淀屋橋総合会計のブログ

不動産会社の破綻

今年に入って、不動産関係の会社の
破綻が相次いでいます。
レイコフ、近藤産業、スルガコーポレーションなどなど
最近あった方との話では、関西地区で
今年中に、いくつかの破綻があるでしょうとの
ことです。

倒産隔離措置をとった、スツラクチャーに
組み入れられた不動産は、オリジネーターや
AM会社に破綻があっても、法的処理は
免れると思いますが、そうではない不動産に
ついては、法的処理の対象となり、売りたたかれる
ことになろうかと思います。

また、破綻した会社の不動産を狙っている
不動産会社もあることと思います。

しばらくは、厳しい経営環境が
継続することが、予想されることから
資金力のある会社とない会社では
差が出るでしょうし、場合によっては
生死を分けることもあろうかと思います。

路線価と実勢価格

先日、平成20年の路線価が公表されました。
新聞記事等によれば、都心部の上昇幅が
縮小されたようです。

路線価の基準日は、平成20年1月1日
ということから、昨年1月1日から今年の1月1日に
かけて、都心部では、地価の上昇があったという
ことです。

最近では、地価の下落が始まっているという
認識が広まりつつありますが、都心部で
地価上昇があったというのは、違和感が
あるかもしれませんが、路線価は、あくまで
今年の1月1日時点の評価というところに
要因がありそうです。

また、路線価などの公的評価の性質として
実勢価格から遅行して変動するところが
あることも、違和感の要因のひとつかもしれません。

一般に路線価は、対象地の標準的な地価である
公示価格の80%
となるように計算されています。

ただ、公示価格と実勢価格とは、乖離している
ことが、通常であり、路線価と実勢価格とは
直接結びつけるものはありません。

なお、路線価は、都心部を中心に
網羅的に価格を算出していることから
ある土地と他の土地との価格差を、検討する際に
参考になると思います。

今年度に入って、不動産に対する金融機関の
姿勢や需給動向から来年に、公表される
路線価は、今年のようには、ならないものと
予想されます。

四半期決算の導入とSPC経理

みなさん、ご承知の通り、上場会社は
四半期毎に決算を開示しなければ
ならなくなりました。
このため、上場会社の経理担当者や
監査法人の監査担当者は、従来よりも
前倒しで業務をしなければならなく
なりました。

四半期毎の決算といえども、経理担当者は
本決算に近い経理をしなければなりませんし
監査法人は、その決算を見て、期末監査ほどの
ことをしなくても、省略した形式の
監査(通常、レビューといいます。)を
しなければなりません。

その余波が、私どもの事務所にも
出てきています。
上場会社さんの連結子会社となるSPCの
経理業務を受けておりますが、その
経理作業のスケジュールを前倒しに
してほしいとの依頼を受けております。

事務所としては、対応可能なスケジュール
ですが、従来以上に迅速かつ正確な
作業が求められております。

監査法人の監査担当者も、年中監査を
しているようになっているようです。
私が、監査法人にいて監査をしていた
10年くらい前では、今ごろ(7月ごろ)は
比較的時間的に余裕のある時期でしたが
今は、そうはいかなくなって
きているようです。

企業に応じたCRE戦略がある

CRE戦略の書籍を見れば、実際の
CRE戦略の採用企業の例示が
出ています。
そこに、出てくる企業は、売上数兆円の
巨大企業(日産、東芝など)が多く出てきます。
そのような巨大企業のCRE事例は、参考に
なりますが、全ての企業に
そのままあてまめることはできないと
思います。
企業の背の丈にあったCRE戦略があると
思います。

CRE戦略の際に、不動産管理用ソフトの
導入事例が出てくることがあります。
代表的なソフトが、@プロパティというものです。

私どもの事務所でも、不動産ファンドの
経理処理のため@プロパティを使っています。
しかし、このソフトは、かなり詳細な機能を
備えていて、CRE戦略を導入する
全ての企業に、必要なものであるかと
いうとそうではないと思います。

恐らく、CRE戦略にあてって、専用ソフトを
導入すべき企業は、全体の中では
少数派になるものと思っております。

いずれにせよ企業の背の丈に応じた
CRE戦略があります。

コミングリングリスクとSPC

金融用語として、コミングリングリスク
という言葉があります。
これは、混合リスクという意味ですが
わかりやすく言えば、金融機関が融資した
資金で得た収益が、金融機関への元利金
返済ではなく、他のことに使われてしまう
リスクのことです。

