不動産鑑定と相続税評価の違い

不動産鑑定と相続税評価の違い

農地に住宅を建設する場合、農地法上の
許可が必要です。もし、許可を得ないで
建てた住宅は、不法住宅となります。
 
それでは、このような不法住宅を
第三者に売却するために、仲介業者に
依頼すれば、どのようになるでしょうか?
仲介業者は、不法行為に加担する
こととなるので、仲介業務を
断ってきます。
不法住宅は、市場性がない不動産なのです。
 
ところで、このような不動産を
鑑定評価すれば、どうなるでしょうか?
農地法の転用許可を得た不動産と比べて
許可を得ていない、不法住宅は
市場性が著しく低下するため
当然のように減額して鑑定評価額を
算出します。
 
では、このような不動産が相続された
場合の評価はどのようになるでしょうか?
農地法上の転用許可を得ている不動産よりも
評価が減額されるのでしょうか?
結論から言いますと、減額はされません。
なぜかと言いますと、農地法違反という
不法行為をした者に関する相続税が、
不法行為により減額され、
きちんと農地法の転用許可を得た者
より税負担が軽減されることは
不公平であるため、減額は出来ないという
こととなります。
 
これは、例えば法人が、違法行為による
罰金を払ったとして、それは法人の
経費としては認められないという考え方に
似ています。
もし、罰金を経費に認められれば、罰金を
払うようなことをすれと、税負担が軽く
なり不合理です。
 
不動産の鑑定評価の目線で、相続税での
評価をすると、思わぬ落とし穴があります。
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