正常価格と特定価格
不動産鑑定では、鑑定評価額の
種類として、正常価格、特定価格、限定価格、特殊価格の
4種類がある。
そのなかでも比較的目にするのが、正常価格と
特定価格のため両者の関係について
説明しておきます。
正常価格というのは、特段の条件設定もない
前提での市場価格で、標準的な価格です。
一方、特定価格は、法令等の要請で
正常価格での前提条件を満たさない場合の
価格です。
一般に、不動産を証券化する際の
鑑定評価では、DCF法による価格を
鑑定評価額とすることから
(正常価格であれば、DCF法だけでなく、積算価格や
比準価格も考慮するので)
特定価格とすることが、あります。
しかし、証券化におけるDCF法による鑑定評価額を
どの鑑定業者も、特定価格としているわけではなく
正常価格として評価書を作成しているケースも
見られます。
これは、特定価格と表記すれば、正常価格との
関係を説明しなければならないことや
証券化の対象不動産の場合、DCF法による価格が
まさに市場価格(=正常価格)であるため
だそうです。
この特定価格・正常価格の議論は、鑑定士の
中でもいろいろな考えがあるようですが
証券化における不動産鑑定評価額で
特定価格と正常価格との間で、大きな差は
ないものと思います。