不動産投資ファンドをCRE戦略の観点から検証

不動産投資ファンドをCRE戦略の観点から検証

最近の不動産市場にも、大きな位置を占めるようになった
不動産投資ファンド会社が、組成する不動産投資ファンドを
CRE戦略の観点から検証してみる。

一般に、不動産を現物として購入する場合と
SPC等を組成して、購入する場合とでは、
コスト的には、SPCを利用する方が
高くなることが一般的です。
なぜなら、SPCを組成するにも、運営するにも
弁護士や会計士等の専門家報酬、アレンジ費用や
融資手数料等が別途必要に
なるからで、SPCを利用することによって
コーポレートローンより金利が低く
なったとしても、全体としては、コストアップ
となるからです。

であるならば、わざわざ、SPCを利用して
不動産投資することのメリットは、CRE戦略の
観点からは、ないのではということとなります。

結論としては、そうではなく、SPCを利用する
ことで、レンダー(金融機関)は、ファンド会社の
信用リスクを考慮せず、不動産の収益性だけを
もって融資判断でき、不動産ファンド会社が
SPCを利用しない場合より、多くのプロジェクトを
実行することが可能となります。

つまり、1物件あたりの収益額が小さくなっても
多くの物件をこなすことによって
収益額の絶対値をあげることが、SPC利用に
よって期待できます。

ここ5年から10年程度で、東京を中心に
急成長した不動産ファンド会社は
これらの手法を利用して、取り扱い不動産残高を
伸ばしてきました。

最近5年程度の不動産市況が、上昇した
局面では、投資額を増やすことで、レバレッジ効果も
期待できたことから、CRE戦略の観点から見ても
SPC等を利用した不動産投資に合理性は
あったと思います。

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