不動産証券化と賃貸関係

不動産証券化と賃貸関係

昔の不動産の大家と店子との
間には、人情や人と人との間の
ぬくもりがあったような気がしています。
 
家賃を滞納していても、少しは
待ってあげたり、店子の悩み事に
相談に乗ったりなどの人間関係が
あったと思います。
 
私どもの事務所で扱う不動産ファンドでは
そのような人間関係の生まれる余地が
ありません。
店子は賃料の支払主としての位置づけで
キチンと賃料を支払うことを期待されて
います。賃料を滞納すれば敷金と相殺したり
保証会社がついてあれば、保証会社に
立替を請求したり、冷たい言い方を
すれば、お金でしか結びついていません。
 
形式的に、私どもの事務所が大家のような
形になっているファンドもありますが
店子さんと会うことは、今後もないことでしょう。
 
なぜ、こんな文章を書いているかといいますと
最近、大阪市内で2児が置き去りにされて
死亡するという痛ましい事件がありました。
私の事務所からそう遠くはなく、同じ子を持つ
親として、全くの他人事とは思えないからです。
 
事件の背景には、様々なことがあるかと
思いますが、都会での人間関係の希薄化も
その要因の一つだと思います。
 
不動産の金融商品化という言葉が
もてはやされた時もありましたが
不動産には、ぬくもりがあって
いいと思います。
 
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