6月 2020アーカイブ

役員報酬の期中での減額について

税務上、役員報酬は、通常、会計年度の途中で
自由に変えると損金処理出来ません。

また、役員報酬を期中で減額した場合、
減額分については、合理的な理由がなければ
損金算入が出来ませんので、決算申告書作成の際には、
別表四で加算調整しなければなりません。

例えば、会計期間が4月から翌3月で
9月から役員報酬を10万円減額した場合、
4月~8月の5ヶ月分×10万円=50万円を
別表四で加算調整する必要があります。

上述の合理的な理由があるケースは
以下のとおりです。

経営状況が著しく悪化し、
株主との関係上、役員としての経営上の
責任によって減額せざる得ない場合、
また、銀行等の取引先から、
役員報酬を減額するよう要請があり
減額せざるを得ない場合等です。

業績が悪化しただけで
役員報酬を減額した場合は、
減額分については、損金算入出来ませんので
ご注意ください。

各銀行のインターネットバンキングについて

生活を豊かに、そして便利にしてくれるインターネットは
我々の生活にとって、なくてはならないものになりつつあります。

その中でも24時間利用できるネットバンキングは銀行の窓口や
ATMに行かずに、自宅や外出先などで、銀行の営業時間を
気にすることなく振込や残高照会などをすることができるとても
便利なシステムです。

幣事務所でも顧問先様の資金移動や納税の際にネットバンキングを
よく利用いたします。
同じネットバンキングの利用方法にも、銀行によりそのシステムに違いが
ありますが、メガバンクなどは一連のお手続きは全てオンライン上で
完結いたします。

しかしながら、一部の地方銀行などでは、予め振込先の口座を
登録依頼書で提出しておく必要があったり、ネットバンキングで
振込手続きを行った後、代表口座開設店宛てに自動振替依頼書を
FAX送信する必要があるなど、オンライン上だけでは完結しない
システムもあります。

これは、事前に書面で届けておいた口座先以外には振り込みができず、
ウイルス感染等による不正送金が起こりにくい仕組みを取っている
為との事です。ネットバンキングと言えどもアナログの側面も残って
います。

いずれにせよ、各銀行ともコロナウィルス感染拡大の影響による
感染防止や店舗の効率化のため、ネットバンキングの利用を推奨
していますので、今後、益々その利用の頻度が増えることは間違い
ないと言えるでしょう。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
 税理士法人 淀屋橋総合会計
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売電SPCが負担する工事負担金の経理処理

工事負担金は、売電事業をするSPCが、
通電の為の送電設備を設置してもらうため、
電力会社に支払う工事代金です。
 
経済的には、売電事業者SPCが負担しますが、
設備の所有者は電力会社にあります。
 
売電事業者SPCが支払い時点では、建設仮勘定に計上し、
売電開始時点で、事業に供したこととなり、
繰延資産である工事負担金に振替え、同時に仮払い消費税も計上します。

工事負担金の償却期間は、
15年とする国税庁の質疑応答事例が公表されています。
 
「工事負担金・耐用年数」

消費税の還付を受ける口座について

担当しておりますSPCの決算に際し、
設備投資に伴い消費税還付がありました。

そちらの会社では、口座が複数あり、
還付金入金口座をどちらにされるか
お聞きしましたところ、
当初、営業者口座にされるとの回答でした。

しかし、後日、メイン口座へ受取口座変更の
お申し出がありました。

融資契約をご確認されたところ、
消費税の還付については、
メイン口座にするよう
定められていたためでした。

税務申告の際、還付金の受取口座は
SPCが指定しなければなりません。

今回のように、契約で定めがある場合等、
契約に従い受取口座を指定します。

また、申告毎に受取口座の変更は可能です。

休業中のSPCの法人税申告について

現在、休業中のSPCが
3月末に決算をむかえました。

こちらのSPCは、昨年7月に設立したものの
プロジェクトの開始の遅れにより、
設立後すぐに休業の届出をいたしました。

通常、大阪に本店がある場合、
休業中の法人については、
国税(法人税・地方法人税)の申告は必要ですが、
法人府民税と法人市民税の申告は不要で、
それぞれの均等割も発生しません。

但し、こちらのSPCでは、
設立時に諸経費が発生しており、
繰越欠損金が発生しました。

通常、営業中の法人であれば、
繰越欠損金が発生した場合、
国税だけでなく、都道府県民税の申告の際にも
繰越欠損金の別表を提出しなければなりません。

今回のように、休業中で
繰越欠損金が発生した場合は、どうでしょうか。

府税事務所に確認しましたところ、
繰越欠損金が発生する場合は、
休業中であっても法人府民税の申告が必要で、
六号様式の申告書と繰越欠損金の別表の他に
決算報告書も提出するようにとのことでした。

SPCに限らず、休業中の法人で
費用が発生することは、あまりないかもしれませんが、
繰越欠損金が発生する場合は、
法人府民税の申告にご注意ください。