新会社設立で節税!
JUGEMテーマ:会計・経理・財務
芸能人の方が個人事務所を作って節税しているという話をよく聞くと思いますが、
個人事業主の方が、会社を作って節税したり、
会社が別の新会社を作って節税したりすることはあらゆる業種で可能です。
今月、ある顧問先様が、節税の為、現在の会社とは別の新会社を設立することになり、
現在そのお手伝いをしております。
では、なぜ新会社を設立すると節税になるのかをまずご説明します。
①所得が年間800万円までの場合に適用される軽減税率が2社合計で1600万円まで適用できる。
平成29年度現在、普通法人の法人税率は23.4%ですが、中小企業の場合は、
年に800万円までの所得には15%の軽減税率が適用されています。
所得を2社で分けることで、合計1600万円まで軽減税率を適用することができるようになります。
②新会社は設立から2年間消費税が免税になる。
資本金が1000万円未満の会社で、大会社の子会社でないなどの条件をクリアした場合、
最初の2年間は消費税が免税になります。
(ただし、最初の6か月間に売り上げが1000万円を超えると翌期(第2期)から課税事業者となる)
また、課税売上が1000万円未満になる事業部門を切り離して新会社を設立すれば、
新会社はずっと免税業者のままにすることも可能です。
③交際費・少額減価償却資産の枠を2倍にできる。
中小企業は、年間800万円までの交際費は全額損金にできます。
また、1点30万円未満の少額の固定資産は、年間合計300万円まで一括で損金にできます。
会社を2つにして、この枠をフルに使えば、1600万円まで交際費を使えますし、
600万円までの少額資産を一括損金計上できます。
ただし、新会社設立にはデメリットもいくつかあります。
①コストと手間がかかる
会社設立自体にコストがかかることはもちろん、
その後も役員重任登記費用や税務申告費用などのコストがかかります。
社会保険事務所など様々な機関から問い合わせなどもありますので、
その対応の手間もかかります。
また、利益が出ても赤字でも資本金額に応じてかかる法人住民税の均等割りが
最低でも年間7万円程かかります。(自治体によって多少金額が違うことがある)
②税制が変わり、上記メリットが享受できなくなることがある。
税制や税率は毎年のように変わっています。
中小企業の軽減税率も15%が適用されるのは、平成31年3月に開始する事業年度までで、
それ以降は19%になる予定です。
消費税に関しては、節税封じのための法改正が何度も行われています。
いずれはインボイス方式導入により益税を許さない制度になっていくと思われます。
交際費などの枠に関しても、過去に何度か改正があり、今後もいつ変更になるかわかりません。
将来、別会社を持つメリットが全くなくなってしまうことも考えられます。
③新会社の法人格が否認される可能性も
登記上は2つの会社に分かれているものの所在地も社長も同じ、事業内容も全く同じでは、
単に税逃れの為だけに法人を分けたとみなされ、
税務署に法人格を否認されてしまう可能性もあります。
できれば、違う事業の部門を切り離す形で新会社を作る、
従業員の一人が独立する形で新会社を作るなど
別会社にすることが合理的であると考えられる形にすることが望ましいと思われます。
メリット①③にあるように、利益額が大きくない会社さんの場合、
わざわざ会社を2つにわけるメリットはほとんどありません。
メリットとデメリットを試算した上で、別法人の設立を決めることになります。
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