7月 2012アーカイブ

メガソーラーファイナンスのリスク要因

最近の新聞報道でも、ほぼ毎日の
ようにメガソーラー設置に関する
記事を目にする。
 
ソーラーパネルの設置個所は
大きく、屋根の上と、土地の上に
置く方法に分けられる。
 
そのいずれも、リスク要因を抱えている。
まず、屋根の場合、構造上、パネル設置の
重量に耐えられるかという点。
法的な側面では、ソーラーパネルは
機会設備つまり動産であり、不動産のように
登記をして所有権を第三者に表示する
方法がないという点が上げられる。
更に、屋根を構成する建物が焼失した場合
パネル設置が出来なくなることが想定されます。
 
一方で、土地の上においても、機会設備である
ソーラーパネルには借地借家法は適用されず
設置契約の長期的な維持が出来る法整備が
なされていないなど、やはりリスク要因が
ある。
 
このようなリスクには、保険や途中での解約には
違約金を高く設定するなどで対処する方法も
あるが、これらはコストアップに繋がり
利回りの低下にも繋がる。
 
複数箇所のソーラーパネルを設置することで
リスクが分散されるトータルとしての利回りは
安定化する方法も考えられる。
 
今、ソーラーファイナンスに積極的な金融機関は
リスクの洗い出しや、ソーラービジネスでの
トラックレコードの把握に注力しているようです。
 
厳しい経済環境が多い中、メガソーラー事業は
当面の所、明るい光が見えています。
 

消費税増税と不動産価値

消費税が、現行の5%から10%になることが
ほぼ、確実となりました。
消費税増税によって、不動産価値に
どのような影響を及ぼすのでしょうか?
 
通常、賃貸用不動産であるオフィスビルや
商業施設、賃貸用住宅は、その純収益で
不動産価値が決まります。
 
賃貸収入が、消費税法上課税取引とされる
オフィスビルや商業施設の場合、消費税率
アップは、賃料収入と賃貸費用の両方が
増えるので、純収益は影響しません。
 
一方、賃貸用住宅の場合、賃料収入は
非課税のため、消費税率アップは、賃貸収入には
貢献しませんが、賃貸費用だけが増加するので
純収益は減ることになります。
 
従って、消費税率アップは、賃貸用住宅の
投資価値(不動産価値)が減ることになります。
投資の世界では、1%の利益のダウンは
投資価値には、その万倍にもインパクトを
与えることでしょうから、消費税率アップの
インパクトは、それなりに大きいものと
思います。

全量買取制度

7月1日から再生可能エネルギーの
全量買取制度が始まりました。
 
この制度は、例えば、太陽光発電所の
場合、発生した電力はすべて、電力会社に
買い取らせる義務を負わせる制度です。
 
来年3月までは、太陽光発電の場合
向こう20年間は、消費税込42円で
電力会社が買い取ってくれます。
 
仮に、7月に完成した発電所は、向こう20年間は
42円固定で、電力会社が電気を買い取ってくれます。
 
7月1日のニュースでは、京都市内の敷地に
稲盛さんとソフトバンクの孫さんが同席の上
太陽光発電所の開業式典に出席されて
いました。
 
太陽光発電は、簡易な設備で、CO2を
ほとんど輩出しないで、電気を発生出来る
画期的な発電方法です。
 
この制度は、未来永劫続く制度ではなく
再生可能エネルギー導入を進めるため
当面3年程度は、発電業者に利益が
出るように、比較的高い、買取価格が
設定され、3年後には、買取価格も見直され
現行で想定される利益は発生しないと
予想されます。
 
ここ数年間は、全量買取制度に合わせた
太陽光発電所の設置は、進むと
予想されます。