3月 2021アーカイブ

SPC太陽光発電所の故障と保険金受取

担当させていただております
SPCの太陽光発電所で、
故障により、発電が止まる事象が発生しました。

発電所の完成後、稼働する際に
保険に加入しておりましたので、
修理費用が保険で補填されるのではないかと
運営会社より、保険代理店に問合せをいたしました。

当初は、外的要因が認められないため
保険期間中の事故等が原因ではなく
発電所の製造過程での欠損による故障の可能性が高く
保険の対象ではないとの回答でした。

しかし、部品メーカーや現地管理業者等を含め
保険会社と協議し、様々な資料提出をした結果、
稼働中の落雷による事故が故障の原因だったことが判明し、
保険の対象となりました。

当然のことですが、
保険の請求には、詳細な資料提出や
厳密な事実確認を要します。

今回は、コロナ禍と言うこともあり、
保険代理店や保険会社の担当者もほとんどが
テレワークをしていた影響もあったのか
問合せから、保険金が確定・入金されるまで
数ヶ月を要しました。

日本では、台風等の自然災害も多く、
発電所も被害を受けることがありますので、
保険の加入やその補償内容の重要性を
改めて感じております。

新設会社の減価償却

昨年11月に設立した新設の特定目的会社で
この1月に特定資産の購入をいたしましたので、
固定資産台帳兼減価償却明細書を作成いたしました。

SPC案件では、特定資産購入時に、会社設立時に作成した事業計画通りの
キャッシュフローが実現するか
正確な減価償却費等を計算して検証します。

今回購入した建物の耐用年数は、50年。償却率は、0.02です。
資産を取得したのは、1月ですから期末の3月31日までは3月。
(月の途中で購入した場合も1月と数えます。)

取得価格 1億円 x 償却率0.02 x 事業共用月数3月/12月 =減価償却費 500,000円

と計算してしまいそうですが、
新規設立等で事業年度が12月に満たない場合は
少し計算方法が変わってきます。

償却率0.02 x 事業年度の月数5月/12ヵ月=調整後の償却率0.009(小数点3位未満切り上げ)
取得価格1億円 x 調整償却率0.009 x 事業共用月数3月/事業年度の月数5月 =減価償却費 540,000円

計算方法を間違えると減価償却費が少し違ってきますので、注意が必要です。

SPCは、複数の投資家や債権者と事業計画を共有していますので、
最初のシミュレーションと実際のキャッシュフローが大きく違ってくると
後で説明が大変になります。
減価償却費に限らず、慎重に正確なシミュレーションをすることが必要になります。

シミュレーションは、主にAM会社の役割ですが、
減価償却費のような会計の知識が必要な項目に関しては、
事務管理会社がお手伝いをすることもあります。

休眠会社をSPCに利用する時の注意点

弊事務所が最近扱った案件で、数年間休眠

会社としていた法人を事業用SPCとして

利用するケースがありました。

この案件は、SPCが資金調達をして

再生可能エネルギー発電所を建設するという

ものです。

事業計画では、建設工事が完了すれば

建設代金に含まれる消費税を還付する前提で

作成されておりました。

弊事務所では、SPC設立時から関与しておりません

でしたが税務処理の検討を金融機関から受けました。

その際、重大なことに気が付きました。

それは、SPCは消費税の課税事業者の選択届を

出さずに、消費税還付を受ける事業計画を

作成していたのでした。

速やかに、課税事業者選択届を出して

工事が完了する翌事業年度以降は課税事業者に

なったので、還付を受けることができる状態に

なりました。

SPC案件では、過去にどのような届出書類を

税務署に提出していたか、確認することは

基本的で大変重要な手続きの1つです。

❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑
 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
 税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