10月 2011アーカイブ

信託銀行と信託報酬

信託業務は、信託銀行や信託会社の
独占業務です。
信託の免許を持つ会社は、限られていて
それによって、保護されている面も
見受けられます。
 
この世の中にあるあらゆる不動産が
信託出来るものではなく、遵法性などの
要件をクリアーした不動産にのみが
信託されている。
言いかえれば、信託されている不動産には
違法建築などのものは、ないとも
言えます。
 
最近では、信託銀行の統合により
信託銀行の受託残高争いが、し烈に
なってきているようです。
そのため、信託銀行は信託報酬を
引き下げてでも、受託残高を
伸ばそうと努力されているようです。
 
GK-TKスキームでは
不動産を信託受益権化することが
一般的であり、GK-TKスキームで
受益権化される不動産は、まとまった
金額になるため、信託銀行も
受託するための努力を、怠りません。
 
最近では、不動産証券化ビジネスも
低空飛行を続けていることから
そのような案件があれば、信託報酬の
ディスカウントも、一層進みそうです。

日本の不動産の行く末

日本国内の不動産については
三大都市圏では、上昇と
下降を繰り返しながら、
ゆっくりと下落トレンドに
なると思います。
 
これは、将来の人口予測と
大きな関係があると、見ています。
 
相続税対策として、賃貸用マンションを
購入する富裕層は、たくさんいると
聞きますが、この場合、相続税の
節約と、賃貸用不動産の値下がり額の
両方を加味して、判断しないと
節税額以上の損失を被ることが
あるので、注意が必要です。
 
三大都市圏以外のエリアでは
厳しい経済情勢から、脱却する
ことは、難しいのではないかと
思っております。
 
であれば、どうすれば、良いかと
言えば、不動産投資をするのであれば
外国に目を向けるしか、ないように
思えます。
 
既に、中国の不動産は、価格が上昇
していることから、中国よりもっと南の
アジア圏が、投資先としては、魅力が
増していると思います。
とは言っても、為替リスクやカントリーリスク
商習慣が異なることによるリスクなど
二の足をふむ要因もたくさんあります。
 
しかし、日本経済の繁栄が、日本の工業化と
大きく関係しているように、これからの世界の
工場となりうる地域は、経済の繁栄
引いては、不動産価格の上昇につながる
ことは、容易に、予測出来ることと思います。
 

会社分割を利用した不動産譲渡

不動産を譲渡する際、現物不動産では
買主側には、不動産取得税負担が発生する。
いくつかの免税措置があるが、税額は、
固定資産英評価額の4%がベースとなる。
 
この税額は、結構な負担であり、不動産市況が
よくない時には、取引の阻害要因にもなる。
 
一方で、不動産を信託受益権化している場合
信託銀行等に、信託設定費用や、ランニングの
信託維持費用を要しますが、信託受益権売買に
伴い、不動産取得税負担は要さないことで、
不動産を信託受益権化することも、しばしば
見受けられます。
 
ただし、この場合、信託銀行が受託できる不動産は
遵法性等の要件を満たさなければならず、
あらゆる不動産を信託受益権化出来るものではない。
 
また、賃貸用住宅が、取引対象となる場合
問題となるのが、不動産取得税ではなく、消費税である。
不動産を信託受益権化しても、賃貸用住宅の
建物については、取引において、消費税が上乗せされる。
 
賃貸用住宅の場合、この消費税を負担した
買主は、売主に支払った消費税の大部分を
払いぱなしとなるのである。
であれば、仮に、不動産全体に占める建物の
割合を50%(半分)として、消費税率5%を
かけると、取引価格全体の2.5%のロスが発生する。
 
単純に言えば、賃貸用住宅の場合、このパーセントを
上回るキャピタルゲインを得なければ、ならない
こととなる。
 
このような消費税や不動産取得税負担に対応する
策としては、会社分割や合併等による不動産譲渡
という方法がある。
これらは、不動産や不動産信託受益権の譲渡
ではなく、会社の一部である不動産賃貸事業を
譲渡したり、投資用不動産を保有している法人全体を
他者に譲渡するという考え方である。
 
これらの方法は、利害関係者の合意等の
手続きを踏むなど、別途手間を要するものであるが
流通税の節約というメリットとの天秤にかけて
メリットに感じることも、多くなってきていると
思います。
 
 

会計と金融

会計事務所の仕事は、当然のことながら
会計処理をすることが、メイン業務です。
その会計処理の目的は、企業等の
決算をすることです。
 
なぜ、企業は決算をするかといえば
税務申告のため、財務数値を把握して
経営に役立てるためなど様々な理由が
あげられます。
 
私の会計事務所が目指すところは
会計業務をすることで、金融つまり、
ファイナンス(資金調達)につながる
ものにしたいという思いがあります。
 
私は、銀行や政府系金融機関に
勤めたことがある会計士であり
不動産鑑定士です。
企業にとって、ファイナンスは大変
重要な関心ごとです。
資金が、回って企業が生きていける
わけですから、財務担当者は
いつも、その点に苦心されています。
 
