SPC太陽光発電所の故障と保険金受取

担当させていただております
SPCの太陽光発電所で、
故障により、発電が止まる事象が発生しました。

発電所の完成後、稼働する際に
保険に加入しておりましたので、
修理費用が保険で補填されるのではないかと
運営会社より、保険代理店に問合せをいたしました。

当初は、外的要因が認められないため
保険期間中の事故等が原因ではなく
発電所の製造過程での欠損による故障の可能性が高く
保険の対象ではないとの回答でした。

しかし、部品メーカーや現地管理業者等を含め
保険会社と協議し、様々な資料提出をした結果、
稼働中の落雷による事故が故障の原因だったことが判明し、
保険の対象となりました。

当然のことですが、
保険の請求には、詳細な資料提出や
厳密な事実確認を要します。

今回は、コロナ禍と言うこともあり、
保険代理店や保険会社の担当者もほとんどが
テレワークをしていた影響もあったのか
問合せから、保険金が確定・入金されるまで
数ヶ月を要しました。

日本では、台風等の自然災害も多く、
発電所も被害を受けることがありますので、
保険の加入やその補償内容の重要性を
改めて感じております。

休眠会社をSPCに利用する時の注意点

弊事務所が最近扱った案件で、数年間休眠

会社としていた法人を事業用SPCとして

利用するケースがありました。

この案件は、SPCが資金調達をして

再生可能エネルギー発電所を建設するという

ものです。

事業計画では、建設工事が完了すれば

建設代金に含まれる消費税を還付する前提で

作成されておりました。

弊事務所では、SPC設立時から関与しておりません

でしたが税務処理の検討を金融機関から受けました。

その際、重大なことに気が付きました。

それは、SPCは消費税の課税事業者の選択届を

出さずに、消費税還付を受ける事業計画を

作成していたのでした。

速やかに、課税事業者選択届を出して

工事が完了する翌事業年度以降は課税事業者に

なったので、還付を受けることができる状態に

なりました。

SPC案件では、過去にどのような届出書類を

税務署に提出していたか、確認することは

基本的で大変重要な手続きの1つです。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
 税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
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休業中のSPCの解散申告と清算申告

SPC設立後、プロジェクトの開始が遅れたため
長らく休業中の法人がございました。

こちらの法人は、3月決算でしたが、
昨年11月に解散しました。

法人の解散・清算結了については、
それぞれ確定申告書の提出が必要となります。

解散申告は、事業年度開始日から解散日、
清算申告は、解散日翌日から清算結了日まで
となります。

休業中の法人については、
国税は、申告書の提出が必要ですが、
大阪府の場合は、府・市内に事業所がないとみなされ、
通常、法人府民税と法人市民税の申告書の提出は不要で、
均等割の支払いもありません。

今回、休業中の法人の解散・清算結了にあたり、
府税事務所と市税事務所に
申告書の提出について確認したところ
均等割の支払いはありませんが、
いずれも解散・清算結了の異動届を提出した後に
申告書を提出してくださいとの回答でした。

また、清算申告の申告期限は、
清算結了日の翌日から1月以内に
申告が必要ですので、こちらも注意が必要です。

消費税課税事業者の選択届

最近、お取り扱いしたSPC案件で、次のような出来事がありました。
投資対象は、再生エネルギー発電所で、SPCは数年前に設立されておりました。最初は、事実上休眠状態で、法人税申告のみしておりました。

いよいよプロジェクトが稼働する段階になり、資金調達のため事業計画を作成し、関係者との条件交渉などを進めるようになりました。

弊事務所では、作成された事業計画の主に、税金面の検証作業を
することになりました。
その過程で、重大なことに気が付きました。

事業計画では、設備投資(発電所工事代金)に係る消費税は
設備が完成する翌年度に、還付を受ける前提で作成されておりました。

そのSPCの資本金は、200万円で株主にも、大きな会社はありません。
このままでは、免税業者で、消費税の還付を受けることは出来ません。

にもかかわらず、消費税が還付される前提で事業計画を
作成されておりました。

慌てて、課税事業者の選択届の提出を促し、設備の引渡しは
翌期であったため、設備投資の消費税還付は、可能となりました。

SPC案件では、消費税の扱いは、十分注意しなければ
事業計画の前提が大きく異なるケースがあるので、

⓵SPCの資本金
②SPCの株主構成
③SPCの売上高の推移
④SPCの税務署等への届出書類の状況
⑤SPCの過年度の税務申告書

などを確認して、今、SPCはどんな状態にあり、
どんな選択をすべきか、検証しなければなりません。

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令和3年の償却資産申告

年が明けて1月は市区町村に
償却資産申告書を
提出する月です。

1月1日現在、会社が所有している
償却資産(機械や備品など)を
1月末(休みの場合翌日)までに
所在する市区町村へ申告します。

市区町村では、提出された
償却資産申告書に基づき
課税台帳の登録や公示等を行います。

後日、納税通知書が郵送されてきますので、
内容に従って納税します。

担当しておりますSPCで、
発電所の引渡しがありました。
償却資産申告基準日が1月1日ですので、
引渡しが1月1日までか
1月2日以降かによって、
その年に納税するかが変わります。

