特定目的会社の繰越欠損金控除額
JUGEMテーマ:会計・経理・財務
法人の会計業務に携わる方でしたらご存じでしょうが、
ある会計期間に税務上の欠損金(損失)が発生した場合は、
その欠損金を翌期に繰越し、翌期以降の課税所得から控除することができます。
ある年の所得が マイナス100万円で、その次の年の所得がプラス100万円だった場合、
その年の所得から前の年の損失を引くことができるので、
今期分所得100万円 マイナス 前期分損失100万円で、その年は、所得0円。法人税も0円です。
ある年に大きな損失が出てしまって、次の年の利益からマイナスしても引ききれない場合、
10年間は損失を繰り越すことができます。
最初の年の所得が マイナス1000万円で、次の年からは毎年300万円の利益が出た場合、
翌年の課税所得 300万円 - 300万円=0円 繰越欠損金700万円
2年目の課税所得 300万円 - 300万円=0円 繰越欠損金400万円
3年目の課税所得 300万円 - 300万円=0円 繰越欠損金100万円
4年目の課税所得 300万円 - 100万円=200万円 繰越欠損金0円
というように欠損金がなくなるまで課税所得から控除することができます。
10年間繰越しても控除しきれなかった場合は、
残念ながら11年目には繰越欠損金は0円になってしまいます。
ただし、上記のように欠損金を全額控除することができるのは中小法人等の特例です。
原則では、所得の50%までしか控除をすることができず、残りの50%には課税されます。
上の例で、大会社だった場合、
翌年の課税所得 300万円 - 300万円x1/2=150万円 繰越欠損金850万円
2年目の課税所得 300万円 - 300万円x1/2=150万円 繰越欠損金700万円
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6年目の課税所得 300万円 - 300万円x1/2=150万円 繰越欠損金100万円
7年目の課税所得 300万円 - 100万円 =200万円 繰越欠損金0円
というように繰越欠損金を使い切るまで2倍の時間がかかります。
特定目的会社は、資本金が大きい会社が多く、
資本金1億円以下の中小法人には当てはまらない会社も多いのですが、
特定目的会社は資本金の額にかかわらず、
特例を使って中小法人と同様の処理を行うことができます。
特定目的会社には、株式会社にはない優遇制度がいくつかありますが、
この点も優遇措置の一つです。
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