アーバンコーポレーションの破綻の分析

アーバンコーポレーションの破綻の分析

アーバンコーポレイションが、民事再生法を
申請しました。
同社の損益計算書や貸借対照表のみ見ている
投資家からすれば、なぜ破たんしたか
不思議に感じられると思います。

同社は、最近3年間増収増益で推移し
自己資本も、順調につみあがって
いました。
不動産開発業者の場合、更地などで
仕入れた不動産にマンションやビルを建設して
販売し、利益を得ています。
そのため、新規の開発物件を追い求めることが
宿命として求められます。
ましてや、上場会社であれば、より強く
求められます。

同社の営業キャッシュフローを見れば
その様子がよくわかります。

参考に連結決算数字を並べますと

順に、売上高、経常利益、営業CF(単位:億円)
H18/3 643 106 △329
H19/3 1805 563 △550
H20/3 2436 616 △1000

となります。
損益計算書上の利益は順調でしたが
営業CFは、3期連続赤字(実際は、H17/3期以前も赤字)で
財務担当者は、いつも資金繰りに苦労されて
いたことが、窺えます。

最近では、難しくなりましたが、不動産流動化において
不動産とその借入金をオフバランス処理して
企業が少しでも、財務体質をよく見せようと
努力されていた理由もうなづけます。

このように、不動産開発業者は
過少資本、過大借入金で
営業CFの不足を、財務CFつまり、おもに
借入金で賄っているケースが多く、
金融機関が、融資姿勢を変えて借入金で
資金調達ができなくなると
たちまち、経営が苦しくなるという
弱点を抱えています。

コメントは受け付けていません。