コミングリングリスクとSPC

コミングリングリスクとSPC

金融用語として、コミングリングリスク
という言葉があります。
これは、混合リスクという意味ですが
わかりやすく言えば、金融機関が融資した
資金で得た収益が、金融機関への元利金
返済ではなく、他のことに使われてしまう
リスクのことです。

金融機関は、融資判断の際、融資資金で
使われる資産等から得られるキュッシュフローを
判断のポイントとしています。
しかし、そのキャッシュフローが元利金返済
以外の目的で使われてしまえば
本末転倒のこととなってしまいます。

不動産証券化でのノンリコースローンでは
不動産のみを担保としているため
このように混合してしまうとスキームの
根本からゆるがすこととなります。

わざわざコストをかけてSPCを利用する
目的のひとつとして、コミングリング
リスクの回避というものがあります。
つまり、SPCを利用することで、不動産から
得られる資金を、まず、債権者への
元利金返済を優先させて、なお、残余が
ある場合は、投資家等へ返済させることで
コミングリングリスクを回避することが
できます。

通常のコーポレートローンの場合
不動産を抵当権として取っても
コミングリングリスクを回避することは
困難です。

これも、SPCを利用されるメリットの
ひとつとして、あげられると思います。

コメントは受け付けていません。