1月 2024アーカイブ

資産売却後の消費税還付

オフィスビルや太陽光発電所等の収入が課税売上になる
資産を売却すれば、課税売上高は発生しません。

売却後に、その資産を取得するための費用や資産取得等の
課税仕入が発生した時に、支払った消費税は還付されるでしょうか?
この点は、会計事務所によって解釈に差があるところです。

資産を売却した後は、課税売上高が発生しないので、課税仕入れが
発生しても仕入控除出来ず、還付対象にならないと考える会計事務所
もあります。

ただ課税仕入取引が資産の売却前に発生し、資産の売却後に金額等が確定し
課税仕入が発生した場合など、資産売却後に課税仕入が発生することに
合理的な理由がある場合は、仕入控除が可能と考えます。

このような取引での消費税還付は、弊事務所でも経験したことがあります。
実際には次のような取引でした。

SPCが太陽光発電所を開発し、工事が完了し第三者に売却しました。
建設期間中、電力会社に系統連系のため工事代金を支払っていました。
支払った際には、建設仮勘定処理していました。
太陽光発電所の完成から1年以上経過してから、工事代金が確定し、
仕入控除が可能となりました。

このケースで、SPC会計の大手会計事務所では売却した事業年度を
越えてから確定した工事代金の消費税は控除出来ないとの考えでした。

スポンサー企業から弊事務所がこのような事情の説明を受け、詳細な事情の
説明文を添えて消費税還付申告をしたところ、還付申告が認められました。

何が合理的であるか否かは、解釈の分かれるところでありますが、消費税は
エンドユーザーが負担するという消費税の趣旨や、電力会社による工事負担
金額の確定に時間を要し、売却時点では課税仕入額が確定出来なかったなど
の取引の特殊事情を理解出来れば、適切な判断が出来ると思います。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
 税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
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開発期間中の消費税還付

 開発型SPCの場合、SPCを設立してから数年間課税売上高はゼロで、
建物や設備が完成してから課税売上高が発生します。
課税売上高がゼロの開発期間中でも、経費支払などで課税仕入は発生します。
この場合、消費税の収支を計算すると支出だけが発生するので、マイナスとなります。

 消費税は、SPCの全取引の収支を計算して、
受取より支払が多いような過払いの場合は還付され、
逆の過入金の場合は納税となります。
課税売上高がゼロとなるような開発期間中の消費税申告には、注意すべき点があります。

 消費税申告書を作成する時の計算方法には『個別対応方式』と
『一括比例配分方式』の2つの方法があります。
『個別対応方式』では課税売上高に直接結びつくような課税仕入
(例 オフィスビル建設期間中に支払う建物設計費用など)は、
 全額控除(還付)対象として計算されまずが、
『一括比例配分方式』では、支払った消費税に、『課税売上割合』
(売上高に占める課税売上高の割合』を乗じた額が、控除(還付)の対象となります。

『課税売上割合』がゼロとなる開発期間中に『一括比例配分方式』で計算すると、
控除額がゼロとなり消費税の還付を受けることが出来ません。
開発期間中に、消費税還付を受ける場合は、
『個別対応方式』を採用しなければなりません。

『個別対応方式』を算用する時は、課税仕入取引が、
『課税売上高』に直接結びつく『課税売上対応仕入』と
直接結びつかない『共通対応仕入』と
非課税売上高に結びつく『非課税売上対応仕入』の3種類に区分して
経理処理しなければならず、経理作業での判断が求められます。

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リモートワークとSPC会計業務

コロナ禍を経て、リモートワークが広がりました。

会計事務所業界も同様にリモートワークが広く行き渡り、
弊事務所でも導入しております。
リモートワークの長所は、通勤時間やその負担がなくなり、
働く者から見れば大きな魅力です。
求人を行う際にも、リモートワークの導入状況が質問条項に
含まれることから、人材採用の際にもリモートワークの有無は
大きなポイントになっています。

一方で、仕事内容や勤務状況を把握が難しいなど問題点もあります。
リモートワークの長所は短所の裏返しなのでしょう。
 
SPC会計とリモートワークとの相性はどのようなものでしょうか?
SPC会計では、お客様から請求書や預金データをPDFや電子データで
頂けるケースが多くあります。
また、お客様が比較的大手企業のケースが多く、電子メールで
コミュニケーションが十分に出来ます。
そのため、SPC会計は、会計事務所の業務の中で、リモートワークを
しやすい部類に入ると思います。

一方で、リモートワークでは出来ないSPC会計業務があります。
具体的には、
① 契約書への押印業務
② ネットバンクを含む送金業務 
③ お客様との顔を合わしてのご相談 などです。

①の押印業務は電子署名が広がると、今のように印鑑での押印が
なくなる可能性があります。
③のお客様との面談も、オンライン会議で代用することも可能でしょう。

リモートワークで出来ることリモートワークで出来ないこと
・経理処理
・決算業務
・税務申告
・契約書等への押印
・送金手続き
・お客様との面談

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