インボイス制度が与えるSPCの消費税対応

インボイス制度が与えるSPCの消費税対応

SPCの投資対象が何であるかによって、インボイス制度への対応が異なります。

『住居用賃貸不動産』を保有するSPCの場合は、年間の課税売上高(駐車場収入等)が、
1000万円に達しないので、免税事業者になることもあります。

2020年10月以降は、消費税改正により、『住居用賃貸不動産』の取得時に支払う
建物価格に係る消費税は、仕入控除出来なくなりました。
そのため、このようなSPCでは、最初から最後まで、
『免税事業者』が望ましいケースがあります。

『免税事業者』が最適なSPCは、
「適格請求書発行事業者」を選択しないので、適格請求書を発行しません。

インボイス制度は、請求書を見れば、その請求書の発行者が、
消費税の課税事業者(消費税を納税等している。)か免税事業者か
一目瞭然になる制度です。

そのため、取引先は、免税事業者に対して、消費税部分の値下げ交渉や、
仕入税額控除(支払った消費税相当を、税務申告で差し引くこと)が
出来ないため(※)、取引をやめて、
他の課税事業者に移行することも予想されます。

例えば、住居用賃貸不動産SPCが免税事業者の場合
、テナントの会社が社宅として、賃借しているケースを想定します。
住居部分は、非課税のためインボイス制度の影響を受けませんが、
駐車場も賃借している場合、駐車場代は、課税取引で消費税を上乗せして、
請求していると思います。

インボイス制度導入後は、テナントの会社は、
駐車場代に含まれる消費税の仕入控除額が出来なくなり(※)、
駐車場代の値引要請を受けることもあります。

インボイス制度は、免税事業者を選択するSPCにとっては、
収益計算でも何らかのマイナスに働く可能性があることを加味しておくことが必要です。

(※)インボイス制度導入から、6年間は一定の経過措置により、
一定の仕入控除は可能です。

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税理士法人 淀屋橋総合会計
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