前年度に取得した固定資産の値引取引

担当しておりますSPCで
前年度取得の固定資産の値引がありました。

前年度は値引前の簿価で償却しています。

値引のあった該当資産の簿価を
今年度に減額しますが、
値引額全額を簿価の減額は出来ません。

次の式相当額を減額します。

値引き等の額 × (値引き等の直前における当該固定資産の帳簿価格
÷ 値引き等の直前における当該固定資産の取得価格)

国税庁HP ≪固定資産の取得価額|国税庁 (nta.go.jp)

仮に100の値引があっても上記式での
計算結果が90とすれば簿価の減額は
90となります。

残りの10は前期損益修正益(特別利益)
として処理します。

償却資産の申告の際は、
念のため該当自治体に
取得価格が減額になった旨連絡の上
値引のあったことがわかる
証憑(契約書等)を添付して申告し、
値引後の取得額での課税にする手続きが必要です。

今年度の減価償却額も減額となります。

四半期決算等ですでに減価償却済の場合、
残りの四半期決算での調整が必要です。

年度をまたいでの固定資産の値引は
頻繁には発生しませんが、
会計処理の取扱いや償却資産税申告など、
影響する範囲は多岐に及びます。

一般社団法人の役割   倒産隔離とは

SPCとなる合同会社や特定目的会社を設立する場合、
「倒産隔離」を目的として、
一般社団法人を出資者とすることが多くあります。

倒産隔離というのは、
投資対象不動産の開発業者や元の所有者であるオリジネーターや
太陽光発電等の事業のオペレーターなどの関係者の倒産によって、
SPCの債権者や投資家などに影響を与えることがないようにすることです。

オリジネーターやオペレーターがSPCの出資者となった場合、
親会社の倒産の影響がSPCに及ぶ可能性があります。
そこで、オリジネーター等はSPCに直接出資せず、
一般社団法人を出資者として、倒産隔離をするのです。

一般社団法人は、
オリジネーター等から資本的にも人的にも独立した法人ですが、
オリジネーター等が一般社団法人に基金を拠出した場合でも、
議決権を取得せず、
議決権をもつ社員は公認会計士などの中立的な第3者とすることで、
倒産隔離が可能です。

銀行等のレンダーは、
投資対象の資産の収益力や担保力のみを評価してファイナンスを付けます。
SPCの資金繰りが悪化するなどして、
ローン契約の債務不履行が発生した場合は、
レンダー等の債権者は、投資対象資産を早急に売却することで、
債権の回収をしますが、SPCが破産手続きの申し立てを行うと、
管財人の関与の下でしか資産の売却ができなくなります。
そこで、恣意的な破産申し立てを防ぐため、
SPCは、破産手続き開始の申し立てを放棄する旨の誓約を求められるます。
これも倒産隔離の一つです。

倒産隔離をすることで、プロジェクトファイナンスの実行が可能になり、
ファイナンスの枠も拡大しますので、金融的にも意味のあることです。

法人事業税(収入割)の税率改正

売電事業を行う事業者の事業税(収入割)が、
2020年(令和2年)4月以降に
開始する事業年度から、改正されております。

2020年4月以降に開始する事業年度から、
収入割(売電収入の1.05%)(特別法人事業税込)と
所得割(所得の1.85%)に改正されました。

売電事業者でも、所得割が発生している点と
合わせて、収入割の税率が低下しています。

資本金が1億円以上の場合は、更に複雑になり
所得割はありませんが、付加価値割や資本金割が
発生します。

売電事業をする事業者は、事業計画を
作成されていると思いますが
税率変更を織り込む必要があります。

僅か変更かもしれませんが
税率変更は、売電事業者の
収益性には、影響する
ことに間違いありません。

売電事業の場合、将来10年や20年などの
損益予想をされている事業者も多いと思います。

今後、事業税の税率も変動する
可能性も否定できません。

税率改正は、事業計画に
織り込むべきでしょうし
将来どの程度、税率が変更するかは
分かりません。

損益計画や資金収支計画は
将来の税率変動リスクを
見込んで、少し余裕を持って
作成することが、事前の策に
なると思います。

一般社団法人の役員重任登記について

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

一般社団法人の役員重任登記について

 

 

一般社団法人法の第66条では、「理事の任期は、選任後2年以内に

終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時

までとする。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を

短縮することを妨げない。」とあります。

 

ですから、少なくとも2年に1度は定時社員総会で理事の改選手続

行い、法務局に役員変更登記をしなければならないということに

なります。

 

定時社員総会が終わった時点で理事の任期が満了し交代することに

なりますので、任期が満了した後に、再び同じ人物が選任されれば

理事を続けることもできます(再任)。

 

比較的規模の小さな一般社団法人の場合は、信頼できる少数の固定

メンバーで運営されている場合が多く、役員の任期満了後もその構成が

変わらず同じ人物が役員を継続する場合が多くみられます。

 

この場合、役員の構成が変わらない(同じ人物が役員を続ける)のだから

登記手続きが不要のようにも思えますが、同じ人物が役員を続ける場合でも

役員変更登記の手続きが必要となり、「重任」の登記手続きをしなければ

なりません。

 

重任登記とは、任期満了による退任登記と就任登記を1回の登記で行う

登記のことを言います。

理事に変更(改選)が生じた場合、変更の日から2週間以内に、その主たる

事務所の所在の法務局に役員変更登記の申請をしなければならないと定められ

ています。

 

役員変更登記を失念してしまった場合、

 

   ・選任決議はしていたが、本来登記を申請すべき期限(2週間以内)までに

      申請をしなかった。<登記懈怠>

  ・ 本来開催すべき時期までに、定時社員総会を開催して理事の改選手続を

      行わなかった。<選任懈怠>

 

いずれも代表理事に対して100万円以下の過料が処せられる場合があり、

一般社団法人の場合、役員の重任手続き及びその登記を忘れていて最後に

登記をしたときから5年間経過していると休眠会社・休眠法人として整理

されてしまう可能性もありますので注意が必要です。

 

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非営利法人の府税減免申請について

JUGEMテーマ:会計・経理・財務

 

4月に非営利法人の顧問先様に府税事務所より

府税減免申請の手続きについてのお知らせが届きました。

 

しかしながら、こちらの顧問先様は、

一部要件を満たしていない可能性があるとのことで

減免申請を見送ることになり、

通常どおり、4月中旬に府税の均等割の申告・納税をしました。

 

すると、申告後に府税事務所から、

減免申請に該当するのではないかとご連絡がありましたので、

公益目的事業の該当要項の「不特定かつ多数の者を対象」と言う部分に

該当しないかもしれないということで、

減免申請の提出を見合わせたことをお伝えしました。

 

その後、府税事務所から「不特定多数」の解釈として、

例えば「〇〇大学卒業者に限る」のように

ごく狭い範囲で限定されておらず、

関心のある企業や個人が参加できるような

募集要項ならば、減免に該当する可能性があるので、

他の要件を満たしているなら、減免申請をしてはどうかと

再度、ご提案がありました。

 

但し、提出期限が迫っているうえに、

申請しても審査があり、審査に通過すれば、

納付した府税が、後日返納されるとのことでした。

 

この件を顧問先様にお伝えしたところ、

減免申請の手続きをすることとなりました。

 

手続きには、申請書の他に決算書や予算書、

また、公益目的事業の経費割合なども算出しなければならず、

申請期限も迫っていたため、

かなり急いで準備をすすめました。

 

そして、6月に入り、顧問先様より、

無事に減免申請が受理されたとご連絡をいただきました。

 

色々と手間をかけて申請したので、

減免されることになり、本当にほっとしております。

 

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