淀屋橋総合会計のブログ

開発途中SPCでの消費税の経理処理

弊事務所で、水力発電開発中のSPC案件を 担当しています。

そのSPCの開発途中に支払う『課税仕入取引』の 経理処理について、お話しします。

開発途中では、課税売上が発生せず、課税売上割合は0%です。 そのため、『一括比例配分方式』で消費税を 計算した場合、課税仕入れにかかる消費税に0%(課税売上割合)を 掛けて計算するので、還付額はゼロになります。

一方で、『個別対応方式』で計算すると 『課税売上に対応する課税仕入取引』に係る 消費税は全額還付されます。

従って、開発途中では課税仕入の経理処理の際には 『課税売上に対応する課税仕入』と それではない『共通対応の課税仕入』に 慎重に区分して、『個別対応方式』を採用しなければなりません。

例えば、水力発電所の設計費用は、売電収入(課税売上)に 直結する『課税仕入』のため、『個別対応方式』を 採用すれば、還付対象になります。

一方で、会計事務所に支払報酬は 売電収入と直結する『課税仕入』とは断定できない取引であり 還付対象にはなりません。

このように、案件の内容に応じて、慎重に消費税区分を 検討し、経理作業を進めております。

電気供給事業にかかる「収入割」の課税標準となる収入

私どもでは、太陽光やバイオマス等を利用した
電気供給事業を手掛けるSPCを
多く担当させていただいております。

電気供給事業では、発電所が完成し、
売電が始まると、収入金額に応じて、
事業税の「収入割」が発生します。

「収入割」は、都道府県民税の申告の際、
第六号様式別表六「収入金額に関する計算書」を作成し
そちらで求めた収入金額に課せられます。

課税標準となる収入金額には、
売電収入だけではなく、電気事業に付随する
すべての収入を含めなければなりません。

例えば、発電施設内に電柱を設置している場合、
管轄の電力会社より、電柱敷地料を受け取りますが、
この電柱敷地料も、電気事業に付随する収入として、
課税標準となる収入金額に含めます。

逆に収入金額に含めなくて良いものは、
電気事業に直接的には関係ない収入で、
代表的なところでは、保険金や受取利息などです。

電気供給事業の「収入割」と言うと
売電収入のみにかかるイメージですが、
付随する収入を含めることを忘れないように
しなければなりません。

会社から受け取る利息等

当会計事務所のお客様は、8割がたSPC関連なのですが、
不動産業を営まれている会社様など
一般の株式会社を経営されている方もいらっしゃり、
この時期は、顧問先の会社経営者の方などの
確定申告業務をお引き受けしております。

そんな中で、
所得税があまりかからないように
会社の資産を個人に移せないかというご相談を受けました。
中小企業の法人実効税率は、約30%ですが、
個人の所得税率は所得が900万円を超えると
住民税を合わせて43%になりますので、
役員報酬という形で所得を移すと所得税が高くなります。
(所得税の税率)

そこで、配当金という形で利益分配をすれば、
分離課税の税率20.42%でよいのではないかというご質問を受けましたが、
非上場会社の配当金は、分離課税ではなく、総合課税になりますので、
所得税率が高ければ、配当金にかかる税率も同率の高い税率になります。
(1年間株を保有して配当金が10万円以下の場合は、
申告不要とすることもできます)(国税庁HP)

また、会社にお金を貸し付けて、
その利息としてお金を受け取るのはどうなのかという質問を受けましたが、
その場合の利息は、利子所得や配当所得ではなく、雑所得となり、
やはり分離課税とできません。
給与所得以外の収入が20万円以下の場合は、通常、確定申告は不要ですが、
同族会社への貸付金利子の場合は、
20万円以下でも確定申告しなければなりません。(国税庁のHP)

さらに、会社から貸付金利子を受け取る場合は、
利息の額を適正な額にしておくことも必要となります。
金融機関から借入れする場合の利息とかけ離れた高い利息を取ると
支払利息ではなく、役員賞与であるとみなされて
支払った額が損金と認められない場合があります。

個人事業の間は、儲けたお金は自由に使うことができますが、
たとえそれが小規模な会社であっても会社を立ち上げた以上
「会社と社長は別人格」ということを意識しなければならないように
税法はできています。

