3月 2009アーカイブ

地方の証券化事情

前回お伝えした地方の証券化セミナー
で、感じたことの続編です。

地方では、証券化ビジネスに接した
ことのあるプレイヤーが、皆無に
等しい状態です。経験やノウハウが
首都圏に集中しているということは
先日お伝えしたとおりです。

そもそもなぜ、一般社団法人を設立して
倒産隔離が必要かなど、証券化の
基本スキームの構造については
地方の方々にまで、浸透していないと
つくづく感じました。

このような情報格差をなくそうと
しているのが、国土交通省の狙いの
一つだと思います。

また、もう一つ感じたことは
信託利用による壁です。
不動産を証券化する場合、不動産を
信託するケースが多くあります。
信託する場合、信託銀行や信託会社は
受託にあたって、不動産を徹底的に
調査し、瑕疵がないか調べます。
なぜなら、不動産を受託する信託銀行や
信託会社は、その不動産の名義人となり
対外的な責任が発生するため
違法な物件を受託すれば、信託の
免許に傷がつくことがあるためです。

つまり、信託銀行や信託会社は
そのままで問題ない不動産を受託する
ことが一般的です。

しかし、不動産の多くには、
少し法的に瑕疵があるが、
一定の資金を投入すれば
改善される、又は少し老朽化が、
進んでいるが資金を投入して、リニューアル
すれば、価値があがるケースは
多くあると思います。
でも、そのような不動産は、信託の
対象にならないケースが多くあると
思います。
不動産を証券化するためには、信託を
利用が不可欠であっても、受託できる
不動産は、バリューアップできる
余地は少なく、投資家として
魅力ある商品にはならないケースが
多くあります。

現在での信託銀行、信託会社の信託受託の
基準のハードルの高さが、証券化を
難しくしている要因の一つでしょう。

地方の不動産証券化

昨日、国土交通省主催の
地方での不動産証券化に関する
セミナーを受講しました。

セミナーの主旨は、地方での
不動産証券化を活発に行い
地方を不動産から元気にしようと
するものでした。
国土交通省では、案件組成に要する
コストを一部負担されるケースが
あるようです。初耳でした。

セミナーを受講して感じた
ことは、地方での証券化ビジネスでは
プレイヤーの大半が、証券化ビジネスに
触れたことがなく、初心者の割合が
非常に高いということです。

証券化ビジネスが、東京を中心とする
大都市に集中していることが
窺えます。
そのため、ノウハウや経験については
首都圏と地方では、雲泥の差がある
ことを感じました。

参加者の中には、地方での証券化ビジネスを
活性化するには、地方で扱う小規模な
証券化案件については、現在の
法制度(例えば、金融商品取引法等)で
求められる書類や仕組みを簡素化できないか
という提言がありました。

おっしゃるとおりで、現在の証券化の
法制度は、かなり複雑で、概ね大規模な
案件のための法制度であり、地方で扱う
小規模な案件であれば、そこまで求めなくても
良いと思われることまで、求められ
手間ばかり要して、案件組成の
阻害要因になっていると思います。

この点が、地方での証券化取引活性化の
ポイントになると思います。

不動産鑑定士 修了考査の結果発表

昨日、不動産鑑定士の修了考査の
結果発表がありました。
無事に合格できました。
今回の合格率は、87%と前年より
5ポイント程度高いことも、幸運で
あったと思います。

http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/japanese/jitumu_j/ensyu/2goukakusyahappyou.pdf
(受験番号138です。)

私の事務所も、会計・税務を柱と
しながら、不動産鑑定(評価)と
それに絡む分野にも、積極的に
進出したいと思っております。
これに関して、少し事務所のPRを
させてもらいますと、私の事務書名を
『淀屋橋総合事務所』としたのは
場所が、淀屋橋駅近くであることと
設立当初は、会計業務をする事務所
でしたが将来、不動産鑑定業務を
して総合的な事務所にしたいという
思いがあったため、あえて事務所名に
会計を入れませんでした。

今回の不動産鑑定士の修了考査の
合格で、淀屋橋総合事務所が
淀屋橋にある会計・税務・不動産に
関する総合事務所になるための
パーツを得たこととなります。

もちろん、資格があるだけで、総合
事務所と言えるものではありませんが
これからのステップアップのための
要件を一つ得たものと思っております。

不動産鑑定業界は、昨今の不動産不況の
影響で、元気がありませんが、不動産と
会計・金融との関係は、ますます
密接になっていくと思いますので
このトレンドにあったサービスを提供
していきたいと思っております。

