9月 2012アーカイブ

不動産鑑定 正常価格 特定価格

不動産鑑定では、正常価格と特定価格という
大きく分けて2種類の価格があります。
(他にも、ありますが)
 
正常価格とは、一般的な市場価格で
特定価格とは、一定の条件が付いた価格です。
 
企業再生の場面では、正常価格と特定価格の
両方が利用されることがあります。
具体的には、企業の時価BS(貸借対照表)を
作成するときには、不動産価格を正常価格に
置き換えます。
 
一方で、企業を清算する場合の清算BS(貸借
対照表)を作成するときには、特定価格を
採用します。
ここでいう特定価格とは、早期売却価格といって
短期間で、不動産を資金化することを前提とする
価格です。
そのため、通常、正常価格より30~50%程度
低い価格が算出されます。
 
では、なぜ正常価格と特定価格では
差がでるかと言いますと、不動産の売却には
一定の期間(半年程度)に市場に売却情報を流しておき
そので決定する価格が正常価格であり
数か月など短期間で資金化する場合の価格は
正常価格より低くなるという経験則から
特定価格は、正常価格より低く算出される
ことになります。
 
企業再生の場面では、このように不動産鑑定額を
使い分けることが必要となります。

都道府県地価調査の発表

先日、都道府県地価調査の
発表がありました。
 
全体的な傾向として、地価の
下落幅が、落ち着いたが、まだ
下落傾向は続いています。
 
東京スカイチリー界隈や
最近、再開発された大阪 天王寺地区は
上昇に転じ、
また人気のあるエリア 例えば、関西では
阪神地区では、地価の上昇に転じました。
 
地価の上昇地区は人が集まる地区でも
あるので、人はより便利で快適な
ところを求めるようになtってきているのでしょう。
 
ただ、日本全体としての地価は
下落傾向にあるということは、経済全体としての
活力は、少しずつ低下していることでしょう。
 
経済の国際化や、少子高齢化の影響が
少しずつ出てきているのでしょう。
 
土地価格の下落傾向は、今後も避けられないため
個人不動産投資家や企業も中長期的な
目線として、これらを見込んだ対策も
必要と思います。
 

尖閣諸島の価格

先日の報道で、尖閣諸島の所有者から
国の買取価格は、約20億円とありました。
この価格は、所有者が得ていた年間賃料
2500万円との比較でいえば、かなり破格の
高い値段と言えます。
 
といいますと、通常、不動産の価格は
賃料等の収益をあげているものの場合
収益÷割引率で産出されます。
 
不動産の場合、国債や預金等に比べると
流動性(換金性)が低いなどの理由で
もっとも低い割引率でも5%程度になります。
 
であれば、2500万円÷5%=5億円が
目安となる価格です。
20億円とは、約15億円の乖離があります。
この15億円は、尖閣諸島を日本のものと
明示することにより、得られる漁業権や
内外への政治的メッセージの重さなのでしょうか?
 
当初、東京都知事が、集まった寄付金約14億円を
国に譲渡してもよいと言っていたので
これが、プレミアム相当の15億円の計算根拠と
思っていましたが、そうではなさそうです。
 

株式評価と 「のれん」

最近の事業承継の手法として
親である経営者が、息子等を
後継者にするのではなく、第三者を
後継者にするケースが増えております。
 
最近では、世代間の価値観の格差も
大きくなってきており、子が親の事業を
引き継がないケースが増えてきていることも
背景にあるようです。
 
その場合、譲渡する株価がポイントに
なりますが、黒字企業の場合、
株価を構成するのれんの価値が
いくらであるかが、問題となります。
 
一般には、営業利益の1~5年程度に
なると思います。
この年数は、将来の利益形状の確実性など
対象となる企業の体質で、ことなります。
 
その前提として、私たち公認会計士が
財務調査等を行って、当事者間で
納得感のある株価になるように
情報を整理したり、シミュレーション
したり、お手伝いをしております。