メガソーラーの事業価値

今年、7月の全量買い取り制度開始から
メガソーラーが日本全国各地で、設置が
進んでいることは、ご存知の通りです。
 
今は、メガソーラーの建設ラッシュが続いており
数年後もしくは、来年には、落ち着くことが
予想されます。
 
そのようになったとき、メガソーラーを
売買することが予想されます。
その時に、問題となることが2つ
予想されます。
 
1つは、売買価格についてと
もう一つは、売買の形態です。
 
今日は、まず売買価格について
触れてみたいと思います。
 
まず、メガソーラーですが、これは
不動産ではありません。登記もできないので
動産です。
では、動産の価値は、どうして計算することかと
言いますと、メガソーラーは
収益を生む動産(機械設備です。)
売主も、買主も、メガソーラーの建設コスト(原価法)よりも
収益水準を考慮するでしょうし、
売買市場もほとんどないことから
取引事例価格(市場性)から算出ことも
ないと思います。
 
ですから、収益方式、具体的には、DCF法により
価格を算定することになろうかと思います。
DCF法は、不動産鑑定でも使っている方法なので
不動産鑑定士の中には、メガソーラーの
鑑定評価を検討している方もいるかもしれません。
 
しかし、メガソーラーは不動産と決定的に
異なることは、不動産ではないので、法的安定性は
低いということ。
また、対象が不動産ではないので、不動産鑑定士の
独占業務になりえないということです。
 
そして、何よりも重要なことは、メガソーラービジネスの
全貌を把握することです。
ビジネスを理解しないと、そこでのリスクがわからず
将来収益の安定性や実現可能性の検証ができない
ということです。
 
メガソーラーの収益価値を算出するには
メガソーラービジネスを理解することが
大きな前提条件になります。
 
 

メガソーラー税務

メガソーラーで売電事業を行う
事業者の場合、一般的な事業者と
比べて、異なる税金負担を要します。
 
それは、法人事業税と、地方法人特別税が
一般的な事業者の場合、所得に応じて
発生するのに対し、メガソーラー事業者の場合
売電売上に応じて、おおよそ1.3%程度(地方自治体に
よって税率は異なります。)の税負担が必要となります。
 
この税金は、損金算入できる税金ですので
法人税や、法人地方税とは異なる性質の税金です。
 
メガソーラー事業の採算性のシミュレーションを
する場合、この税金も加味して行う必要があります。
 
全体から見れば、さほど大きな税負担には
なりませんが、長期的な損益予想をする場合
これを入れ忘れると、結果が異なってくる
ことになりますので、注意が必要です。

メガソーラーでのSPC利用

全量買取制度が始まって、3ヶ月程度ですが
メガソーラーの着工は順調に進んでいるようです。
来年3月までは、買取価格税込42円/kwhのため
3月末までは、着工案件も多く出て来ると
思います。
 
メガソーラーへの投資の場合、10年以上の
長期スパンでの投資になるということ
当初の投資額は、それなりの金額になること
などから、SPCを使って、本体の事業とは
切り離して、行うことにメリットがあります。
 
つまり、自己資本比率を低めることなく
投資利益を得るSPCスキームには
金融機関との取引や、建設業でのポイントに
大きなメリットがあります。
 
また、売電事業による収益を明らかにするためにも
SPCを利用することで、売電事業のみの
収益が浮き彫りになることもメリットと言えます。
 

メガソーラー事業への参入

先月から再生可能エネルギーの
全量買取制度(日本版FIT)の導入により
メガソーラー事業に参入する事業者が
相次いでいます。
 
その魅力の一つは、設置後20年間
現行では、42年/KWで、電力会社に
発電した全ての電気を買い取って
もらえることにあります。
 
資源エネルギー庁の資料では
IRR(内部利益率)6%程度として
いますが、費用等を、やや高めに
設定した利益率で、実際のところ
10%程度の利益率が得られる見通しです。
 
長期の投資になりますが、10%の
利益が見込める投資は、見渡しても
そうはありません。
各事業者が、参入に積極的な
利用はよくわかります。
 
メガソーラー事業は、日本の国策事業でも
ありますし、株式投資の格言でも
『国策銘柄に売りなし』というように
国策事業は、明るい見通しを
持って良いと思います。

メガソーラーファイナンスのリスク要因

最近の新聞報道でも、ほぼ毎日の
ようにメガソーラー設置に関する
記事を目にする。
 
ソーラーパネルの設置個所は
大きく、屋根の上と、土地の上に
置く方法に分けられる。
 
そのいずれも、リスク要因を抱えている。
まず、屋根の場合、構造上、パネル設置の
重量に耐えられるかという点。
法的な側面では、ソーラーパネルは
機会設備つまり動産であり、不動産のように
登記をして所有権を第三者に表示する
方法がないという点が上げられる。
更に、屋根を構成する建物が焼失した場合
パネル設置が出来なくなることが想定されます。
 
一方で、土地の上においても、機会設備である
ソーラーパネルには借地借家法は適用されず
設置契約の長期的な維持が出来る法整備が
なされていないなど、やはりリスク要因が
ある。
 
このようなリスクには、保険や途中での解約には
違約金を高く設定するなどで対処する方法も
あるが、これらはコストアップに繋がり
利回りの低下にも繋がる。
 
複数箇所のソーラーパネルを設置することで
リスクが分散されるトータルとしての利回りは
安定化する方法も考えられる。
 
今、ソーラーファイナンスに積極的な金融機関は
リスクの洗い出しや、ソーラービジネスでの
トラックレコードの把握に注力しているようです。
 
厳しい経済環境が多い中、メガソーラー事業は
当面の所、明るい光が見えています。
 

全量買取制度

7月1日から再生可能エネルギーの
全量買取制度が始まりました。
 
この制度は、例えば、太陽光発電所の
場合、発生した電力はすべて、電力会社に
買い取らせる義務を負わせる制度です。
 
来年3月までは、太陽光発電の場合
向こう20年間は、消費税込42円で
電力会社が買い取ってくれます。
 
仮に、7月に完成した発電所は、向こう20年間は
42円固定で、電力会社が電気を買い取ってくれます。
 
7月1日のニュースでは、京都市内の敷地に
稲盛さんとソフトバンクの孫さんが同席の上
太陽光発電所の開業式典に出席されて
いました。
 
太陽光発電は、簡易な設備で、CO2を
ほとんど輩出しないで、電気を発生出来る
画期的な発電方法です。
 
この制度は、未来永劫続く制度ではなく
再生可能エネルギー導入を進めるため
当面3年程度は、発電業者に利益が
出るように、比較的高い、買取価格が
設定され、3年後には、買取価格も見直され
現行で想定される利益は発生しないと
予想されます。
 
ここ数年間は、全量買取制度に合わせた
太陽光発電所の設置は、進むと
予想されます。

太陽光発電 REIT

太陽光発電等による売電収入に
担保とする「太陽光・風力投信」の
創設に、政府が検討に入ったようです。
 
 
太陽光発電ビジネスは、私の知るところでは
5~10%程度の収益を生むビジネスで
その安定性から見ても、有望な投資先です。
 
ただ、投資資金の回収に10年程度
要することから、早期に回収したい
投資家には、躊躇するところがありました。
 
おそらく、不動産リートのようなものが
創設されると思うのですが、その場合
早期に投資資金を回収したい投資家にも
その道筋が出来るので、資金を集めやすく
なることに、違いありません。