カーシェアリング

最近、カーシェアリングの
導入が進んでいるようです。
カーシェアとは、1台の車を
複数の利用者が、利用して
有効活用しようろするもの
です。

私のマンションにも、概ね
世帯数相当の自動車が、ありますが
もし、カーシェアリングを導入
したら、自動車の数は、半分に
出来るでしょうし、その分
駐車場スペースも少なくて
すみます。

一部の賃貸用不動産では
カーシェアリングを導入している
ようで、今後も分譲用マンションでも
出てくるのではないかと思います。

ただ、カーシェアリングを導入すれば
自動車会社は、脅威に感じている
思います。
最近では、自動車の買い替える
ペースが長くなり、新車の販売も
低調な上に、カーシェアリングの
導入により、社会全体に流通する
自動車の数が減れば、自動車会社の
パイも小さくなってしまいます。

一方で、社会全体としては、
限られた資源を有効に活用しようとする
人間の知恵としてのカーシェアリングが
普及することは、良いことだと思います。

かんぽの宿問題

一時、マスコミでも大きく
取り上げられたかんぽの宿で
あるが、世間の認識と実態は
少し異なるのではないかと
思っています。

世間の認識では、国民の財産である
かんぽの宿を、早く資金化するため
安くても売却しようとしたところ
鳩山大臣が、阻止したというところで
しょうか。

しかし、最近の不動産市況を見ていると
オリックス不動産が、購入しようと
した価格では、今となれば、誰も
買わないのではないかと思います。
つまり、かんぽの宿は、当初の予定
通り、オリックス不動産へ売却した
価格より含み損が発生している
可能性が高いのではないかと
思っています。

つまり、売却が白紙撤回されたことで
一番喜んでいるのは、実は、オリックス
不動産ではないかと思っています。

マスコミの報道では、優良な不動産が
取り上げられますが、中には赤字の
宿もあり、それらも含めた一括
売却額は、それなりに妥当であったのでは
ないでしょうか。

鳩山大臣は、株をあげ、オリックス不動産は
喜んでいて、郵政公社だけが、含み損ある
不動産を抱えたということが、実際の
ところではないでしょうか。

最後まで残った企業が勝ち?

私が、最初に就職した監査法人では
破綻した百貨店のそごうの補助者として
仕事をしていました。
ご承知のとおり、そごうは民事再生法を
申請して、今は西武百貨店グループ
(ミレニアムリテイリング)に
属しています。

西武百貨店グループは、そごうが民事再生を
申請した後に、産業再生機構(?)の
支援を受けて再生しました。
そごうは破綻、西武は支援を受けての再生と
結果が異なるのは、どちらが先に
資金繰りに詰まったかということです。

両者とも、自力で再生できなかったのですが
傷が深かったそごうグループが、西武
グループの傘下に入ったわけです。
つまり、最後まで生き残った企業が
勝つということです。

不動産投資事業も、世間に認知された
ビジネスでしょうから、今は破綻企業が
相次いでいますが、いつか落ち着く時が来て
生き残れる企業は、今度は、一回りも
二回りも大きくなるチャンスが
あると思うのですが。。。

寝台特急 富士 はやぶさ

イメージ 1

昨日 寝台特急富士 はやぶさの
最終列車が、出発駅を出発した
ことがニュースなどで、報道されて
ました。
私の子供の頃 30年前には、今よりも
たくさんの寝台特急(ブルートレイン)
があり、早朝の大阪駅に行って
たくさん写真を撮ったことを記憶しています。

昨日の最終便をもって、東海道・山陽線を
走る寝台特急が全て廃止になるので
記念のため2月4日に東京で、受験した
不動産鑑定士試験の口頭試問を受ける時に
東京へ出張する際、新幹線を利用せず
寝台特急富士を利用しました。

大阪は深夜に通過するので、わざわざ新幹線で
広島まで行き、広島にある私の事務所が
担当している流動化物件を確認してから
夜10時過ぎに、広島駅から乗車しました。

B寝台のチケットしか取れなかったので
B寝台に乗りました。意外だったことが
女性客が多かったことです。今のような
物騒な時は、女性が敬遠するものと思って
いました。
客車は、かなり老朽化が進んでいて
トイレの扉も開けっ放しで使用禁止との
札が掛けられていました。
廃止になることもうなづけました。

客車の寝台車は、発車するたびに大きな
音と振動のため、起こされ、B寝台は
私の体に対して小さいこともあり、夜は
数時間程度しか寝られませんでした。

翌日が2年かけて勉強してきたことの
成果を発揮する口頭試問を、睡眠不足で
受験しなければならないことに、後悔
しましたが、今となれば、少し無理を
しても乗車してよかったと思ってます。