昨年すでに所有している
償却資産に対しては、
コロナによる売上減少の場合、
今年について減免措置もあります。

いずれも1月末日が申告や
減免申請期日ですので、
忘れずに正しく申告しましょう。

SPCの本店移転

担当させていただいております
SPCの本店が12月15日に大阪市から
豊中市に移転しました。

こちらのSPCの決算期は3月ですので、
事業年度途中での移転となります。

本店が移転した場合は、
国、都道府県、市区町村それぞれに
異動届を提出しなければなりません。

確定申告については、
今回の場合は、大阪府内での移転ですので、
国と府に関しては、移転後の管轄の税務署と
府税事務所に申告します。

但し、法人市民税については、
大阪市と移転先の豊中市の両方に
申告する必要があります。

法人市民税の均等割は、
1ヶ月未満は切り捨てとなりますので、
今回の場合は、
大阪市 4月1日~12月14日(8ヶ月と14日)→8ヶ月
豊中市 12月15日~3月31日(3ヶ月と17日)→3ヶ月
となります。

しかし、法人税割は、均等割とは違い
どちらも1ヶ月未満切り上げとなり、
今回の場合は、大阪市は9ヶ月、豊中市は4ヶ月と
なりますので、注意が必要です。

また、法人市民税申告の際は、第20号様式の他に、
第22号様式の2(課税標準の分割に関する明細書(その1))
の提出が必要となります。

SPCの連結決算作業

SPCを親会社の連結子会社として
扱う場合の注意点をまとめます。

監査法人との話し合いで、
SPCを連結子会社とするケースに、
しばしば遭遇します。

連結決算作業を、進めるにあたって
いくつか注意すべき点があります。

⓵ 連結子会社の決算月
親会社と子会社では、決算月が
3ヶ月以内の相違は認められますが
それ以上長い場合は、認められません。

そのため、連結子会社の決算月を
いつにするかは、重要なポイントに
なります。

連結子会社の決算に時間を要するケースは
連結子会社の決算月を、1~2ヶ月程度
早くしておいた方が、望ましいです。

② 会計方針
原則として、親子間で会計処理方針を
統一しておく必要があります。
これも、会計方針が一致しているか
一致していなければ、統一するように
変更が必要です。

③ 債権債務
親会社側で子会社に対する立替金が
発生すれば、子会社に未払金など
計上するように、請求書発行が必要です。

親子会社間で、債権債務は
基本的に一致するように、
経理処理のフローを整える
必要があります。

匿名組合契約での営業者報酬

匿名組合契約書では『営業者報酬』というものが
記載されております。

この営業者報酬とは、どのようなものでしょうか?

契約書では、匿名組合から営業者に支払われる報酬と
記載されています。

この営業者報酬は、SPCから外部に支払われる報酬では
ありません。

あくまで、SPC内部での報酬です。
営業支店から本店に支払われる会社維持のための
本社費用のようなものです。

匿名組合決算ではこの営業者報酬を
支払った後の利益を匿名組合員に分配されます。

匿名組合部門では、損益がゼロになります。

一方で、営業者部門では匿名組合から
受け取った営業者報酬分がプラスになります。

仮に、営業者部分での損益が営業者報酬しかなければ
会社(SPC)全体では、営業者報酬相当が、
プラス(匿名組合の損益がゼロのため)になります。

SPCは営業者報酬相当の課税所得が
発生し、法人税負担が発生します。

通常、匿名組合出資を受けたSPCは、
僅かな(概ね営業者報酬相当)の
課税所得から法人税が発生し納税をします。
営業者報酬というものは概念的なもので、
具体的に第三者に支払われる報酬とは、
性質が異なるところが、特徴かと思います。

消費税の還付を受ける口座について

担当しておりますSPCの決算に際し、
設備投資に伴い消費税還付がありました。

そちらの会社では、口座が複数あり、
還付金入金口座をどちらにされるか
お聞きしましたところ、
当初、営業者口座にされるとの回答でした。

しかし、後日、メイン口座へ受取口座変更の
お申し出がありました。

融資契約をご確認されたところ、
消費税の還付については、
メイン口座にするよう
定められていたためでした。

税務申告の際、還付金の受取口座は
SPCが指定しなければなりません。

今回のように、契約で定めがある場合等、
契約に従い受取口座を指定します。

また、申告毎に受取口座の変更は可能です。

休業中のSPCの法人税申告について

現在、休業中のSPCが
3月末に決算をむかえました。

こちらのSPCは、昨年7月に設立したものの
プロジェクトの開始の遅れにより、
設立後すぐに休業の届出をいたしました。

通常、大阪に本店がある場合、
休業中の法人については、
国税(法人税・地方法人税)の申告は必要ですが、
法人府民税と法人市民税の申告は不要で、
それぞれの均等割も発生しません。

但し、こちらのSPCでは、
設立時に諸経費が発生しており、
繰越欠損金が発生しました。

通常、営業中の法人であれば、
繰越欠損金が発生した場合、
国税だけでなく、都道府県民税の申告の際にも
繰越欠損金の別表を提出しなければなりません。

今回のように、休業中で
繰越欠損金が発生した場合は、どうでしょうか。

府税事務所に確認しましたところ、
繰越欠損金が発生する場合は、
休業中であっても法人府民税の申告が必要で、
六号様式の申告書と繰越欠損金の別表の他に
決算報告書も提出するようにとのことでした。

SPCに限らず、休業中の法人で
費用が発生することは、あまりないかもしれませんが、
繰越欠損金が発生する場合は、
法人府民税の申告にご注意ください。