会社から受け取る利息等
当会計事務所のお客様は、8割がたSPC関連なのですが、
不動産業を営まれている会社様など
一般の株式会社を経営されている方もいらっしゃり、
この時期は、顧問先の会社経営者の方などの
確定申告業務をお引き受けしております。
そんな中で、
所得税があまりかからないように
会社の資産を個人に移せないかというご相談を受けました。
中小企業の法人実効税率は、約30%ですが、
個人の所得税率は所得が900万円を超えると
住民税を合わせて43%になりますので、
役員報酬という形で所得を移すと所得税が高くなります。
(所得税の税率)
そこで、配当金という形で利益分配をすれば、
分離課税の税率20.42%でよいのではないかというご質問を受けましたが、
非上場会社の配当金は、分離課税ではなく、総合課税になりますので、
所得税率が高ければ、配当金にかかる税率も同率の高い税率になります。
(1年間株を保有して配当金が10万円以下の場合は、
申告不要とすることもできます)(国税庁HP)
また、会社にお金を貸し付けて、
その利息としてお金を受け取るのはどうなのかという質問を受けましたが、
その場合の利息は、利子所得や配当所得ではなく、雑所得となり、
やはり分離課税とできません。
給与所得以外の収入が20万円以下の場合は、通常、確定申告は不要ですが、
同族会社への貸付金利子の場合は、
20万円以下でも確定申告しなければなりません。(国税庁のHP)
さらに、会社から貸付金利子を受け取る場合は、
利息の額を適正な額にしておくことも必要となります。
金融機関から借入れする場合の利息とかけ離れた高い利息を取ると
支払利息ではなく、役員賞与であるとみなされて
支払った額が損金と認められない場合があります。
個人事業の間は、儲けたお金は自由に使うことができますが、
たとえそれが小規模な会社であっても会社を立ち上げた以上
「会社と社長は別人格」ということを意識しなければならないように
税法はできています。