SPCにしておいて良かった

SPCにしておいて良かった

最近、不動産ファンド(SPC)を
使って、不動産投資をしていた会社が
次々と破たんしましたが、
これらの会社が、SPCを使っていた場合と
SPCを使っていなかった場合とを
比較したら、どのようになるでしょうか?

通常、金融機関への融資は、ノンリコース
ローン(NRL)といって、SPCが保有する不動産に
ついてのみ遡及できる(責任財産限定
特約というものがあります。)建付けと
なっています。
また、倒産隔離措置が取られ、不動産投資
会社が破綻しても、SPC投資スキームが
直ちに破たんしない仕組みに
しています。
不動産投資会社が、破綻しても
SPCスキームは、直ちに停止せず、
保有する不動産を、通常の売却活動を
通じて、売却することができます。

金融機関は、責任財産しか遡及できないため
不動産の売却が確定すれば、ローンの
返済も確定するので、売却も
スムーズに進むことでしょう。
(他に取れる資産がないので、
 あがきようがないので)

一方で、従来のSPCを利用しない
コーポレートローンでは、
不動産投資会社が破たんすれば、
担保として取っている不動産は
法的(倒産)手続きの上で
売却されるので、迅速な売却は、困難です。

また、責任財産限定特約がないため
金融機関は、担保不動産以外も
遡及することができるので
金融機関が、ギリギリの交渉をすれば
担保処分も進まないことも
考えられます。

バブル経済崩壊後、不良債権処理が
進まなかった要因として、
担保不動産の処理が進まなかったこと
や、代表者の保証があるため、法的整理に
入ることに大きな抵抗があったことが
挙げられますが、SPCを利用した
資金調達では、これらの短所を
カバーしていると思います。

金融機関の中には、今回の
不動産投資会社の破たんがあっても
SPCに資金提供していたため、救われた
部分もあると思います。

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