建物の評価

建物の評価

不動産である建物は、通常どのように
評価するのでしょうか?

不動産鑑定では、建物の構造やグレードから見て
評価時点で、新築の建物を建設することを
想定した価格(再調達価格といいます。)を
まず算出し、そこから
実際の建物の
 〃佛による減価
◆(理的な劣化状況からみた減価
 建物の機能が陳腐化することによる機能的減価
を控除して、評価額を決定します。

(計算式)
建物評価=再調達原価-減価額

この方法では、建物は新築が最高の価値で
それ以降は、新築価格より低くなります。

また、最近の建築コストの上昇により
実際の建築コストより高い評価額が
算出されることもあります。

私どもの事務所は、大阪の目抜き通りである
御堂筋に近いこともあり、ちょうど昭和40年代の
建築ラッシュに建てられたビルが、築年数が35年程度
経過することもあり、建替工事もところどころで
行われています。

先ほどの建物評価の計算式では、35年程度経過すれば
残存耐用年数がゼロに近くなり建物評価が
ゼロに近い数値になります。

ところで、建物の評価は、残存耐用年数が
ゼロになれば、本当にゼロなのかどうかは
実際に考えてみたところ、疑問を感じます。

イギリスでは、経年20年の建物より経年50年の
建物が評価が高いということです。
これは、50年経過しても、大丈夫な建物は
しかっりしたものであるため、高い評価に
なるとのことです。
古いものを大切にするという国民性も
あるのでしょうが、価値観によって
建物の評価方法は、異なるということです。

これから、リサイクル社会になるためにも
今の日本の建物評価の方法は
本当に正しいのか、一考する必要が
あるのかもしれません。

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