11月 2019アーカイブ

10月の経理処理における消費税率の確認について

10月1日より消費税率の引上げと
軽減税率の適用が開始されました。

私どもには、旅館経営をされている
顧問先様がございますが、
今回は、こちらの顧問先様の10月の経理処理の
消費税率のチェックポイントについて、
ごく一部ですが、簡単にまとめてみました。

まず、宿泊についてですが、
通常10月の宿泊は、消費税率10%となりますが、
2019年3月31日以前に予約が完了している場合は、
経過措置の対象となり、消費税率が8%となります。

旅館ですので、レストランや売店では、
軽減税率8%となる多くの食材や食品を扱っておりますが、
酒類の他に、レストランで使用する調味料のみりんも、
消費税率が10%となるので、
他の調味料と分けて、計上しなければなりません。

客室内の冷蔵庫についても、
水や清涼飲料は軽減税率8%ですが、
酒類は消費税率10%の区別が必要です。

また、お客様に提供する新聞についても
定期購読として契約している部数については、
軽減税率8%ですが、急遽追加購入したものは、
消費税率10%となります。

ここに挙げたものはほんの一部ですが、
これらの消費税率ひとつひとつをすべて確認して
入力していくのは、本当に大変な作業です。

経過措置については、徐々に少なくなりますが、
軽減税率については、この先も続いていきます。

10月の経理処理の実務を経て、
こちらの顧問先様に限らず、今回の消費税の増税では、
軽減税率が適用されるものを扱われる会社の経理担当者は、
今までより、大変な負担なると実感しました。

固定資産税の損金算入時期

特定目的会社は、特定の目的が終了すれば、
残余財産を分配して解散します。

当事務所の顧問先のある特定目的会社様が
今事業年度末までに所有物件を売却し、
解散することを予定しているので、
残余財産の分配金の見積もりを依頼されました。

事業年度は3月末までです。
不動産の売却時期は2020年の2月を予定しています。

不動産の固定資産税はその年の1月1日の所有者が
1年分支払うことになっています。
物件を2月に売却しても、1月の所有者のSPCに
固定資産税の請求書が送られてくるので、
次年度に支払いをしなくてはなりません。

固定資産税の納税通知書は通常4-5月に送られてきます。
3月決算の会社の税務申告は5月末までにすればよいので、
申告期日までに金額がわかるはずです。
2020年3月期決算に固定資産税を損金計上できれば、
利益の中から固定資産税相当額をプールしなくてもよくなり、
分配金を増やすことができます。
(それがなぜかの説明はまたいずれ・・)

そこで、固定資産税を今期中に損金算入できないか調べてみました。

(法人税法基本通達9-5-1)によると
固定資産税は、賦課方式の租税ですので、
損金算入可能時期は、以下の3つからの選択です。
①賦課があった日(原則)
②納期の開始日
③実際に納付した日

この中でいちばん早いのは、①賦課があった日です。
特段の定めがない場合、
法律上「到達主義」により効力が発生するとされていますので、
賦課があった日というのは、
賦課決定通知(納税通知書)が到着した日ということになります。

というわけで 固定資産税を今期中に損金算入することはできません。
分配金額を最大にするには別の方法を考える必要があります。
(その話はまたいずれ・・・)

定時決定の標準報酬月額の適用月はいつから

担当をさせて頂いているお客様の給与計算の
チェックをさせていただいております。

7月の下旬に、そのお客様より決定後の標準報酬
月額料の通知書の写しをいただいておりました。

決定通知書には、「適用年月」の欄があり、「9月」
となっていましたが、お客様が9月中旬に支給する
予定の給与計算において、決定後の社会保険料が
控除されていたので修正をお願いいたしました。 

こちらのお客様は、前月分の社会保険料を当月支給
の給与より控除していますので、9月支給の給与から
は8月分の社会保険料を控除しないといけないからです。

新しい社会保険料がいつから反映されるのかは、
当月の社会保険料を翌月分の給与から控除しているのか、
あるいは当月分の給与から控除しているのかによって
違いがあり、単に給与の支給月とは必ずしも結びつく
ものではありません。

このように社会保険料個人負担分控除額の変更月は
事業主によって異なるので注意が必要です。

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