SPCがなかったら

SPCがなかったら

先日、大手監査法人の大阪事務所の
幹部クラスの会計士の方と、お話しする
機会がありました。

私どもの事務所で、SPC関係の
仕事をしていることは、ご存知
でして、SPCについての話題と
なりました。

そこの大手監査法人では、いわゆる
老舗の大手企業も関与先としていて
不動産関係事業で、SPCを利用した
ことがある、又は利用している企業も
いくつかあります。

その幹部会計士いわく、SPCが
なかったら、老舗の大手企業の
ひとつは倒産していたのではないかと
言われていました。
というのは、今から10年ほど前では
大手企業では、不良資産の処理や
不振子会社の処理等で、多額な損失を
計上する企業も少なくありませんでした。
当時は、SPCを利用した不動産の
オフバランンス処理について、
今で言う5%ルールや連結子会社に
する厳格な基準がなかったため
含み益ある不動産をSPCに売却して
売却益を計上し、その見合いで
不良資産の処理をするケースが
随分行われました。

それで、負の遺産を処理して
本業に専念して、業績を回復した
企業が多くありました。

今、同様の会計処理を
しようとしても、同じ結果に
ならなかったでしょうから、早い時期に
してところは、やり得の面は
否めないところです。

その後、含み益を計上する手段として
SPC利用が横行し、それを制限する
会計上のルールが整備されたことは、
皆さんのご存知の通りです。

SPCに対する会計処理については
いろいろな目で見られますが
企業の破綻を食い止めるために
利用されたこともあったことを
知っておいていただいても
良いと思います。

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