9月 2017アーカイブ

消費税の還付について

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

先日、ある顧問先様の消費税申告書を作成致しました。

こちらの顧問先様は、昨年、消費税課税期間特例選択届出書を提出し、

課税期間を3か月ごとに短縮して申告しております。

 

消費税申告を3か月ごとに短縮した理由は、

前事業年度の初めに、多額の設備投資・

減価償却資産を取得したため、

その多額の支払った消費税の還付を

早急に受けるためでした。

 

3か月ごとに申告するのは手間がかかり、

還付を受けたあとは元の課税期間(1年間)に

戻したいのですが、すぐには戻すことができず、

課税期間の特例の適用を受けた日から

2年間は続けなければいけません…)

 

前述した消費税の還付の話に戻りますが、

消費税の還付は、一歩間違うと還付を受けることが

できなくなりますので注意が必要です。

 

消費税の還付申告ができるのは、

本則課税を適用している課税事業者だけです。

 

本則課税適用の課税事業者に当てはまらない

免税事業者や簡易課税を適用している課税事業者は

それぞれ届出を提出しなければ消費税の還付を

受けることができません。

 

また届出は、提出後すぐに効力が発生するわけでなく、

届け出た課税期間の翌課税期間から効力が生じます。

従って、適用しようとする課税期間の開始前日までに

提出しなければいけません(※)。

 

届出を行うタイミングが重要となります。

 

(※)開業初年度は、事業を開始した日の属する

課税期間の末日までに提出すれば、

その課税期間から課税事業者となります。

 

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合同会社の役員変更登記

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所有している合同会社の役員変更事例がありましたので、

ご紹介いたします。

 

役員が変わらなくても定期的に「役員重任登記」をしなくてはいけない株式会社と違って、

合同会社は役員が変わらなければ登記は不要ですが、

今回は役員増員でしたので、登記が必要となりました。

 

株式会社の役員変更登記はこれまでも何度か経験がありますが、

合同会社は初めてでしたので、やや戸惑う場面もありましたが、

所長や先輩スタッフが詳しいので助かりました。

 

まず、戸惑ったのは言葉の違いです。

株式会社の株主にあたるのは合同会社では、「社員」

取締役にあたるのは、「業務執行社員」といいます。

 

株式会社では、全く株式を持っていなくても取締役になれますが、

合同会社では、社員でなければ業務執行社員にはなれません。

業務執行社員になるには出資が必須です。

 

したがって、業務執行社員を追加する場合には、その社員が新たに出資をするか

他の社員から持ち分の一部を譲り受けて加入することになります。

新たに出資をする場合は、必要な書類も多く手続きも大変なので、

今回は他の社員から持ち分の一部を譲り受けて加入することになりました。

 

その場合に必要な書類は次の2点です。

①同意書(新社員が加入する為の定款変更に全社員が同意した旨を記した書面)

②登記申請書

(最後に記載例を掲載しております)

 

株式会社の場合は、就任承諾書なども必要になりますが、

合同会社は株式会社の役員変更登記よりも用意する書面が少なくてすみます。

 

    今回の手続きで分かった合同会社と株式会社の違い

 

合同会社 株式会社
役員変更がなければ登記は不要なので、手間と費用が節約できる 役員変更がなくても定款で定められた任期ごとに重任登記が必要になる
出資をしていないものが業務執行社員になることができない 株主でなくても取締役になることは可能

 

 

① 同意書記載例

②登記申請書記載例

 

 

 

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経営力強化税制

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ビジネスホテル経営の顧問先様が、

今年、新たなビジネスホテルを

京都に新設オープンする予定です。

 

ホテル新設に要した建物附属設備や器具備品等は、

中小企業経営強化税制(B類型)の適用対象設備に該当します。

 

経営強化税制の適用を受けるため

申請書を作成致しました。

 

手続きは2段階に分かれます。

まずは経産省へ投資計画や事前確認書等を提出し、

経産省より確認書を発行してもらい、

次に担当省庁へ経営力向上計画認定申請書等を提出し、

担当省庁より認定書を発行してもらいます。

 

経産省からは一週間ほどで確認書が届きました。

担当省庁へは先日書類を提出し、

現在、認定書の発行待ちです。

 

申請書の提出のために、

顧問先様に3ヵ年の収支計画書をご作成いただき、

それを元に投資利益率を算定したり、

設備内容を記載したり・・・

 

申請書にはまた経営環境についての概況や

設備導入目的など説明する箇所があり、

顧問先様の状況に沿って書くことに

少々苦心致しましたが・・・

しかし、ホテル業界のことを調べる機会ともなり勉

強になりました。

 

以上のように申請書作成には労力はかかりますが、

法人税について、B類型では、即時償却または

設備取得価額の10%の税額控除といった

特例措置を受けることができるのは

非常に魅力的です。

 

中小企業経営強化税制の指定期間は、

平成29年4月1日~平成31年3月31日となっております。

 

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お急ぎください!倒産防止共済の前納減額率が変わります!

