12月 2018アーカイブ

太陽光発電所の売買と温泉利用権

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

先日、以下のような出来事がございました。

 

弊所の顧問先様が、

顧問先様の所有する

太陽光発電所とその土地を

別法人に譲渡され、

1年程が経過しておりました。

 

譲渡した土地の所在する都道府県より

「温泉利用状況調査書」が

届きました。

 

譲渡した土地には、

温泉湧出地の土地が含まれておりました。

温泉を利用してはいませんでしたが、

譲渡するまでの間、毎年、

「温泉利用状況調査書」に回答し、

都道府県へ提出しておりました。

 

譲渡後はこの「温泉利用状況調査書」は、

譲渡先の法人様へ

届くはずのものですが、

なぜか旧所有者である顧問先様に届きました。

 

譲渡先様に状況をご確認したところ、

都道府県に温泉の権利移転に関する届出等

何もしていないということでした。

そのため、顧問先様に調査書が

前年に引き続き届いたわけでした。

 

ちなみに、譲渡先様は、この太陽光発電所とその土地を

譲受後間もなく、さらに別法人に譲渡され、

現在は別法人が所有しているとのことでした。

 

温泉法では、

新しく温泉土地所有者となった側が

都道府県知事に

「温泉の地位承継届」などの届出を

しなければいけないことになっています。

今回のように温泉の権利移転が短期間に

複数回行われている場合でも

1回の移転ごとに届出が必要だとのことでした。

 

なお、届出書類は、各都道府県のホームページに

掲載されております。

 

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TK出資か優先株発行か(SPCの資金調達)

SPCスキームでは、GK-TK(合同会社+匿名組合出資)という

形式が、一般的ではないでしょうか?

 

弊事務所が関与させていただいている案件で、KKスキームで

TK(匿名組合出資)ではなく、優先株で劣後資金を

調達するというスキームがあります。

 

この案件は、優先株発行により資本金が5億円を超えるものに

なりました。

資本金が5億円以上になると、会計監査人を就任させることが

会社法上で定められています。そのため、会計監査の費用や

決算時に作成する決算書も、事業報告書として、一般的な

会社よりも、多くの情報を記載したものにしなければ、

なりません。

 

決算作業も、一般的な会社よりも多くなり、当然コストも

割高になります。

 

また、優先株の場合、匿名組合出資と異なり、SPCは利益を計上して

そこから法人税を支払った後の税引後利益を配当に回すことが

出来ます。

言い換えれば、法人税負担相当が、配当原資から控除され

投資家のリターンは少なくなります。

 

このように優先株での資金調達は、会計監査の費用負担や法人税

負担より、出来れば避けたい投資スキームです。

 

投資スキームは、案件の組成の際、決めるものですが、慎重に

決めたいものです。

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売上及び経費の計上時期

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先日、顧問先様から経費の計上時期についての問い合わせがありました。

 

支払が来期になるのだけれど、今期の経費に計上してもよいかというお問い合わせです。

 

今期の経費にしても、来期の経費にしても、税金をいつ払うかだけの違いで

さほど問題はないように思えるかもしれませんが、

本来の計上時期ではない時期の売上や経費に計上することを「期ずれ」といい

税務調査ではよく問題になるところです。

 

税金逃れをするつもりなどなく、単純に間違えただけでも、

税務署に修正申告をするように指摘され、

延滞税など本来払わなくてもよかったはずの税金を払う必要が出てくることがありますので、

期ずれには注意してください。

 

売上計上時期は、通常以下のように決められています。

 

商品の販売の場合         →  引き渡しのあった日

請負の場合            →  目的物の全部が完成して引き渡しをした日

物の引渡しのない役務の提供の場合 →  役務をすべてを完了した日

 

いつを引渡のあった日とするかに関しては、

商品を出荷した日とする「出荷基準」、

相手方が発注した品と間違いがないことを確認して受け取った「検収日基準」など

いくつかの判断方法があります。

どの基準を選択してもいいのですが、常に同じ基準日で計上しなければなりません。

 

目的物が完成するまで長期にわたる請負等について、

「完成した部分だけを引き渡した日」、

長期にわたる役務提供について、

「部分的に金額が確定した日」

に売上計上をする方法もあります。

 

細かいルールをご説明すると長くなるので省略しますが、

今回の顧問先様のケースは、

役務の提供が完了していて、支払日・支払金額も確定しているので、

未払ですが、今期の経費に計上しても問題ないと判断いたしました。

 

決算書等の書類作成も大事ですが、

このようなお客様の疑問にお答えするのも

会計事務所の重要な役割です。

 

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教科書等教材の小売業の決算

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教科書等の教材を扱っておられる小売業の会社様が

決算をむかえました。

 

皆さんもご存じかと思いますが、

小中学校の義務教育の教科書は無償ですが、

副読本や指導書は有償です。

 

教科書が無償と言っても

生徒さんには無償で提供されるだけで

実際には、有償と同様に仕入・売上が発生します。

 

但し、教科書は他の教材とは計算方法が少し違い

簡単に説明することは難しいので、

それはまたの機会にしたいと思います。

 