私の会計事務所は、会計処理業務
だけでなく、企業にとって、死活問題にも
なりかねない、資金調達をサポートする
ことが、使命であると感じています。
 
SPC業務も不動産市場が好調な時は
金融機関にとっても、手数料収入を
得られることから、メリットを感じ
需要者も、多少の手数料を支払っても
資金調達がしやすいということで
積極的に、案件が増えてきていました。
 
最近では、経済情勢も変わってきており
資金調達ニーズの中身も、随分変化
してきています。
 
いずれの時代も企業の資金調達ニーズは
消えず、その役割を銀行等の金融機関が担っている
ことは違いないわけですから、その
橋渡し役を、私どもの会計事務所が
させていただければと、思っています。

銀行の真のお客様は

『お客様は、神様です。』と言っていた
昭和の偉大な歌手がいました。
これは、歌手に限らず、事業をしておれば
お客様第一であるということは、皆が
感じていることです。
 
しかし、金融機関は、少しおもむきが
異なるところがあります。
今年3月の震災後、システムトラブル等で
金融庁から行政指導を受け、経営形態の
修正を迫られた、大手メガバンクが、良い例で
金融機関は、金融庁の対応には、神経を
使っています。
なぜなら、金融庁は自分たちの監督官庁で
あるからで、自分たちが平然と業務を
進めるには、監督官庁から問題ないと
お墨付きをもらうことが、必須だからです。
 
ですから、金融機関にとってのお客様である
融資先の利益よりも、金融庁に対して
説明出来るようにすることを、優先することも
時折おこります。
 
金融機関の担当者は、このことは、お客様には
前面に話すことはないと思います。
この点については、本音と建前をうまく使いながら
お客様と接しているのが実情と思います。
 
金融機関に勤務する人で、うまく出世する人は
こと点を理解して、お客様と金融機関の本音を
うまく折り合いを付ける人と思います。

銀行の振込用紙

銀行の振込用紙の記入方法は
基本的に、同じコンセプトで
作られています。
ですから、そのコンセプトが
理解出来れば、どの銀行の
振込用紙でも、記入することが
出来ます。
 
しかし、細かいところで、銀行に
よって、振込用紙の作成方法に
違いがあることがあります。
 
例えば、納税の際、別途用紙の
記入が必要な銀行とそうでない銀行
振込用紙と、払戻請求書(出金伝票)が
1つの用紙になっている銀行と
そうでいない銀行
振込金額によって、手数料が変動する
銀行とそうでない銀行など
細かい運用では、微妙に異なる
ケースがあります。
 
また、振込伝票の様式は、各銀行
バラバラで、系列が同じ銀行を
除き、全く同じ様式をしているところは
ありません。
 
今年から、プロ野球のボールが統一
されたように、振込用紙の様式や
運用の方法も、各行統一して、くれれば
振込事務も、やりやすくなると、感じています。
 
でも、これからの時代は、デジタルの
時代になるわけで、窓口での振込も
少なくなることも、予想されるので、アナログな
振込用紙の様式の改革が、進むことも
期待できないと思います。
 
月末は、SPCの振込が多くなるため、
通常時よりは、神経を使います。

SPCの反社会勢力との取引

最近、反社会勢力と言われる
方々との取引をしておるか、
どうかについて、マスコミ等を
通じて、注目されています。
 
SPCが、住居系賃貸不動産を
保有していると、多くの入居者と
取引をすることとなります。
多い場合、1SPCで、入居者
千名となることもあります。
 
入居者の選定は、通常、PM会社が
主になって、行っていると
思います。
過去に、財閥系のPM会社さんと
お話しする機会があり、そこでは
かなり厳格に、入居者を選定していて
貸したいのだけれども、貸せない
ケースがあり、数字を上げたい
担当者としては、心苦しいことも
あるとのことでした。
 
また、ある案件(信託銀行を介在しない
ケース)では、SPCが入居者と
直接 賃貸借契約を締結することはせず
SPCとPM会社がマスター賃貸契約を
締結し、PM会社と入居者が、サブ賃貸契約を
締結する形式を取り、
SPCの利害関係者を限定する スキームに
しているものもあります。
 
SPCには、通常、金融機関が融資しており
金融機関は、コンプライアンスには
慎重にも慎重を期して、対応するため
SPCの取引先に、反社会勢力が
含まれていないかは、大きな関心を
持っていることに、違いはありません。