一般社団法人の役割   倒産隔離とは

SPCとなる合同会社や特定目的会社を設立する場合、
「倒産隔離」を目的として、
一般社団法人を出資者とすることが多くあります。

倒産隔離というのは、
投資対象不動産の開発業者や元の所有者であるオリジネーターや
太陽光発電等の事業のオペレーターなどの関係者の倒産によって、
SPCの債権者や投資家などに影響を与えることがないようにすることです。

オリジネーターやオペレーターがSPCの出資者となった場合、
親会社の倒産の影響がSPCに及ぶ可能性があります。
そこで、オリジネーター等はSPCに直接出資せず、
一般社団法人を出資者として、倒産隔離をするのです。

一般社団法人は、
オリジネーター等から資本的にも人的にも独立した法人ですが、
オリジネーター等が一般社団法人に基金を拠出した場合でも、
議決権を取得せず、
議決権をもつ社員は公認会計士などの中立的な第3者とすることで、
倒産隔離が可能です。

銀行等のレンダーは、
投資対象の資産の収益力や担保力のみを評価してファイナンスを付けます。
SPCの資金繰りが悪化するなどして、
ローン契約の債務不履行が発生した場合は、
レンダー等の債権者は、投資対象資産を早急に売却することで、
債権の回収をしますが、SPCが破産手続きの申し立てを行うと、
管財人の関与の下でしか資産の売却ができなくなります。
そこで、恣意的な破産申し立てを防ぐため、
SPCは、破産手続き開始の申し立てを放棄する旨の誓約を求められるます。
これも倒産隔離の一つです。

倒産隔離をすることで、プロジェクトファイナンスの実行が可能になり、
ファイナンスの枠も拡大しますので、金融的にも意味のあることです。