バイオマス発電案件で設備引渡がありました

2019年11月に、顧問先様で完成した発電所の引渡しがございました。

経理処理に必要な書類は、引渡証明書・工事請負契約書・請求書(工事代金、試運転費)などです。

設備が完成して引渡しされると、工事中は建設仮勘定に積み上げていた
支出額が、該当する有形固定資産に振替られます。

工事請負契約書で工事代金を、請求書より試運転費を確認します。

固定資産台帳作成にあたっては、以下のとおりです。

有形固定資産に振替後、固定資産台帳を作成します。

・資産毎の取得金額を算出
・償却方法の選択(定額法か定率法か) 
→ 過去に償却方法の届出を税務署にしていないか確認必要。
・耐用年数の決定
・償却資産税の対象か否かの判定

引渡し後、税務処理すべきことは以下のとおりです。

・2020年の償却資産税の申告
・2020年3月(本決算)の消費税申告時、工事代金の消費税還付

弊事務所は、SPC会計に特化しおり、上記の様な再生可能エネルギーを扱う会社様のサポートをさせていただいております。

❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑
 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑

年会費は、消費税の課税取引か否か?

国立大学法人を母体とする法人の
お客様より、次のような質問を受けました。
この法人は、企業などから年間会費を受け取っており
これが消費税の課税取引か、否かの質問でした。

同法人は、企業等の法人会員から
年会費を受け取り、企業から派遣した
社会人技術者に、社会人教育を
提供しております。

その中身は、技術者が大学法人主催のセミナーに
参加するほか、講義を受けたり、他企業の
技術者と情報交流するなど、様々な
サービスを受けております。

消費税法では、支払った費用と受け取るサービス(便益)に
明確な対価関係があることが、課税取引と判定する
要素の一つとしております。

企業が年会費を支払うことで、様々なサービスを
受けることが出来ますが、この多様性の為
対価とサービスとの間に明確な対価関係がなく、
課税取引には、該当しませんでした。

ただ、セミナー開催時の講義資料代を別途徴収している
ケースもあり、これについては、資料代として明確に
他と区分されており、課税取引と判定しました。

上記のような年会費の取扱いは、国税庁のHPでも
解説されております。
【消費税法基本通達 5-5-3】
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/05/05.htm

❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑
 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑

発電所電力制御について

担当させていただいているSPC(特別目的会社)に、
九州の太陽光発電所がございます。

こちらの発電所は、
昨年の6月に始動したのですが、
始動してから、何度か九州電力から、
発電所電力制御と言う連絡がありました。

発電所電力制御の連絡が来ると
一時的に、発電を止めなければなりません。

これは、九州電力管内で、発電量が多くなり
供給が需要を上回るため、需要と供給のバランスを
保つようおこなわれるようです。

弊事務所では、他の電力管内でも
発電所をされているSPCがいくつもございますが、
他の電力管内では、このような発電制御の
連絡が来たことは、ほとんどありません。

九州電力管内では、比較的発電量が多く
供給過多になることが多いのでしょうか。

しかし、発電を停止することは、
発電所の売電収入にも影響が出ますし、
せっかく、発電できる設備があるのに
とても残念です。

発電自体を制御するのではなく、
発電した電力すべてを有効活用する方法が
今後、出来るといいですね。

特定目的会社の社員とは

株式会社や合同会社は会社法にもとづき設立・運営される会社ですが、
特定目的会社は資産流動化法に基づいて設立・運営される会社で、
両者には様々な違いがあります。

その一つが出資者です。
株式会社では株式を発行するので、
その引き受け手である出資者を「株主」と呼びますが、
特定目的会社の出資者は、「社員」と呼ばれます。
一般に、社員というと従業員を意味しますので、
ややこしいですね。

特定目的会社には株主がいませんので、株主総会というものはなく、
代わりに「社員総会」が開かれます。
社員には「特定社員」と「優先社員」があり、
特定社員は議決権がありますが、優先社員は議決権が制限されています。
ですので、解散時の残余財産の処分の決議等以外の
通常の社員総会には特定社員だけが出席します。

プレイヤーの破綻が特定目的会社に及ばないように
倒産隔離を図るため一般社団法人が特定社員となるスキームが一般的です。
出資額の制限はありませんので、特定社員は運営上最小限の出資を行い、
取得する特定資産に応じて優先社員が出資を行うケースが大半です。
したがって、特定目的会社の出資は、
少額の特定出資と多額の優先出資で成り立っているのが一般的です。