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税務申告を担当している顧問先様から

節税対策のご相談を受けたときよくお勧めするものに

「中小企業倒産防止共済」があります。

 

これは、取引先の倒産により売掛金の回収が困難になったときの

連鎖倒産を防止するために作られた共済で

公的機関である独立行政法人「中小機構」により運営されています。

 

一般の生命保険で、掛け金の大半が戻ってくるタイプのものは、

最近は、掛け金の2分の1以下しか経費(損金)にできないものが多いのですが、

この共済掛金は、40ヶ月以上掛け金を支払えば

100%掛け金が戻ってくるにもかかわらず、

掛け金支払い時には、その全額を経費にすることができます。

 

1か月の掛け金の上限は20万円で、

1年分の前納分まで経費にすることができます。

つまり、決算前に加入して掛け金を支払えば、

20万円x12か月で240万円の経費を上積みすることができるのです。

 

10月決算の顧問先様で利益のでている会社様もこの制度を利用して

利益を圧縮する予定です。

 

ちなみに、期首に加入した場合、今期分と合わせて

20万円x23ヶ月で460万円の利益圧縮ができます。

(加入中で1年分の前納を決算月にした場合、

決算月に支払った12か月分の保険料のうち

1か月分は決算月分で11ヶ月分が前払いとみなされるため)

 

また、2年分以上の前納は今期の経費にはできませんが、

(もちろん、該当年度に1年分の経費計上できます。)

積立額の上限額の800万円まで前納することができ、

前納すると後日掛金減額金が戻ってきます。

 

現在その掛金減額率は 1000分の5  ですが、

これが11月から     1000分の0.9 に引き下げられます。

 

現在の掛金減額率の適用を受けるためには10月5日までの申し出が必要です。

ただし、10月5日というのは、中小機構に届く期限です。

申し込みは金融機関などを通して行わなければなりませんので、

実際の締め切りはもっと早くなります。

 

ご興味のある方はお急ぎください。

 

 

 

 

 

 

持分譲渡に関する税務

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先日、持分譲渡に関する税務について

調べる機会がございましたので、

その調査結果をご紹介したいと思います。

 

具体的な調査内容は・・・台湾企業(※1)が

日本国内の合同会社に対する出資持分(※2)を

日本企業に譲渡することで得た利益は

日本において非課税の対象になるのかどうか・・・

 

(※1)日本国内に恒久的施設(支店、工場等

事業を行う一定の場所のこと)を有しない

外国法人に該当します。

 

(※2)合同会社の持分とは、株式会社の株式にあたるものです。

 

結論は、合同会社の不動産価額が総資産の

50%以上である場合を除き、非課税になります。

 

総資産に占める不動産価額の割合算定にあたっての

不動産価額は、帳簿価額あるいは時価の

どちらを用いるかは、、、

「帳簿価額で」という指示が文書(※3)に記載されていない以上、

不動産価額もその他の資産も時価を用いるようです。

(国税局のご担当者様よりそのようにご回答をいただきました)

 

(※3)文書とは、「所得に対する租税に関する

二重課税の回避及び脱税の防止のための

公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取り決め」

(略称「日台民間租税取決め」)のことです。

 

上記の株式又は持分譲渡収益に関しては、

「日台民間租税取決め」の第13条に書かれております。

 

日本と台湾との間には租税条約はなく、

「日台民間租税取決め」は民間で取り決められ、

この取決めは、平成2911日から

施行されることとなりました。

 

租税条約と同様に所定の手続きを経れば

軽減又は非課税の適用を受けることができます。

 

「日台民間租税取決め」は下記より入手可能です。

https://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/15aef977a6d6761f49256de4002084ae/84d04e1b9ad3d03b49257f090009454a/$FILE/sozei-J.pdf