9月 2024アーカイブ

メイン口座からリリース口座への振替可能額 

SPC案件では、メイン口座、リリース口座、営業者口座など
複数の銀行口座を開設することは一般的です。

ただ、ローン契約等でメイン口座内で、元利金返済額の積立や
オペレーションコストの積立などを管理することを
定めていることがあります。

会計処理上は、同一口座内の積立は表現されないので
別途、管理する資料を作成しなければなりません。

その名称は、案件によって様々ですが、『勘定残高管理表』などの
名称の資料を作成します。

この資料の作成目的は、メイン口座からリリース口座への
資金振替をする際、いくらまで振替出来るか把握することに
あります。

メイン口座の残高があれば、残高相当額をリリース口座に
振替は可能ですが、メイン口座残高のうち
積立すべき残高がいくらであり、リリース口座への振替額を
日々把握するには『勘定残高管理表』を作成しなければ
なりません。

このようにSPC会計業務では、会計処理だけでなく
預金口座の管理もローン契約書等に定められており
別途、管理資料を作成しなければならないことが
あります。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階

   税理士法人 淀屋橋総合会計

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宮崎県にある太陽光発電所

担当のSPCに、宮崎県の太陽光発電所がございます。

8月上旬には、宮崎県で大きな地震があり
その後、「南海トラフ地震臨時情報」が出るなど
大きな被害が心配されました。

地震後、すぐに現地管理会社が発電所の点検を
行ったところ、発電設備自体には全く被害がなく
一安心しましたが、発電所の敷地内にある備品の
保管倉庫の窓が割れる被害がありました。

地震の大きな揺れにより、中に置いている備品が
大きく動き、窓を突き破ってしまったようで
倉庫の窓の補修が必要となりました。

さらに、8月末には台風10号が宮崎県に接近し
宮崎県に限らず、日本中いたるところで、風雨
による大きな被害が発生しました。

台風直後も、すぐに現地管理会社が発電所の点検を
行いましたが、幸い台風によるこちらの発電設備へ
の被害もありませんでした。

今回は、幸いにも地震、台風ともに大きな被害は
ありませんでしたが、別の発電所では、落雷の
被害がありましたし、今後も日本各地で、様々な
災害が起こることは避けられません。

しかし、近年、太陽光発電所では、なかなか保険を
引き受けてもらえないのも現状です。

保険契約が出来たとしても、補償の範囲は限られて
おり、特に地震は、特約もつけられず、被害が出た
場合も、保険適用が出来ない事も多いです。

発電所の運営に限らず、私達の日常生活においても
大きな災害が起こらないことを願うばかりです。

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DSCR計算時のオペレーティング費用の扱い

プロジェクトファイナンスの際、資金繰の健全性チェックのため
四半期毎にDSCR計算をすることが一般的です。

DSCRは、一定期間の『営業CF』が、対象期間の元利金支払い
どの程度余裕あるかを示す指標です。

毎月の手取り給与が30万円で、食費等の必要な生活費を10万円とすれば
残り20万円で住宅ローンを支払います。毎月のローン支払いが
10万円の場合、DSCRは20万円÷10万円(ローン支払)=2が
DSCRになります。

DSCRは、数値が高いほど良く、例えば、DSCR基準値を、1.2以上
など一定値以上に設定しています。

この計算方法で、問題となるのが、『営業CF』計算時の
オペレーションコストの算出です。この算出は
契約書記載の計算方法の解釈で、差が出ることがあります。

オペレーションコストに消費税を含むか否かは
契約書のDSCR計算定義に記載していることが一般的で
税抜で計算すると記載するケースが多いと思います。

投資対象がオフィスビル等でSPCが課税事業者で支払った
消費税が満額還付されるようなケースでは、オペレーションコストは
消費税申告時に精算され、税抜で問題ありませんが、
投資対象がレジ物件で消費税が還付されないケースでは
オペレーションコストは、税込で計算することが正しいと
思いますが、計算方法の定義で、そこまで意識していない
案件も散見されます。

この他、オペレーションコストの範囲に振込手数料は含むか
また、年次計画記載のオペレーションコストより算出するなど
案件によって、その定義が異なります。

この点は、アセットマネジメント会社と十分打合せをしながら
計算書を作成しております。

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1つのSPCで複数資産を投資対象とする場合

 1つのSPCで複数の不動産や発電所を投資対象とする案件もあります。
その場合、SPC会計ではどのような対応が必要でしょうか?
私どもの事務所では、投資対象毎に部門を設定し、
物件毎の収益性などが一目で分かるような経理処理体制を採用しています。
物件毎に財産を分別管理するためにも会計上の部門設定は有効と思います。

 部門設定した際、問題となることは、
ある部門の預金口座で他部門に属するような部門を跨ぐ取引をした場合、
どのように経理処理をすれば良いでしょうか。
部門別の貸借対照表を作成し、貸借を一致させるには、
部門を跨ぐ取引があった場合の対象方法としては

  • どちらかの部門に属する取引とみなして経理処理する。
  • ダミーとなる部門を設定して、貸借を一致させる。

のいずれかの方法を採用することになります。

 例えば、消費税還付額がある場合も部門を跨ぐ取引になります。
消費税の課税取引は、各部門で発生し、消費税還付額も各部門で計上されます。
一方で、還付口座は1つの口座しか指定することは出来ず、
還付取引はいずれかの部門に属することになります。
そのため還付金を各部門に振り分けるなどして、
部門別の消費税還付額(未収消費税)を精算する作業が必要となります。

このようにSPCに部門設定をした時は、物件別の採算性は見やすくなりますが、
細部の実務では、悩ましい問題が発生します。

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営業者口座ないSPCの営業者報酬の計上

SPC案件では、メイン口座(事業用口座)、リリース口座、営業者口座
など、役割に応じて、銀行口座を開設するケースが一般的です。

メイン口座は、賃貸収入(信託配当等)の受取り、借入金の
元利金支払いなど、SPC事業の中心となる資金の授受を
行います。

リリース口座は、AM報酬や、投資家への配当金支払など
最も劣後する支払いをメイン口座から資金振替を受けた後に
行います。

営業者口座は、①資本金の受入 ②メイン口座から営業者報酬(匿名組合契約に
記載されています。)の受取 ③法人税の支払
を行います。

このように、銀行口座を分けているSPCでは、資金の移動内容が
預金口座を見れば分かるので明確です。

なかには、上記のように複数の口座を持たずに1つの銀行口座で
進んでいるSPCもあります。

そのような場合 営業者報酬の精算による銀行口座間での
資金移動は行いません。匿名組合決算のために、営業者報酬の計上は
必要です。そのため、匿名組合部門営業者部門を設定し
営業者報酬相当営業者部門が匿名組合部門に未収計上し、匿名組合
部門
未払計上する 経理処理で対応します。

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