10月 2012アーカイブ

税額控除と即時償却、割増償却との違い

メガソーラー設置者の優遇税制として
法人税の税額控除と、即時償却を
先日触れました。
では、どちらが、有利な選択なのでしょうか?
 
メガソーラーの償却期間17年間で
比較とすると、税額控除の法が
控除を受けた分だけ、法人税負担が
即時償却よりも、少なくなります。
 
即時償却や、割増償却は、17年間全体での
法人税額負担額には、影響せず
設備投資をした当初の法人税負担を低くし
その後の税負担は重くなって、償却期間
全体でみれば、普通償却、即時償却、割増償却の
いずれでも法人税負担は変わりません。
 
ただ、即時償却をすれば、設備投資額の
約40%の税制メリットを受けられるので
7%の税額控除より金額的インパクトが
大きいという印象はあります。
 
ただ、税額控除は、あらゆる法人が受けられる
制度ではなく、超小企業者などに限定され
大企業は、受けられない制度です。

メガソーラー グリーン投資減税

メガソーラーの設置者には、減価償却費の
上乗せや、法人税の税額控除などの
税制面からの優遇措置があります。
 
メガソーラー(太陽光発電設備)に
限って、言いますと、優遇対象は
10KW以上の設備で、全量買取制度の対象
となっている設備の所有者となります。
 
また、来年の3月末までに、設備を取得し
全量買取制度の認定を受けることが、条件となります。
 
 
このような要件を満たす事業者は
① その事業者が中小企業者であれば、設備取得額の7%の法人税額税額の控除
② 中小企業者でなければ、普通償却に加えて、取得額の30%を特別償却
もしくは、取得価額の100%を即時償却
の優遇を受けられます。上記は、いずれも青色申告をしている
事業者に限定されます。
 
この他に、手続き面として、法人税申告書に
買取制度の申請の際に使用した『再生可能エネルギー
発電設備認定申請書の写し』と製剤産業大臣が発行した
買取制度の認定の証明書の写しを法人税申告書に
添付しなければなりません。
 
そのほかに、地方自治体などから、補助金が出るなどの
支援も受けられることがあります。
 
太陽光発電設備は、税制面や、買取価格の20年固定など
様々な側面から、導入を促す制度が、あります。
  

メガソーラーでのSPC利用効果

メガソーラーの設置業者として
SPCを利用することは、SPCの
本来の機能である資金の透明性や
倒産隔離以外にも、ありそうです。
 
時に、SPCを立てずに、一般の事業会社と
メガソーラー事業を分離していないと、
将来、メガソーラーを売却する時に
差が出てきそうです。
 
メガソーラーをSPC仕立てにして
一般事業と分離していると、メガソーラーを
売却する時は、SPCを売却すれば
よいのです。
 
この場合、買い取り制度の認定の変更手続きや
関係する会社との契約関係を、維持したまま
売却できるということが、大きなメリットに
なりそうです。
 
今は、メガソーラーの建設ラッシュですが
将来のメガソーラーの売買を見据えた
方策も、大切かと思います。

メガソーラー事業価値算定 DCF法

メガソーラーの事業価値の算定では
将来の事業計画(資金収支計画)を
立て、これをベースに事業価値を算出
します。
 
具体的には、DCF法を使い、将来の
至近収入を割引率で、割り戻して
現在価値を算出し、その合計額を
事業価値とする方法です。
 
このDCF法では、割引率の算定が
事業価値に大きく影響を与えます。
 
この割引率は、端的にいえば、資金収支
計画の実現性の高さによって変動します。
資金収支の実現性が高ければ
割引率が低くなり、事業価値が高く
なります。
 
一方で、実現可能性が低いと、割引率が
高くなり、事業価値は、低くなります。
 
この計画の実現性の判定には、
事業計画のリスク要因を、査定することに
なります。
例えば、土地設置型と屋根設置型では
リスクの程度は異なりますし、ソーラーパネルの
メーカー保証の内容によっても
リスクは異なります。
保険の付保状況も同様にリスクの程度の影響します。
 
このような様々なリスク要因を引き下げることが
事業価値の向上の要因になります。
 
 
 

