今は不動産バブルか?

今は不動産バブルか?

不動産価格は、最高点に達し、これからは
下落傾向にあるのでは、というのが、最近の
不動産価格に対する風潮ではないでしょうか?

どのような価格も一辺倒に上がり続けることはなく
上がれば下がる、下がれば上がるを繰り返しながら
つまり、波動を描きながら
価格というものは推移していくものです。

ということを万人は経験則から知っているから
今まであがりつづけた不動産価格は、一旦
下落傾向に入ると考えているのでしょう。

それでは、平成初期のバブル経済時期と
今と比較すれば、次のようになると思っています。

いずれの時期も不動産価格の上昇傾向から
下落傾向に転じた時期という点では一致しています。
しかし、その価格形成については、随分異なる点が
あります。
平成初期では、不動産の取引価格で価格が決定する
ことが一般的でしたが、今では取引価格だけでなく
収益価格で価格が決まることが多くあります。
つまり、不動産の金融商品化により、不動産から
あがる収益が、不動産価格を決定する大きな要因
となりました。

取引価格というものは、第三者間の取引であれば
客観的な市場価格と言えますが、価格の根拠という
ものは、当事者間で納得した価格というもので
近隣の相場感や将来見通しなど、突き詰めて考えれば
あいまいなものと思います。

一方で、収益価格は、不動産の収益性について調査分析し
たもので、その根拠というものは、数値によって
説明可能なものです。
また、不動産ファンドに入る不動産については、
土壌汚染、耐震性等の調査(デューデリジェンス)をした
上で価格を決定していることから、その価格に
ついては、それなりの根拠をもったものと言えます。

ただ、米国のサブプライムローンのように、偽りを
基につくられた価格であれば、問題の傷は深くなることも
あろうかと思いますが、私の知る限りにおいては
信託銀行によるチェック、不動産鑑定業者による不動産価格決定
金融機関による融資審査等において、
米国のサブプライムローンのように、偽りの書類を
利用していることは、ないものと思っております。

ということから、今後不動産価格が下落傾向に
入るとしても、今 形成されている価格は
収益価格のウエイトが大きく、その価格については
それなりの根拠をもったものであることからも
平成初期のようなバブル崩壊により、不動産市場が
機能しなくなるほどの下落は、ないものと
見ております。

もちろん、不動産の金融商品化により、金利動向や
金融機関の姿勢は、不動産価格に影響することは
間違いないと思います。

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