11月 2012アーカイブ

メガソーラーファイナンスでリースの利用

メガソーラーで売電収入を得る事業会社の
資金調達の方法に、リースがあります。
リース会社が、メガソーラーを保有し
それをリース(借りて)をして、メガソーラー
事業を行おうとする方法です。

事業会社は、売電収入を得て、そこから
必要経費を引き、残ったお金で
リース料を支払うことになります。

この場合、リース資産である、メガソーラー
設備をオフバランス出来るか否かが
問題となります。

言い換えますと、リース会社と事業会社との
間のリース契約は、売買取引として処理され
事業会社がリース資産とリース債務を
貸借対照表に計上しなければならないのか
どうかということになります。

その判定には、リース契約の期間や
リース料総額とリース資産の価値との
比較など、いくつかのポイントがあります。

ただ、リース資産が、事業会社のための
特別仕様のものと判断されれば、他の物が
借りることは想定出来ないので、必然的に
事業会社は、リース資産とリース債務を
貸借対照表に計上し、オフバランス処理は
出来なくなります。

メガソーラーと不動産特定共同事業法

メガソーラーをSPCに保有させ
ノンロコースローンと匿名組合出資で
資金調達する場合、場合によっては
不動産特定共同事業法の適用を
検討しなければなりません。
 
メガソーラーを建物の屋根に設置する場合や
土地を賃借する場合は、不動産特定共同事業法の
適用はありません。
 
しかし、SPCが土地を取得して、メガソーラーを
設置する場合で、匿名組合出資を受ければ
不動産特定共同事業法の適用を
考慮しなければなりません。
これは、メガソーラーが生み出す売電収入は
ソーラー設備と土地とを合わせて、生み出すものであり
その利益を、匿名組合出資者に配当する場合
不動産特定共同事業法の適用があるものと
理解すべきなのでしょう。
 
そのため、信託を利用して不動産特定事業法の
適用に対応することもあろうかと思います。
 

メガソーラーSPCに金融商品取引法の適用

メガソーラーファイナンスで、いわゆる
GK-TKスキームの利用は、今までに
お話しした通りです。
 
ただ、TK 匿名組合出資を利用する場合
金融商品取引法の適用を、考慮しなければ
なりません。
 
通常、TKを募集する場合、集団投資スキームに
該当し、自己募集をする事業主体は、
第2種金融商品取引業の登録をしなければ
なりません。
 
この登録が、手間や費用を要します。
具体的には、資本金1000万円が必要なところは
なんとかクリアーできます。
しかし、リスク管理やコンプライアンスなどの
体制を築かなければならず、そのための
人材を確保しなければなりません。
 
これをクリアーすることが、なかなか難しく
また、人材の確保のため人件費がかさみます。
 
この適用を受けないために、適格機関投資家と
言って、プロの投資家(金融機関等)の参入を
求めることもあります。
 
ただ、適格機関投資家の参加を求める場合
一定の費用も要しますので、この点も
考慮しなければなりません。

広大地の判定業務で感じたこと

最近は、メガソーラーのことに多く触れていましたが
広大地の案件もしているので、それに関した
お話をしたいと思います。
 
広大地の判定では、まず机上での調査を
行います。地図を見たり、用途地域、容積率等を
調べます。
 
そこからは、広大地に該当するかどうかの
可能性のようなものを感じます。
これは、ある程度案件をこなしていると
感覚的に可能性の高さや低さは感じることが
出来ます。
 
問題は、その後の詳細な調査作業です。
詳細な調査作業では、対象地付近での
おおむね過去10年間の開発事例の調査
や行政的な開発上の制限の詳細調査を
行います。
 
その結果、机上調査では、浮かび上がらなかった
開発傾向や制約事項が判明してきます。
当初の机上調査で感じていた広大地の可能性とは
異なってくることがあります。
 
ここが、広大地判定実務の難しいところなのでしょう。
教科書的には、マンション適地や旗竿地は
広大地に該当しないとありますが、マンション適地は
時代背景によって、変化するものであり、旗竿地も
地域によっては、全く見受けられないところも
あります。
 
机上調査で、明確に判定できるケースもありますが
詳細な調査で、新たに発見されることが、広大地判定に
決定的な影響を及ぼすことが、あります。
 
実務上は、非常に悩ましいところでもあります。
 

全量買取価格は高いか

今年7月から始まった再生可能エネルギーの
全量買取制度での買取単価 税込42円は
高いのではないかという意見があります。
この全量買取制度のため、各家庭の電気料金が
高くなるため、そのように言われていると思います。
 
一方で、昨年の原発事故で政府は、何兆円もの
負担をすることになっています。
政府が負担する=国が負担する=
税金で賄うことです。
 
税金は国民のお金なので、結局のところ
原発事故による負担は、電気料金という
形ではありませんが、私たちが負担しているのです。
 
再生可能エネルギーの場合、原発のような
事故は発生しないと思いますし、CO2も
排出しないものです。
ですから、トータルで考えれば、決して
高い料金ではないのでしょうか?
 
会計の世界では、環境会計というものが
あり、環境コストまで含めて計算すれば
再生可能エネルギーは、決してコストが
高いものではないことがわかります。
 

グリーン投資減税

メガソーラーを設置した事業者は
設備投資額に対して、即時償却や
税額控除など、法人税法上の
恩典があることは、以前、ご紹介
しました。
 
これ以外に、固定資産税、正確には
償却資産税の減額の恩典もあります。
 
 
償却資産税は、メガソーラー設置者が
設備を設置して以降、初めて1月1日を
迎えた年の年初に、設置している市町村に
対して、申告をする際に、これはグリーン投資
対象の設備であるとの申請書や
全量買取制度の対象であると疎明資料を
付けて、減額措置を受けるものです。
 
ポイントは、申請書や疎明資料を
添付しないと、市町村側は、
グリーン投資減税対象としてくれない
ところです。
償却資産税の申告の際には、疎明資料等の
添付を忘れずに、してください。
 
この恩典を受ければ、当初3年間
償却資産税の課税標準が、2/3に
引き下げてもらえます。
 
 

メガソーラー 売電収入予想

メガソーラービジネスを開始したり
金融機関等が、資金を提供する場合
そのメガソーラーがいくらの売電収入を
上げるかが、ポイントになります。
 
その際の予想売電収入を
予測する方法として、
NEDO(資源エネルギー庁)のSTEP-PV
を利用する方法があります。
 
これを利用すれば、メガソーラーの設置場所等を
指定すれば、おおよその発電量、引いては
売電収入を予想することが出来ます。
 
ただ、STEP PVは、2003年までの日照データを
基に造られているため、実際の発電量より
少なく予想される傾向があります。
 
ですから、STEP PVで予想される
発電量よりは少し、上振れした売電収入が
実際の売電収入に相当するものになります。