金融機関は、融資判断の際、融資資金で
使われる資産等から得られるキュッシュフローを
判断のポイントとしています。
しかし、そのキャッシュフローが元利金返済
以外の目的で使われてしまえば
本末転倒のこととなってしまいます。

不動産証券化でのノンリコースローンでは
不動産のみを担保としているため
このように混合してしまうとスキームの
根本からゆるがすこととなります。

わざわざコストをかけてSPCを利用する
目的のひとつとして、コミングリング
リスクの回避というものがあります。
つまり、SPCを利用することで、不動産から
得られる資金を、まず、債権者への
元利金返済を優先させて、なお、残余が
ある場合は、投資家等へ返済させることで
コミングリングリスクを回避することが
できます。

通常のコーポレートローンの場合
不動産を抵当権として取っても
コミングリングリスクを回避することは
困難です。

これも、SPCを利用されるメリットの
ひとつとして、あげられると思います。

資産除去債務に関する会計

平成22年4月1日以降から開始する事業年度より
資産除去債務に関する会計基準が適用される
こととなりました。

不動産に関する会計については、次のことが
影響することと予想されます。
 ヾ覿箸保有する不動産にPCBがある場合
 その除去費用を債務として計上しなければ
 なりません。
◆‘瑛佑縫▲好戰好箸ある場合も
 その除去費用を債務として計上しなければ
 なりません。
 定期借地契約で、建物を建てている場合
 契約期間満了時には、建物を取り壊して
 原状回復させて、地主に返還する義務が
 あるので、その取り除く費用を
 債務として計上しなければなりません。
ぁ(殕する土地に土壌汚染がある場合
 汚染を除去しなければならなければ
 除去費用を債務として計上しなければ
 なりません。

以上だけでも、不動産に関する会計に
与えるインパクトは大きいと思います。

,裡丕達造砲弔い討蓮環境省にPCB保管
事業所と届けている事業所は、その計上義務があるものと
思います。

平成15年現在ですが、保管事業所を検索できます。
http://www.env.go.jp/recycle/poly/pcbjigyo.php?yr=2003

△離▲好戰好箸蓮▲▲好戰好箸あれば全ての
企業が除去債務を計上しなければ、ならないかと
言えば、少し疑問があります。アスベストがあっても
屋根裏などで、封印されてあれば、解体等しなければ
実害はなく、除去債務を計上しなければならないのかなど
債務計上の基準については、難しいところが
あります。

づ攵躅??砲弔い討癲土壌汚染があったとしても
直ちに除去しなければならないものではないものも
あります。

また、不動産を流動化等してあれば
PCB,アスベスト、土壌汚染については
費用をかけて調査していますが、流動化や売却を
まったく検討していない不動産については
これらの調査をしていないことが
一般的と思います。
このようなリスク要因について
把握していない企業もたくさんあると思います。

まずは、企業の保有不動産について
これらのリスクがあるか調査することから
この会計基準への対処が、始まるものと
思います。

オフバランス判定の5%ルール、15%ルール

SPCを利用する場合、オリジネーター
(譲渡人)が、対象資産をオフバランスできるか
田舎の判定の際に、一定のルールがあります。

一般的なのが、5%ルールというものがあります。
5%ルールとは、譲渡人が譲渡した資産(不動産)の譲渡時の時価に
対して、譲渡後に負担するリスク(通常は、エクイティ額)
が、5%の範囲内であれば、オフバランスできるという
ものです。
(特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る
 譲渡人の会計処理に関する実務指針 H12.7.31
 日本公認会計士協会)

このルールは、明文化されたオフバランスルールです。

これ以外に、明文化されていませんが、SPCでの
オフバランス判定の共通認識となりつつあるのが
15%ルールというものです。

具体的には5%ルールを更に厳しく見たもので、
譲渡人が、SPCに資産(不動産)を譲渡して、譲渡人が
負担して良いリスクとは、エクイティ部分の
15%未満でなければならないというものです。
これは、SPCではなく通常の会社の場合、他の会社議決権の
15%以上を保有し、他の会社と重要な融資や契約など
していたら、他の会社は、関連会社として
持分(例えば、15%)相当額を、連結しなければ
ならないというルールから派生してきて
エクイティを議決権と見なして、譲渡人はエクイティの
15%を持っていれば、オフバランスできないという
ルールです。(明文化されていませんが。)

