複数口座を利用する案件は、キッチリした案件が
多く、一つの銀行口座しか持たず、全ての収支を、1つの
銀行口座を行う案件もあります。

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GK-TKでの営業者報酬とは

GK-TKスキームでは、匿名組合(TK)契約で
営業者報酬という項目が出てきます。
この営業者報酬とは、匿名組合の経理で
匿名組合が、営業者(=GKの内部 部門)に
支払う一定の金額です。

GK全体の決算書では、営業者報酬は
TK部門と営業者部門の合算で、相殺され
表示されることはありませんが、TK決算書では
営業者報酬というものが、費用項目として
出てきます。

この営業者報酬とは、何の報酬かと言えば
匿名組合を維持するため、税務申告等をする
営業者に対して、支払う報酬です。

一般的には、年間15万円程度にしているケースが
大半です。

営業者報酬の水準が高いと、TK部門の利益が圧縮され
TK出資者へ付け替えられる利益相当額(=パススルー額)が
小さくなり、GK全体に残る利益は大きくなります。

そのため、営業者報酬を、必要以上に高くすると
GK(=SPC)の利益増えるため、法人税負担が増加します。

営業者報酬は、いくらくらいが適当かと言えば
年間15~20万円程度が適当と思います。

今まで、弊事務所が経験した案件では、『営業者報酬は
法人税相当額』というものがありました。
営業者報酬が決まれば、分配利益、引いては税前利益が
確定します。『営業者法主が法人税相当額』では
法人税額も決めることが出来ず、永遠に決算作業が
終わらないようにも思えます。

このようなケースでは、営業者報酬と法人税額が
ほぼ、一致するような水準に決めて、TK決算を
組むようにしました。

通常、営業者用の銀行口座を開設し、営業者口座は
匿名組合部門から営業者報酬を受取、資金年の入金を受け
法人税を営業者口座から、納付します。

一方で、GK内に、営業者口座を設けていない案件も
あります。このような案件では、営業者と匿名組合との
区分が曖昧なものが多い印象です。

営業者報酬は、GK-TKスキームでの独特の
取引で、GK全体の決算書では、出てこない項目で
GK-TKスキームでの独特の、取引かと思います。

ただ、営業者報酬は、営業者という考え方が
GK-TKスキームを理解する上では、大切な
ものの1つです。

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任意組合とインボイス制度

弊事務所(淀屋橋総合会計)では、法人であるSPCだけでなく
任意組合の経理業務(事務管理業務)も担当しております。

具体的には、商業施設の複数の所有者(オーナー)が構成員の
任意組合の経理業務です。

具体的な組合名は、お伝え出来ませんが、マンションの管理組合の
組合員が、複数の事業者で構成されているものです。

この任意組合も2023年10月から開始する消費税の
インボイス制度の影響を受けます。

弊事務所が担当しているに任意組合は、商業施設のオーナーのため
賃料には、消費税を上乗せして、テナントに請求しております。

一方で、任意組合自身は、消費税納税義務者でないため
消費税申告はしておりません。つまり、免税事業者なのです。

現行の制度では、免税事業者でも、取引先に対して、消費税を
上乗せして、請求することに、何ら支障はありませんでした。

インボイス制度が開始すると、免税事業者は、適格請求書(登録
番号等が付された請求書)を発行することは出来ません。

そのため、取引先には、当任意組合が免税事業者であることは、分かって
しまい、更には、取引先は、従来、任意組合に支払った消費税を
仕入税額控除(消費税の申告計算で、控除する)していたところ
2023年10月以降は、控除額が制限され、その6年後には、全く控除
出来なくなります。

そして、取引先は、免税業者である任意組合に対して、消費税の
上乗せについて、反論等されることが予想されます。

もちろん、インボイス制度が始まっても、任意組合は、賃料に
消費税を上乗せして、請求しても構いません。ただ、テナントから
上記のような申出は、予想されます。

なお、任意組合はあらゆる場合で、免税事業者になるわけでは、
ありません。組合員全員が、課税事業者である場合は、
任意組合が、インボイス登録をすることが可能です。

大規模な工事等で、複数の建設会社が、JVを組んだ場合の
組合は、組合員全員が課税事業者でしょうから、そのような場合は
任意組合もインボイス登録をして、適格請求書を発行することも
可能です。その場合でも、一定の届出が必要です。

このように、インボイス制度が与える経理現場への影響は
かなり幅広いものと予想されます。

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指図書のクラウド化

会計事務所の世界に限りませんが、クラウド化が進展しつつあります。
昨今での、AM会社への指図書発行要請は、クラウド上で行うことが
主流になりつつあります。

クラウド化することで、電子メールの時と異なり、情報の共有することが
出来て、進捗状況も、関係者が、リアルタイムで把握することが
出来ます。

また、指図書発行の履歴や、添付書類とも、保存することが出来て
後日、振返って確認することも容易です。

昨今の在宅勤務推奨する経済環境では、クラウド上の指図書であれば
在宅勤務中でも確認が可能です。

しかし、会計事務所が行う指図の内容は、
⓵ 書類等への押印
② 送金手続き
がほぼ、全てと言って良いほどで、これらの作業は、在宅勤務中に
することが出来ないです。

指図書のクラウド化と、在宅勤務を推し進めるためには
在宅勤務者と事務所勤務者との連携が非常に大切で、この連携が
機能することで、この便利な機能を、上手に使いこなせることに
なります

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SPC案件での不動産の取得価格

SPC案件で、案件租税時には、様々な費用が発生します。
会計士費用、弁護士費用、司法書士費用、ローン手数料
不動産鑑定費用、ER(エンジニアリングレポート)費用
不動産調査費用、仲介手数料など様々です。

これらの費用について、不動産の取得価格に含めるかは
1つの論点です。

税務上は、不動産の売買代金と仲介手数料、固都税の精算が
あれば、その精算代金は、取得価格に含むことを求めております。

実務上は、比較的大きな金額になるローン手数料や、弁護士費用を
不動産の取得原価に含めるか、長期前払費用等で、繰延処理
するケースが多くあります。

特に、複数の投資家が存在する案件では、配当を多くするため
取得原価を税務上のものより広く集計し、費用化するタイミングを
建物の耐用年数等に伸ばすケースも多くあります。

SPCが会計監査を受けているケースでは、この不動産の取得価額が
論点になるケースもあり、取得価格の範囲については、会計監査を
担当する会計士と、相談の上、進めることが、望ましいと思います。

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