2月 2013アーカイブ

純粋なプロジェクトファイナンス

メガソーラー事業は、売電収入が
安定期的に見込めるため、一見
プロジェクトファイナンスに
適しているかに思えます。

資金調達を受けたい事業者は
そのように考える傾向にあります。
しかし、プロジェクトファイナンスの
場合、プロジェクトに参加する
事業者、つまり、メガソーラーの
メンテナンス業者、設置工事業者
ソーラーパネルの製造業者(性能
保証をする事業者)、保険会社等の
信用力が、ファイナンスに大きく
影響します。

そのため、仮にプロジェクトの
収益性が良くて、採算が見込めるもので
あっても、関連するプレイヤーの
事業遂行能力などが、求められます。
にわかに、メガソーラービジネスに
参入しても、なかなかファイナンスを
受けられないこともよくあります。

そういった意味では、信用力のある
プレイヤーと組むということが
プロジェクト実現のための
大きなカギになります。

不動産鑑定での競売価格、特定価格

不動産鑑定の仕事の中で
競売価格を算定する場合が
あります。
この場合、算出する価格は
一般的な市場価格を想定する
『正常価格』に対して、
早期売却を想定した
『特定価格』となります。

ここで、不動産価格の大前提
として、不動産は、一定の期間
通常、半年程度市場に置いた
価格が、正常価格になります。

数か月という短期間で、資金化
しなければならない場合
正常価格より一定のディスカントを
した特定価格を算出することと
なります。

では、特定価格を算出する場合の
ディスカウント額は、どのように
算出するのでしょうか?
これは、正常価格に一定の割合を
乗じたものが、ディスクカント額に
なります。
その一定の割合というものは、おおむね
地域によって、決まっているようです。

都市部では、市場取引が比較的
活発であることから、ディスカウント率が
低く(おおむね30%)で
地方では、市場取引が都市部より
少ないことから、早期売却の場合の
値引きが大きくなるので、ディスカウント率が
高くなり、50%程度にまで拡大
いたします。

特定価格の算定では、おおむね上記のような
実務が定着しています。

プロジェクトファイナンスのポイント

メガソーラービジネスは、参入障壁が
低いため、様々な事業者が参入して
きていることは、先日触れた通りです。

一方で、中小企業の場合、自己資金で
メガソーラーを設置出来ることは少なく
ファイナンスを受けることが、多いです。

ところが、そのファイナンスが、なかなか
うまく話が進まず、苦慮されている企業も
多くあります。
プロジェクトファイナンスでの資金調達を
希望される事業者さんが多いです。
それは、メガソーラー事業の場合、
ソーラーパネルが設置されれば、安定した売上収入を
予想することが出来て、プロジェクト収入だけで
採算を見込むことが出来るためです。

しかし、金融機関がプロジェクトファイナンスを
実行する際には、プロジェクト実行のリスクを
洗い出して検証を行います。
具体的には、ソーラーパネルの製品保証
メンテナンス契約の内容、自然災害に対する
付保状況等です。

これらのリスク要因に対して、どのような対処を
しているかが、融資実行の条件になります。
ですから、にわかにメガソーラービジネスを
初めて、参入しても、その事業を
末永く、続けて実行できる見込みがないと
融資実行も、おぼつきません。