5%ルールは、明文化され運用に差があるケースは
ほとんどないと思いますが、15%ルールについては、
実務の世界での運用に大きな差があると感じています。
この点については、不動産ファンド会社から
疑問視されている言葉も、しばしば聞いております。

この点については、早く制度が整備されることが
望まれます。

不動産投資ファンドをCRE戦略の観点から検証

最近の不動産市場にも、大きな位置を占めるようになった
不動産投資ファンド会社が、組成する不動産投資ファンドを
CRE戦略の観点から検証してみる。

一般に、不動産を現物として購入する場合と
SPC等を組成して、購入する場合とでは、
コスト的には、SPCを利用する方が
高くなることが一般的です。
なぜなら、SPCを組成するにも、運営するにも
弁護士や会計士等の専門家報酬、アレンジ費用や
融資手数料等が別途必要に
なるからで、SPCを利用することによって
コーポレートローンより金利が低く
なったとしても、全体としては、コストアップ
となるからです。

であるならば、わざわざ、SPCを利用して
不動産投資することのメリットは、CRE戦略の
観点からは、ないのではということとなります。

結論としては、そうではなく、SPCを利用する
ことで、レンダー(金融機関)は、ファンド会社の
信用リスクを考慮せず、不動産の収益性だけを
もって融資判断でき、不動産ファンド会社が
SPCを利用しない場合より、多くのプロジェクトを
実行することが可能となります。

つまり、1物件あたりの収益額が小さくなっても
多くの物件をこなすことによって
収益額の絶対値をあげることが、SPC利用に
よって期待できます。

ここ5年から10年程度で、東京を中心に
急成長した不動産ファンド会社は
これらの手法を利用して、取り扱い不動産残高を
伸ばしてきました。

最近5年程度の不動産市況が、上昇した
局面では、投資額を増やすことで、レバレッジ効果も
期待できたことから、CRE戦略の観点から見ても
SPC等を利用した不動産投資に合理性は
あったと思います。

ゼロベースで考えるCRE戦略

不動産には、思い入れがあることが
多くあります。以前のブログでも、企業の場合
創業の地に対しては、愛着があるように
全てが、経済合理性のもとで、意思決定される
ものではありません。

そのような不動産と向き合って、企業経営に
活かすために、ゼロベースで、不動産を
見直すことが、CRE戦略の起点になるものと
思っています。

昨日のブログでは、数値分析の限界について
触れてみましたが、数値分析をすることが
無意味なのではなく、数値分析をすることで
見えてくるものは、経営に活かしていけば
良いものだと思います。

ゼロベースで、見直すことで、今まで
見えてこなかったものや、気がつかなかったことや
新しいアイデアが生まれてくるものだと
思います。
今までの既成観念にとらわれない為にも
全ての不動産を洗いなおす作業は、それなりに
有益だと思います。

CRE戦略での数値分析の限界

CRE戦略では、不動産のリスクを数値化するという
お話をしましたが、数値化による問題点もあります。

例えば、減損会計適用リスクに不動産が、どの程度にまで
接近しているかを検証するため、不動産毎に
収益性を計算したとします。
その結果、A不動産は、10%、B不動産は、5%
C不動産は、1%だったとします。
不動産保有企業の投下資本利益率が、3%とすれば
C不動産は、収益性を引き下げる物として、てこ入れを
するか、場合によっては売却も検討することとなります。

しかし、企業経営において、A不動産、B不動産、C不動産は
バラバラに存在しているのではなく、それぞれ
企業の数値に現れる収益だけでなく、様々な方面に
影響を与えています。

この例として、不動産ではありませんが、吉本興業という会社では、
タレントのテレビ出演による出演料収入や
キャラクターグッズの売上が、極めて収益性が高いのですが
なんばグランド花月などの、舞台での売上や収益性は
低いものだそうです。

だからといって、なんばグランド花月を閉鎖するようなことは
吉本興業はしません。
なぜなら、舞台というものは、芸人によって、生の観客に
触れる場所であり、テレビ出演しているタレントが
人気が落ちてくれば、舞台に出て、生の観客に触れることで
芸に磨きが入り、人気が回復することがあるからだそうです。

長い言い回しになりましたが、企業経営では、低採算
又は不採算でもしなければならない事業もあるという
ことです。
CRE戦略の過程で、リスク等を数値化しても、見えてくるものと
見えてこないものがあるのだと思います。