優先社員は、特定社員より優先的に利益の配当や残余財産の分配を
受ける権利を有していますので、
通常、特定出資者に配当金が支払われることはありません。
その他、細かいことですが、株主資本等変動計算書、株主名簿なども
特定目的会社では、「社員資本等変動計算書」「社員名簿」など
「社員」という言葉が使われます。

休眠会社の申告書・決算書の提出について

新年、あけましておめでとうございます。
本年も事務所メンバー全員の力を合わせ、
皆さまと一緒に発展していきたいと思い
ますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、昨年の6月のことですが、顧問先の
特別目的会社様が、所轄の市役所及び
県税事務所、税務署に休眠届の提出をいたしました。

こちらの会社は11月が決算期でしたので、
12月に入り、申告書の提出が必要か否かの
確認を県税事務所、並びに市役所の税務課に
確認をいたしました。

県税事務所は、申告書、決算書ともに提出が必要
であるとの回答でしたが、市役所の税務課では
いずれの提出も必要は無いとの事でした。

今回の管轄先は、飛騨県税事務所および高山
市役所でしたが、この様に県税事務所と市役所では、
申告について見識の違いがある事が分かりました。

ちなみに、均等割りの支払はどちらも不要との
事でした。

休眠中の会社の申告は、大阪府や大阪市は不要ですが、
他府県では不要と決めつけるのではなく、直接、管轄の
県税事務所及び市役所の税務課へ確認をすることが、
重要です。
また、国税に関しては、休眠中でも申告は必要です。

❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑
 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑

特定目的会社の不動産取得税の軽減措置の適用について

担当させていただいております
特定目的会社で、新たに土地を取得しました。

不動産を取得すると、
不動産取得税が課せられますが、
特定目的会社の場合、2021年3月末までは、
手続きをすることで、不動産取得税の軽減措置の
適用を受けることが出来ます。

まず、不動産の売買契約締結後、管轄の財務局長宛に
不動産取得に際し、軽減措置の規定の適用を
受けたい旨の申請をおこないます。

申請には、次のような書類が必要です。
・不動産売買契約書(写)
・軽減措置法の要件をみたすことを証明する書面
・不動産登記事項証明書

申請書が受理されると財務局長より、
要件をみたした特定目的会社であること等が
記載された証明書が発行されます。

そして、不動産取得の申請書を
都道府県税事務所に提出する際に
必要書類と一緒に受理した証明書を提出します。

以上が、特定目的会社が不動産取得税の
軽減措置の適用を受けるための
簡単な手続きの流れとなります。

また、特定目的会社では、不動産取得税の他に、
不動産取得の際に発生する登録免許税についても
別途手続きをおこなうことで、
軽減措置の適用を受けることが可能です。

地方に本店を置く会社の設立手続き

先日、GK-TKスキームを利用した
新法人(発電事業会社)を設立したいというご依頼があり、
当事務所が法人設立手続きのお手伝いをさせていただきました。

当事務所の顧問先様が
特定目的会社や合同会社を設立される場合の本店所在地は
以下のような選択肢があります。
・大阪にある当事務所内に本店を置く
・特定目的会社や合同会社に出資をしている会社内に本店を置く
・事業を行っている場所に本店を置く

今回のお客様は、発電所のある九州の現地に
本店を置きたいというご希望でした。

設立の登記申請は、
本店所在地を管轄する法務局にしなければなりませんので、
本店が九州の場合、九州の法務局に申請をする必要があります。
大阪から九州の法務局の窓口に行くのは時間も費用も掛かりますので、
会社設立場所が遠方の場合は、
当事務所では、通常、郵送で手続きをしております。
(特定目的会社の場合は、定款の認証が必要で、
定款認証は郵送ではできませんが、
合同会社は定款認証の必要ないので現地に行くことなく手続きできます。)

時期にもよりますが、登記手続きには3日から1週間かかります。

今回は、法務局がすいていたようで、
書類が到着したと思われる日の次の日に
手続き完了のお電話をいただきました。
大阪の法務局では、
通常、手続き完了のお知らせはいただけませんので、
九州の方は親切だなと感じました。

申請時に返信用封筒を同封しておきましたので、
2日後に印鑑カードも郵送で送っていただき、
現地に行くことなくスムーズに設立手続きが完了しました。