7月 2011アーカイブ

不動産鑑定と売買の乖離

最近あるSPCが保有する鑑定評価書を
見る機会があった。
大阪市内のオフィスビルで、55億円程度の
鑑定評価額であった。
価格時点は、2011年4月であった。
 
そのオフィルビルが、今月売却されるそうだ。
その価格が、35億円程度である。
鑑定額の63%程度、2/3の価格である。
 
ちなみに、鑑定評価でのキャップレートは
5.5%であった。
不動産に触れられている方なら
感じると思いますが、大阪市内でも
御堂筋に面しているならまだしも
今回のような御堂筋に面していないような
オフィスビルのキャップレートが、5.5%は
今では、あり得ない水準です。
 
そんな鑑定評価書を、大阪の中堅どころの
鑑定事務所が提出しているので、少し驚いた。
 
多分、この鑑定評価書を見た担当者は
売買価格との乖離に気がついていると
思う。
見ようによっては、そんな高い鑑定評価書が
あれば、実際の売買額が、低すぎると
税務当局に指摘される可能性すら感じます。
 
ただ、今回の売却取引は、第3者との取引なので
売買価格について、指摘される可能性は
ないと思います。
鑑定評価が、おかしいということが、実のところと
思います。
 
 

広大地判定 マンション適地について

相続税での土地評価に関する
財産評価基本通達24-4の
広大地に該当する要件として
『マンション適地』に該当しない
という条件があります。
 
このマンション適地に該当するか
否かは、時代によって変わって
いくものです。
 
土地の価格が高い時代は、駅からの
距離が少し遠くても(徒歩20分など)
マンションが建設されました。
 
しかし、昨今のように土地価格が下落
してくると、駅から遠いところは
マンションは建設されず、戸建住宅が
建設されるようになってきています。
 
広大地の判定は、相続が発生した
時点で行うため、最近のように
マンション適地が、駅から10分程度と
なってくれば、マンション適地は少なく
なり、逆に言えば、広大地に判定される
可能性が高くなります。
 
時代の流れを掴むことが、広大地
判定の重要な要素であることは
間違いありません。