教科書が他の教材と違うのは、

売上に対して、供給手数料が入ってくることです。

 

では、他の教材より教科書をたくさん扱った方が

手数料収入が増えて良いのではないかと

思われるかもしれませんが、

教科書の需要は限定されています。

 

今年の例として、

今年の教科書業界の大きな変更は、

「道徳」が教科となったことです。

 

「道徳」が教科になったことで、

前年まで副読本を利用していたのが、

今年から教科書を利用することになりました。

それに伴い、先生方は指導書を利用することになります。

 

このことから、今年は、教科書と指導書、

また供給手数料の売上は伸びたものの

副読本の売上は下がるという結果になりました。

 

このように、教科書や教材の販売は、

国の指針によって決まるので、

手数料収入だけを伸ばそうとしても

難しいという事がわかります。

 

誰もが利用する教科書ですが、

今回の決算では、売り手を通して、

このような教科書売買の実状を知ることが出来ました。

 

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一般社団法人によって与信枠拡大

SPCで、一般社団法人は

倒産隔離と言って、投資家や

資産の元々の所有者(オリジナネーター)

の信用リスク(倒産等による影響)

資産の収益活動を分離するため

SPCの親会社に一般社団法人が

着きます。

 

一般社団法人の意思決定を持つ

社員には、投資家やオリジネーターとは

独立した私たち会計士が、就任する

ことが、一般的です。

 

金融機関によっては、SPCをオリジネーター
の子会社にしておくと、グループ会社

と見て、グループ会社としての与信枠に

含めるが、独立した一般社団法人を

設立し、その下に、SPCをぶら下げると

SPCをグループ会社とは、分けて、与信枠を

見るケースがあります。

一般社団法人を介在することで、SPCが
グループ会社ではない扱いになります。

 

そうすれば、グループ会社としての

与信枠がいっぱいでも、一般社団法人を

利用することで、与信枠が拡大します。

 

このように、一般社団法人には、倒産

隔離という原則的な役割と、与信枠の

拡大という会社の活動範囲を拡大する

機能があります。

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証憑書類について

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証憑書類について

先日起こった出来事を

お話ししたいと思います。

 

弊事務所の顧問先様が、

SPC案件で太陽光発電所を建設し

完成直後にその発電所を売却致しました。

 

資産譲渡契約を締結したものの

未確定事項が存在するため、

譲渡先のお取引先様から売却額の一部を

まだお支払いいただいていない

状態でした。

 

その未確定事項も無事に解決し、

未払い残金をお支払いいただく

運びとなりました。

 

顧問先様より、その経緯に関する

打ち合わせ議事録を頂戴いたしました。

そこには、留保金額の約1%程度の額が

控除される旨、記載されていました。

 

控除される額は、追加工事費用などで

顧問先様の負担となるものです。

 

それらの費用を会計処理するためには、

証憑が必要です。

打合せ議事録は、当事者間どうしの

メモのようなものに相当しますので、

客観性に乏しく、証憑とはなりません。

 

また、課税取引であるか非課税取引であるか

明記されておらず、

仕入税額控除の対象と

なる取引かどうかを判定することも

できません。

 

このような経緯により

顧問先様を通して譲渡先様に請求書を

ご発行いただくよう依頼致しました。

 

ちなみに2023年からインボイス制度が

実施される予定です。

この制度は、課税事業者が発行するインボイスに

記載された税額のみを控除することができる制度です。

 

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休眠届

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弊所が多数扱っている特定目的会社の多くは、

不動産を購入してしばらくの間賃貸するか

土地を購入して建物を建設する等をした後、

数年後には、売却して、投資家に利益を分配した後、

解散するという流れをたどります。

 

先日、私の担当しているTMK(Tokutei Mokuteki Kaisha)が、

保有している不動産をすべて売却し、借入金返済や社債の償還を終え、

まもなく解散という運びになりました。

 

この後は、精算作業を残すのみとなりましたが、

あと数ヶ月会社は存続させる予定なので、

休眠届(休業届)を提出することにしました。

 

あと数か月のことですが、休眠届を提出すると

休業期間中は地方税の均等割りが不要になるからです。

(ほとんどの自治体で均等割不要になりますが、

東京都など休業中も均等割を支払わなければならない自治体もあります。)

 

通常は営業をやめるとすぐに精算するので、

休眠届を出すまでもないかもしれませんが、

会社を設立したものの

準備が遅れていて営業開始まで時間がかかりそうな場合など

自治体により納税の必要がなくなりますし、

申告の必要もなくなりますので、休眠届を提出しておかれるとよいと思います。

 

ただ、注意が必要なのは、

休業中も国税の税務申告は提出が必要だという点です。

2年連続で申告を忘れていると青色申告の承認を取り消されてしまうので、

ご注意ください。

 

休眠届の手続きは簡単で、税務署、市町村、都道府県に

「異動届」を提出するだけです。

(リンクは税務署提出用のものですので、

地方に提出する異動届は、各自治体のホームページなどでお探しください)

 

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