8月 2024アーカイブ

営業者口座のないSPC

匿名組合契約では、匿名組合が営業者に年間20万円程度の営業者報酬を支払う
ことが一般的です。この営業者報酬は、SPCを維持するため事業を行っている
匿名組合が、営業者(SPC)に対して報酬を支払うというものです。
ただ、この営業者報酬は、SPCの内部取引のため、SPC全体の決算では内部取引
として消去され表示されることはありません。匿名組合決算の損益計算書で
『営業者報酬』として表示されます。
 
SPC案件では、営業者用の預金口座として、『営業者口座』が準備されることが
一般的です。営業者報酬は、匿名組合決算に合わせて匿名組合口座から営業者
口座に送金されます。営業者は、受取った営業者報酬で法人税等の納税資金に
充当します。
 
案件によっては、営業者口座がなく、匿名組合事業を行う事業口座のみという
案件もあります。そのような場合、営業者報酬をどのように扱うかが問題と
なります。
 
匿名組合契約書には、営業者報酬の記載はあるので、匿名組合経理では営業者
報酬を計上します。しかし、営業者口座はないので、営業者報酬の精算処理はなく
経理が進みます。その結果、営業者から匿名組合に対する営業者報酬を受取る
債権が計上され、匿名組合では反対の債務が計上されます。営業者口座がないので
これらの債権債務は計上されたままで、匿名組合経理上残ることになります。

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【消費税】基準期間の課税売上高の判定

消費税申告書を作成する際に重要となるのが「基準期間の課税売上高」ですが、
先日はその判定を慎重にしなければならない機会が2度ございました。

【ケース1】
設立3期目となる不動産関連SPCの消費税申告書を作成するケース
この場合、前々事業年度の課税売上高が判定の基準となりますが、会計ソフトで
作成した申告書のチェックを行う際、前々年度の課税売上高とは異なる金額に
なるケースがあります。

設立1期目は、基準期間(事業年度)が12ヶ月未満のケースが多く、課税売上高を
12ヶ月に換算
して判定しなければいけません。
前々事業年度の課税期間の課税売上高をその課税期間の月数で割り、
これに12を掛けて算出した金額で判定します。

【ケース2】
SPCが免税事業者であったが、課税売上高が増加するなどして
消費税課税事業者になる時に提出する
『消費税課税事業者届』に記載する「課税売上高」です。

「基準期間(前々事業年度)」で判定する際は、「課税売上高」のみで判定します。
「特定期間(前事業年度)」で判定する際は、前事業年度の最初の6ヶ月で
① 課税売上高が1,000万円を超えた場合 または
② 給与支払額が1,000万円を超えた場合
課税事業者となり消費税の申告義務が発生します。

なお、免税事業者であるSPCの課税売上高の判定は、税込額
行うことにも、注意が必要です。
 
通常、SPCでは給与支払いが発生しないので、「特定期間」の課税売上高で
消費税課税事業者に該当することは、ありません。

インボイス制度が始まった今、消費税制度が、複雑になりました。
SPCが課税事業者になるか否かの判定基礎となる
「基準期間の課税売上高」の正確な判定は大切です。

この判定を誤り、免税事業者と理解していたSPCが
課税事業者であった場合、そのインパクトは大きく
慎重かつ正確な判定が大切と感じました。

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契約書等への押印手続

SPC会計業務をしていると、契約書や作成書面への
押印作業は、定期的に発生します。弊事務所でも
SPCの印鑑をお預りしているためです。

今まで、多くの書類に押印をしてきました。
押印の種類について、整理しご説明したいと
思います。

押印の種類
① 署名欄への押印
② 割印・・・複数枚の契約書の綴じた部分への押印
③ 捨印・・・主に登記申請書類の場合、軽微な修正を
司法書士が出来るようにする押印

になります。①②は必須となりますが、③まで押印するケースは
少ないように思います。

レジ案件のSPCでは、年度末付近は、テナントの入れ替えも
多く、押印する頻度も多くなります。

シングルテナントのSPCの場合は、テナント入れ替えによる
押印は少ないので、リファイアンスの際には、押印の頻度が
上がりますが、押印する頻度は多くありません。

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