乗車した富士ですが、途中トラブルが
ありました。
夜中の1時頃の岡山県と兵庫県の境あたりで
前方を走る貨物列車が、鹿と衝突し、1時間程度
停車し、それに合わせて、富士も1時間程度
停車していたそうです。
そのため、名古屋駅到着は、予定より
約1時間程度遅れて、東京到着も、同様の
遅れが予想されてました。
遅れると困る乗客には、熱海駅から
新幹線への振替乗車が認められ、疲労感が
あった私は新幹線への振替乗車を選択しました。

新幹線のこだま号に乗って感じたことは
景色が流れるスピードが全く違うことと
快適なことでした。
今のような人間関係が希薄になり、早さや
快適性を求める傾向が強い時代に
寝台特急は、その役割を終えようとしている
ことには、納得できました。

SPCの本店提供

私の事務所は、複数のSPCの
本店所在地になっています。
そのため、私の事務所に
不動産仲介業者が、謄本等を
見て、お宅の保有物件の
買主を見つけましたなどと
訪問を受けることが、あります。

その時には、こちらは名目的に
本社を置いていますので
こちらでは、対応いたしかねますと
申し上げています。

そうすれば、大体の仲介会社の
方は、お帰りになります。
中には、もうすでに売却が
完了した物件について、買主を
見つけましたと、来られる方も
いらっしゃいますが、その時は
その物件は、もう売却しましたと
言えば、間違いなく、お帰りに
なります。

売却情報は、どこから漏れるのか
わかりませんが、売却方向に
進んでいる物件があれば、それを
目当てに来られる仲介会社さんも
多くいらっしゃいます。
この時感じることは、不動産情報の
伝達スピードが実に早いという
ことです。
仲介をすれば、もらえる手数料は
仲介業者に取って、大変おいしい
ものなのでしょう。

大阪方式 東京方式

大阪と東京では、異なる習慣が
あります。
まずは、柔らかいところで、エスカレーター
での歩行位置です。
大阪では、通常、左側が歩行者側で
右側に、歩行しない人が乗ります。
一方、東京では、その逆で
右側が、歩行者側で、左側に
歩行しない人が乗ります。

これは、大阪ではエスカレーターが
広く普及した万博開催時期に
国際的なエスカレーターの歩行者側に
合わせて、左側歩行者になり
東京では、自動車の走行車線
追越車線に合わせて、右側が
歩行者側となったようです。
ちなみに、福岡や広島では
東京方式となっていました。

東京に出張をする時、新大阪駅では
左側通行が、東京駅に着けば
右側通行になるので、このことを
ご存知の方も多いと思います。

前置きが長くなりましたが、不動産
取引でも大阪方式と東京方式で
異なるケースがあります。
たとえば、賃貸用ビルの取引で
ビルの価格が8億円として、入居者
からの預り保証金が1億円ある場合
大阪方式で契約書を作成する場合
売買代金に預り保証金を控除した
7億円と表示して、保証金返還債務は
買主が無償で引き取る旨を記載します。

一方、東京方式では、売買代金は
8億円で預り保証金返還債務1億円を
控除した7億円を、代金決済額として
記載します。

どちらが、適切かと言えば、東京方式が
不動産取引の実態を、反映しているので
適切と思います。

ところ変われば、取引のやり方も
異なるものです。

情報伝達の電子化

最近では、情報伝達の電子化が
進んでいます。身近なところでは
税務申告での、e-TAXのように
税務申告を紙ベースではなく、電子データに
して、行うというものです。

税務申告に限らず、行政への報告も
電子データで行うケースが増えています。
先日のブログで掲載したように
金融庁への報告も、紙ベースではなく
電子データによって、報告する形式に
なっています。

不動産証券化ビジネスにおいても
コミュニケーション手段として、
電子メールは、必須ですし、書類等を
送付する際には、PDF化して送信する
ことも頻繁に行われます。

SPCの事務管理関係では、SPC口座への
入出金を金融機関との間で、電子データで
行い、経理処理もそれにリンクして
行っているところもありますし
今後は、信託銀行への指図も電子化される
そうです。

ファンド関係の仕事は、電子化やIT化が
進んでいる分野で、大変便利なものと
思いますが、便利になるとお客さんとの
コミュニケーションも電子メールや
極端に言えば、電子データだけで
完結することも可能となります。

電子化により、コミュニケーションで
人との対話の機会が少なくなりがちですが
だからこそ、人と会って、お互いの顔を
見ながら、コミュニケーションをする
ことが大変重要になってきていると
思います。