適格請求書発行事業者になるべきか否か

適格請求書発行事業者になるべきか否か

事業者の消費税の納税額は、次の計算式で算出されます。
(基本的な考え方で、事業内容で相違するケースもあります。)

『預かった消費税』-『支払った消費税』=『(消費税)納税額』
取引先が全て適格請求書発行事業者の場合は、これまでと同様に
『支払った消費税』を全額引く(控除する)ことが出来ます。

適格請求書発行事業者でない事業者に支払った消費税は、
上記計算式で引く(=控除する)ことができなくなります。(※)

売上の大半が課税売上で年間1000万円以上あり、
取引先も課税事業者が大半という場合、
課税事業者となり適格請求書発行事業者となることを選択することが望ましいと思いますが、
売上規模や顧客構成によって、発行事業者になるべきか否かが異なります。

たとえば、課税売上(年間売上高)が1000万円に満たない八百屋さんで、
お客さんのほとんどが、個人という場合、お客様は消費税申告しないので
仕入控除の必要性はありません。
そのため、この八百屋さんは『適格請求書発行事業者にならない。』
という選択が望ましいと思います。

一方、飲食店やホテルなどの大手事業者に食材を卸している八百屋さんの場合を
考えてみましょう。
大手事業者が、11,000円(税込)で、野菜を仕入れる時、
『適格請求書発行事業者』の八百屋さんからの仕入ると1,000円の仕入控除が出来ますが、
『適格請求書発行事業者』でない八百屋さんからの仕入では、
1,000円の仕入控除が出来ないので(※)、
その大手事業者が負担する消費税額がその分多くなってしまいます。
八百屋さんは『適格請求書発行事業者』になっておかないと、
取引をされないもしくは、値引要請を受ける可能性があります。

小規模事業者にとって、インボイス制度は大手事業者との取引継続や、
価格交渉に影響を与えるマターになります。

(※)インボイス制度導入から、6年間は一定の経過措置により、一定の仕入控除は可能です。

❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑
 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
税理士法人 淀屋橋総合会計
 http://www.yodoyabashisogo.com
❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑❑

コメントを残す

CAPTCHA