9月 2019アーカイブ

おせち料理の軽減税率の適用について

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

10月から、いよいよ軽減税率制度がはじまります。

 

先日、おせち料理を販売されている顧問先様から

「おせち料理は軽減税率ですか。」と言う

お問い合わせがございました。

 

おせち料理は、食事場所を提供する訳ではなく

持ち帰り、またはお届けにより提供するものですが、

例えば、容器が簡易的なものの場合と、

豪華な重箱だった場合に違いはあるのか等、

不確かな点もあり、軽減コールセンターへ確認しました。

 

まず、食品と一体となった一体資産の考え方として、

税抜1万円以下の場合は、食品が占める割合が

2/3以上の場合は、軽減税率の対象となりますが、

1万円を超える場合は、食品に付随するものが、

使い捨てか再利用できるかが、判断の基準となるそうです。

 

但し、おせち料理の販売については、

容器がないと持ち帰りや発送で提供できないことから、

容器の質や素材、使い捨てまたは再利用できるに関係なく、

食品と容器を一体として考えて良く、

すべて軽減税率の対象になるとの回答でした。

 

しかし、先日、

「おせち料理のカタログで消費税率8%と10%が混在している」

という記事を見ました。

こちらの記事では、再利用できる重箱等のものを

軽減税率対象外の10%としていました。

 

今回のコールセンターの回答からすると

「おせち料理はすべて軽減税率8%」のはずですが、

世間的にも軽減税率の適用に対しては、

かなり混乱しているようです。

 

ちなみに、私どもの顧問先様では、

すべて使い捨ての簡易容器で提供されるとのことで

迷うことなく、軽減税率が適用されるものでした。

 

軽減税率の対象については、

このように判断が難しいものがありますので、

少しでも不安や疑問がある場合は、

コールセンターや最寄りの税務署に確認されることを

お勧めいたします。

 

消費税軽減税率電話相談センター(軽減コールセンター)

【専用ダイヤル】0570-030-456

【受付時間】午前900~午後500(土日祝除く)

 

 

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中小企業倒産防止共済の経理処理方法

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

中小企業倒産防止共済は、

国が運営する中小企業のための共済制度です。

税制優遇があり、

掛金が全額損金に算入できるため、

(上限800万円)

加入していらっしゃる企業様も多いと思います。

 

倒産防止共済の経理方法には2通りあります。

➀費用処理

②資産計上処理

 

➀では、法人税申告書で調整が不要なので

申告書作成が楽というメリットがあります。

 

②では、保険積立金として固定資産に計上することで

決算書がよくなるというメリットがあります。

 

➀では、費用に計上されますので、

当期純利益が減額しますが、

 

②だと、費用に計上されませんので、

当期純利益は減額されません。

(もちろん、税金の額は➀でも②でも変わりません)

また貸借対照表に保険積立金として

積み立てている金額が見えるので

簿外資産にならず、見栄えもこちらの方が良いでしょう。

 

②のデメリットは、法人税申告書の調整が

必要なことです。

会計上は資産計上されており、

損金処理がされていないため

法人税申告書で減算調整をします。

 

ここで減算調整を忘れた場合には、

修正(更正の請求)は認められませんので、

ご注意下さい。

 

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特定目的会社の繰越欠損金控除額

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

法人の会計業務に携わる方でしたらご存じでしょうが、

ある会計期間に税務上の欠損金(損失)が発生した場合は、

その欠損金を翌期に繰越し、翌期以降の課税所得から控除することができます。

 

ある年の所得が マイナス100万円で、その次の年の所得がプラス100万円だった場合、

その年の所得から前の年の損失を引くことができるので、

今期分所得100万円 マイナス 前期分損失100万円で、その年は、所得0円。法人税も0円です。

 

ある年に大きな損失が出てしまって、次の年の利益からマイナスしても引ききれない場合、

10年間は損失を繰り越すことができます。

 

最初の年の所得が マイナス1000万円で、次の年からは毎年300万円の利益が出た場合、

翌年の課税所得   300万円 - 300万円=0円    繰越欠損金700万円

2年目の課税所得 300万円 - 300万円=0円    繰越欠損金400万円

3年目の課税所得 300万円 - 300万円=0円    繰越欠損金100万円

4年目の課税所得 300万円 - 100万円=200万円 繰越欠損金0円

というように欠損金がなくなるまで課税所得から控除することができます。

10年間繰越しても控除しきれなかった場合は、

残念ながら11年目には繰越欠損金は0円になってしまいます。

 

ただし、上記のように欠損金を全額控除することができるのは中小法人等の特例です。

原則では、所得の50%までしか控除をすることができず、残りの50%には課税されます。

 

上の例で、大会社だった場合、

翌年の課税所得   300万円 - 300万円x1/2=150万円   繰越欠損金850万円

2年目の課税所得 300万円 - 300万円x1/2=150万円   繰越欠損金700万円

6年目の課税所得 300万円 - 300万円x1/2=150万円  繰越欠損金100万円

7年目の課税所得 300万円 - 100万円   =200万円    繰越欠損金0円

というように繰越欠損金を使い切るまで2倍の時間がかかります。

 

 

特定目的会社は、資本金が大きい会社が多く、

資本金1億円以下の中小法人には当てはまらない会社も多いのですが、

特定目的会社は資本金の額にかかわらず、

特例を使って中小法人と同様の処理を行うことができます。

 

特定目的会社には、株式会社にはない優遇制度がいくつかありますが、

この点も優遇措置の一つです。

 

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非営利法人における収益事業の範囲について

 

顧問先である非営利法人様より、開催するセミナーが

収益事業に該当するのか否かについてのご質問をいただきました。

 

法人税法上の収益事業とは、

・収益事業課税の対象となる事業に該当すること。

  法人税法では、政令で定められた34の業種が収益事業として

    課税対象となります。(法人税法施行令第5条)

・継続して行われること。

・事業場を設けて行われること。

 

株式会社や合同会社など、営利目的の法人で

あれば、利益の獲得を目的とした法人であるため、

すべての事業が収益事業となります。

 

一方、非営利法人である公益社団法人、公益財団法人

NPO法人、学校法人、宗教法人等は公益的な活動を

目的としていることから、課税対象となる事業と

そうでない事業が混在することになります。

 

今回の開催のセミナーにつきまして、顧問先様の

所轄の税務署へ開催内容の趣旨や資料について

説明し、収益事業に該当するのか否かの確認を

したところ、以下のような回答をいただきました。

 

① 開催するセミナーが大学や企業からの委託により

  開催する場合は請負業に該当し、収益事業となるが、

  非営利法人が主体となってセミナーを開催する場合は、

  請負業に該当せず、収益事業にあたらない。

② 今回のセミナーには、内容的に一定の資格を与える

  ものではなく、技芸の教授にも該当しない。

 

上記により、今回お問い合わせのあったセミナーは

収益事業に該当せず、税務署への届け出は不要である

との結論をいただきました。

 

このように、非営利法人であってもその活動内容いよっては

収益事業とみなされる場合がありますので、判断に迷った

際は、確認をすることが大切です。

 

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