証券化での不動産鑑定の矛盾

証券化での不動産鑑定の矛盾

不動産証券化において
必ず、不動産鑑定を取ります。
これは、証券化において担保となる
不動産について、専門家の評価額を
必要とするからです。
当然といえば、当然です。

その時に、評価額がいくらになるかは
レンダーや投資家、アレンジャーにとって
関心のあるところです。

ところで、不動産鑑定において
鑑定評価額の決定には、公示価格に
規準する(鑑定実務では、『のりじゅん』といいます。)
ことが、鑑定評価の法律で、定められています。
そのため、近隣の公示価格と大きく乖離する
鑑定評価額を出せないという縛りがあります。

この公示価格というものは、そのエリアを担当する
鑑定士が計算しているのであるが
公示価格が、その土地の実勢価格を表示して
いない場合があります。
特に、都会で地価高騰が進んでいるところでは
公示価格と実際の取引価格とでは
大きな乖離が発生していることがあります。

そのため、実勢価格に対して鑑定評価額が
低く算出されるケースがあります。
これが、証券化において、ネックとなることが
あります。
それでは、なぜ、公示価格が実勢価格と
乖離するかというと、公示価格は
1年に1度しか、公表されないため
そのタイムラグと
公示価格を決定する際に、前年からの変動率を
重視し、大きな変動率は敬遠される傾向が
あるため、土地価格が高騰する際には
実態に即した変動率つまり上昇を
公示額に反映できないケースがあるためです。

実務的には、鑑定額と実勢額とでは
乖離があることもよくあります。
鑑定の依頼者からすれば、報酬を
払って、評価額を算出しても
実態に即した金額がでないという
矛盾が発生することがあるということです。

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