5月 2020アーカイブ

賃料減額交渉で、知っておくべきこと。

新型コロナウイスル問題で、経営が苦しい飲食店や宿泊施設が多く出ております。人件費は、雇用調整助成金で一定の補償がありますが、家賃については、このブログを書いている時点では、正式な補償はありません。

仮に、現行賃料の減額を交渉する場合、どの程度の賃料減額を見込むことが出来るかお話ししたいと思います。

ここからは、あくまで不動産鑑定の実務や理詰めで交渉する時に考え方をご紹介します。

実際のところ、賃料は当事者間の契約内容に係ることで、当事者間の話し合いで決まるものです。

では、賃料の減額交渉をする際には、当初締結した賃貸契約がベースになります。そこで決まった賃料から現時点までの時間の経過により、賃料相場の変動(仮に、10%の下落があったとすれば、10%マイナス)相当を減額することになります。ここでの賃料を不動産鑑定では、『継続賃料』といいます。

一方で、今後新たに賃貸契約を締結する時に賃料を『新規賃料』といいます。昨今のようなコロナウイルスで景気が悪い時では、景気が良いときに締結した『継続賃料』>『新規賃料』となる傾向があります。

そのため、現時点で締結する賃料より高い賃料(継続賃料)で妥結せざるを得ないことが多くあります。

この点は、賃料の減額交渉をする際には、知っておいた方が良いと思います。

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  税理士法人 淀屋橋総合会計
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汽力発電所の浚渫工事の償却期間

現在、地熱発電事所を建設中の顧問先様が、
昨年、井戸の浚渫工事をされました。

浚渫というのは、
一般的には、港湾・河川・運河などの底面を浚って
土砂などを取り去る土木工事のことを言いますが、
今回の工事は、先に掘削した井戸の中をきれいにして、
発電に必要な蒸気が通るようにするものでした。

井戸の掘削工事からはかなり時間がたってからの工事で、
発注先も掘削工事を依頼した業者とは
全く別の業者でした。
この浚渫工事だけを単体で見た場合、
何らかの物理的な資産が出来上がるわけではありませんし、
掘削工事とは別の工事なので、
工事代金の約1000万円を一度に費用処理できないか、
または、一度に費用処理できないにしても、
10年で償却できる港湾浚渫負担金などのように
短期間で償却できる方法はないか
税務署に問合わせをしてみました。

結論から申しますと、答えは、ノーでした。

当該浚渫工事は、
井戸を使った発電に不可欠の工事であり、
すでに資産計上している井戸掘削工事と
切り離すことはできない。
よって、当工事代金は、
汽力発電用の構築物として資産計上し、
41年で償却するのが妥当であるというのが
税務署の回答でした。

バイオマス再生可能エネルギーとSPC

弊事務所のお客様には再生可能エネルギーを
事業とするSPC(特別目的会社)が数社いらっ
しゃいます。

以前、太陽光発電事業の実際の日照時間と
発電量についてご紹介いたしましたが、
今回は、同じ再生可能エネルギーである
バイオマスについて少しご紹介させていただきます。

太陽光発電が太陽光を利用して発電をするのに
対し、バイオマス発電は動植物などの生物資源
を燃焼またはガス化することで発電を行います。

私たちのごく身近なところでは、下水汚泥や
生活ゴミなどがそれに当たりますが、木材産業が
盛んな場所では、製造過程で発生する木くず等を
を固めて作ったペレットと呼ばれる材料を燃料と
します。幣事務所のお客様にも木質バイオマス
事業のSPCがいらっしゃいます。

太陽光発電のFit価格は12円前後ですが、
バイオマス発電の場合、24円と高い設定と
なっております。背景に林業者育成があります。

その他のバイオマス発電では食品工場の製造過程
で発生する廃棄物を利用しての発電や、牧場など
家畜の排せつ物を燃料とするものなど、循環型の
社会構築に大きな貢献しています。

太陽光発電と違い、バイオマス発電の資源は
その種類によって広範囲に分散されているため
収集、運搬、管理にコストがかかる小規模分散型の
設備になりがちであるという課題があるようです。

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解雇予告手当の処理

新型コロナウイルス感染拡大で、一部の企業ではやむなく従業員を解雇するケースもあります。解雇には、法的にいろいろなハードルがありますが、ここでは、解雇の際に、事業者が支給する解雇予告手当について、注意すべき点をおはなします。

従業員を解雇する場合、1ヶ月前に通知をしなければなりません。やむなく、即日解雇する場合、解雇予告手当として、30日分の給料を支給しなければなりません。これが、解雇予告手当というものです。

これは、労働の対価ではなく、退職に伴い支給するもので、所得税では、『退職金(退職所得)』として、扱われます。企業が退職金を支給する際には、次の点がポイントになります。

  1. 退職者から『退職所得申告書』へ記名・押印をもらう必要があります。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/2801h331.pdf  (書式)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_37.htm (手順)

https://www.nagoya-kyosai.jp/images/pdf/taishoku-sinkokusho-ex.pdf (記載例)

事業者は、申告書を保管しておきます。

  1. 退職金(解雇予告手当)支給者には、『退職所得の源泉徴収票』を作成し、交付します。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/pdf/h31/23100052-02.pdf  (書式)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100052.htm  (手順)

3 退職所得の所得控除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732.htm  

退職所得の場合、通常の給与所得より所得控除額が大きくなります。そのため、退職者に所得税の発生額が少ないか、もしくは全く発生しないことになります。

ただ、このように退職所得の控除額が大きくなるのは、1の『退職所得の申告書』を従業員から提出を受けていることが前提です。もし、提出を受けていない場合は、解雇予告手当(=退職金)の20.42%を控除した残額を、退職者に支給することになります。

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代表者変更時の税務署等への届出

担当させていただいておりますSPCで
代表者変更があり、届出を致しました。
届出先は、所管税務署、県税事務所、市税事務所の
3か所です。

代表者の変更、事業年度等の変更、
本店所在地の異動、資本金額等の異動、
など、商業登記簿の記載内容に変更があれば、
基本的に上述の3か所に届出が必要です。

税務署には、13桁の法人番号を記載すれば
謄本の添付は、不要です。
県税事務所・市税事務所への提出は、
法人登記簿謄本の添付が必要です。

いずれも、インターネットによる電子申告・
届出で可能です。郵送でも可能です。

電子申告を利用すれば、紙へのプリントアウトや
郵送が不要で、経済的でエコロジーでもあります。
税務署等へ訪問不要で新型コロナウイルス対策
にもなります。

会社の登記内容を変更した時は、税務署等へ異動届の
提出が必要なことは、頭の片隅に置いておきましょう。

新型コロナ支援のまとめ

新型コロナウイルス感染拡大防止を支援する国などの様々な制度があります。支援内容は、様々な内容に及ぶため、皆様の中には、支援があることを知らない方がいらっしゃるかもしれません。

そのため、弊事務所のホームページで、支援内容をまとめたページを作成しました。一度、ご覧いただければと思います。
http://www.yodoyabashisogo.com/15883139599713

新型コロナウイスルの収束は、まだ見えておりませんが、恐らく、この暫くの間で企業としての体力の有り、無しの差が出て来ると思います。しばらくは苦しい経営が続きますが、これを乗り越えると、恐らく、企業としても強くなれると思います。

皆様と一緒に、この困難を乗り越えたいと思います。その際に、上記のページがお役に立てば、うれしいと思います。

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