公認会計士と不動産鑑定士の比較

公認会計士と不動産鑑定士の比較

不動産鑑定の実務演習開始から、
丸1年経過しようとしている。
不動産鑑定業界について、少しづつ
わかってきたこともありますので
今 感じている公認会計士と不動産
鑑定士とのちがいについて、触れてみたいと
思います。

まずは、それぞれの会員数ですが、これは
圧倒的に公認会計士が多いと思います。
また、最近の合格者数についても
公認会計士が多いと思います。
そういった意味では、公認会計士の方が
業界としての広がりが出ていると思います。

特に不動産鑑定士2次試験の実質合格率
2~3%台(合格者100~200名)というのは、昔の司法試験に
近いイメージがあります。
このような低い合格者数は、最近の試験制度の
変更により、2次試験合格者は
直ちに実務演習に入るが、その受入体制の
キャパや 絶対的な仕事量が限られている
公的評価に大きく依存する体質により、
合格者をたくさん出すことで、既存資格者を
脅かすという懸念もあるのではないかと
思う。

話は変わって、仕事の質的なことでは
不動産鑑定士は、不動産市場について
大変興味を持っています。マーケットという
ものに関する理解は、不動産鑑定士は
すぐれていると思います。
一方で、公認会計士は担当している会社の
内部組織(内部体制)やビジネスモデルについては
よく理解していることは多いが
その会社が属しているビジネスのマーケットについては
鈍感なケースが多いのではないかと思います。
ある会社を理解するには、その会社の属する
マーケットとそれに対する会社の内部体制の
両方を理解することが大事ではないかと
思います。

最後に、上場会社の社長や役員(監査役 除く)をされて
いる不動産鑑定士と公認会計士の比較では
絶対的な人数ではなく、資格者総数に占める
割合でいえば、不動産鑑定士の方が多いと思います。
これは、最近の不動産ビジネスの活況から
上場した会社の役員が多いことと
先述したマーケットに触れながら仕事をしている
ということもその要因かもしれません。
一方で、公認会計士は資格取得時の勉強として
監査論をというものがあり、企業との
『独立性』という考えを叩き込まれます。
そのため、企業を経営するというより
外部者として、客観的に見てしまうことが
多くなります。
当然のことながら、企業の監査をする上では
客観的な目線は重要かと思いますが
いざ企業を経営する立場になれば、
それとは、違った目線が求められるのでしょう。

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