太陽光発電所の減価償却費の見直しについて

担当しておりますSPCに太陽光発電所が
ございます。

こちらの発電所は、かなりの売電収入が
ありますが、発電設備も大きいため減価
償却費が大きく、売電開始後も赤字が
続いておりました。

そこで、今期より発電設備の減価償却費を
見直すこととしました。

通常、太陽光発電設備のパネル等の機械設備
の耐用年数は税法上17年と定められています。

また、機械設備の減価償却は、通常定率法が
用いられます。

しかし、発電事業を行うSPCでは、定率法では
当初の償却費が非常に大きくなるため、定額法
で届出し、償却していくことが多く、こちらの
SPCでも、定額法を採用しております。

減価償却費は、税務上の償却限度を上限とし
任意に計上することができますので、こちら
のSPCでは、十分な設備メンテナンスをしており
税法の耐用年数17年以上でも使用が可能と判断し、
耐用年数を見直すことで、減価償却費が減額され
黒字化しました。

但し、減価償却費を減額した場合、借入を
している銀行等より、耐用年数が長期化するなど
償却費が減少する理由についての説明
を求められることがあります。

ですので、減価償却費を見直す場合には
『法定耐用年数より、実際の設備の劣化が
遅いため、耐用年数を見直した』等の理由と
『良好なメンテナンス状況や、設備の残存耐用年数等を
示す資料』をあらかじめ準備しておく必要があります。

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 税理士法人 淀屋橋総合会計
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太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度

2022年7月から 太陽光発電事業者には
廃棄費用の積立制度が開始します。
制度の概要は、次の通りです。

fip_document03.pdf (meti.go.jp)

(主な内容)

・毎月受取る売電収入から一定額を控除
されて強制的に積み立てをする。(給料の源泉税のような仕組)

・FIT期間終了10年前から積立(控除)が開始する。
・積立金の計算方法は、下記の表を参照(概ね 売電収入の4~6%)

・積立金は、発電事業者が、発電所を廃棄する時の廃棄費用に充当されます。

この積立制度開始後の、太陽光発電事業者は、次のような会計処理をします。

(預金)  95  (売電収入)100
(積立金)  5

従来のFIT制度によって、発電事業者のローン返済計画、投資家への配当計画を
立てている場合、積立制度の開始により、計画変更を検討するケースも
出て来ると思います。

また、新たに太陽光発電事業を開始する事業者は、買取が開始してから
11年目には、積立制度があることを考慮して、資金計画を立てる必要が
あります。

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