国際会計基準がSPC会計に与える影響(決算書 書式)

国際会計基準がSPC会計に与える影響(決算書 書式)

現行の日本の会計基準では、
おなじみの貸借対照表や
損益計算書、追加でキャッシュフロー計算書等を
作成しますが、国際会計基準では
貸借対照表や損益計算書も
名称も含め、大きく様変わりします。

まず、貸借対照表は、財政状態計算書
損益計算書は、包括利益計算書などと
名称が変わります。

そのなかでも特筆すべきところは
損益計算書に相当する包括利益計算書では
損益計算書では、おなじみの
営業利益、経常利益、当期利益などの
段階的な利益概念がなくなります。

つまり、利益は当期利益に相当する
最終損益に一本化されます。
これは、私たちも含めて従来の
利益概念を根底から変えるインパクトの
大きなものです。
国際会計基準では、特別損益や営業外
損益などなく、全て営業損益に含める
という考え方です。

ただし、根本的に現行基準とは
異なる点は、『廃止事業の財務諸表』という
今までにない財務諸表を作成する
ところです。
事業を証券化する場合を除いて、SPC会計では
あまり、廃止事業の財務諸表が出るケースは
少ないと思いますが、
複数事業をしている法人が、特定の
事業を廃止した場合、その事業による
損益は、包括利益計算書からは
除かれて計算されることとなります。

現行の基準では、事業を廃止することが
決まっても、それに伴う損益と
継続していく事業の損益は区分しませんが
国際会計基準では、区分するところが
大きく異なるところです。

一部の声で、個別財務諸表を
現行基準で作成し、連結決算では
国際会計基準にそろえるということも
聞きますが、そうなれば、組替えの
作業は大変な労力を要すると思いますし
BSやPLとは、異なる概念の財務諸表への
組替も難解なものと予想されます。

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