メガソーラーの事業価値

今年、7月の全量買い取り制度開始から
メガソーラーが日本全国各地で、設置が
進んでいることは、ご存知の通りです。
 
今は、メガソーラーの建設ラッシュが続いており
数年後もしくは、来年には、落ち着くことが
予想されます。
 
そのようになったとき、メガソーラーを
売買することが予想されます。
その時に、問題となることが2つ
予想されます。
 
1つは、売買価格についてと
もう一つは、売買の形態です。
 
今日は、まず売買価格について
触れてみたいと思います。
 
まず、メガソーラーですが、これは
不動産ではありません。登記もできないので
動産です。
では、動産の価値は、どうして計算することかと
言いますと、メガソーラーは
収益を生む動産(機械設備です。)
売主も、買主も、メガソーラーの建設コスト(原価法)よりも
収益水準を考慮するでしょうし、
売買市場もほとんどないことから
取引事例価格(市場性)から算出ことも
ないと思います。
 
ですから、収益方式、具体的には、DCF法により
価格を算定することになろうかと思います。
DCF法は、不動産鑑定でも使っている方法なので
不動産鑑定士の中には、メガソーラーの
鑑定評価を検討している方もいるかもしれません。
 
しかし、メガソーラーは不動産と決定的に
異なることは、不動産ではないので、法的安定性は
低いということ。
また、対象が不動産ではないので、不動産鑑定士の
独占業務になりえないということです。
 
そして、何よりも重要なことは、メガソーラービジネスの
全貌を把握することです。
ビジネスを理解しないと、そこでのリスクがわからず
将来収益の安定性や実現可能性の検証ができない
ということです。
 
メガソーラーの収益価値を算出するには
メガソーラービジネスを理解することが
大きな前提条件になります。
 
 

メガソーラー税務

メガソーラーで売電事業を行う
事業者の場合、一般的な事業者と
比べて、異なる税金負担を要します。
 
それは、法人事業税と、地方法人特別税が
一般的な事業者の場合、所得に応じて
発生するのに対し、メガソーラー事業者の場合
売電売上に応じて、おおよそ1.3%程度(地方自治体に
よって税率は異なります。)の税負担が必要となります。
 
この税金は、損金算入できる税金ですので
法人税や、法人地方税とは異なる性質の税金です。
 
メガソーラー事業の採算性のシミュレーションを
する場合、この税金も加味して行う必要があります。
 
全体から見れば、さほど大きな税負担には
なりませんが、長期的な損益予想をする場合
これを入れ忘れると、結果が異なってくる
ことになりますので、注意が必要です。

不動産事業者の会社分割

不動産事業をする会社では
マンションやオフィスビルへの賃貸不動産投資と
不動産管理や不動産開発などの事業を
1つの会社で行っているケースがあります。
 
通常、不動産投資は借入金で資金調達
していることが多く、蒸気のような会社では
バランスシートが大きくふくらんでいます。
 
また、資金繰りでは、不動産賃貸収入からの
資金が、不動産開発業に流れたり、混在している
ことが多くあります。
 
そこで、私どもの事務所では、不動産投資と
不動産管理、開発等を別会社にしてバランスシートを
すっくりとして、更に借入金とそれに対応する投資先
(賃貸不動産)を対応させて、資金が混在しないように
することを進めております。
 
具体的には、会社分割を利用して、不動産投資会社と
不動産管理、開発会社を分離して、それぞれで
採算性を取るように、運営していきます。
 
不動産業者にとって資金繰りは注意を払わなければ
ならないことですが、それぞれの事業に応じて
会社を分離することで、資金の流れも
スッキリします。

メガソーラーでのSPC利用

全量買取制度が始まって、3ヶ月程度ですが
メガソーラーの着工は順調に進んでいるようです。
来年3月までは、買取価格税込42円/kwhのため
3月末までは、着工案件も多く出て来ると
思います。
 
メガソーラーへの投資の場合、10年以上の
長期スパンでの投資になるということ
当初の投資額は、それなりの金額になること
などから、SPCを使って、本体の事業とは
切り離して、行うことにメリットがあります。
 
つまり、自己資本比率を低めることなく
投資利益を得るSPCスキームには
金融機関との取引や、建設業でのポイントに
大きなメリットがあります。
 
また、売電事業による収益を明らかにするためにも
SPCを利用することで、売電事業のみの
収益が浮き彫りになることもメリットと言えます。