メガソーラー事業の開始条件
再生エネルギーの全量買取制度により
再生エネルギーの全量買取制度により
昨年7月から始まった 全量買取制度
昨年7月からの日本版FITの導入で
メガソーラー事業は、売電収入が
安定期的に見込めるため、一見
プロジェクトファイナンスに
適しているかに思えます。
資金調達を受けたい事業者は
そのように考える傾向にあります。
しかし、プロジェクトファイナンスの
場合、プロジェクトに参加する
事業者、つまり、メガソーラーの
メンテナンス業者、設置工事業者
ソーラーパネルの製造業者(性能
保証をする事業者)、保険会社等の
信用力が、ファイナンスに大きく
影響します。
そのため、仮にプロジェクトの
収益性が良くて、採算が見込めるもので
あっても、関連するプレイヤーの
事業遂行能力などが、求められます。
にわかに、メガソーラービジネスに
参入しても、なかなかファイナンスを
受けられないこともよくあります。
そういった意味では、信用力のある
プレイヤーと組むということが
プロジェクト実現のための
大きなカギになります。
メガソーラービジネスは、参入障壁が
低いため、様々な事業者が参入して
きていることは、先日触れた通りです。
一方で、中小企業の場合、自己資金で
メガソーラーを設置出来ることは少なく
ファイナンスを受けることが、多いです。
ところが、そのファイナンスが、なかなか
うまく話が進まず、苦慮されている企業も
多くあります。
プロジェクトファイナンスでの資金調達を
希望される事業者さんが多いです。
それは、メガソーラー事業の場合、
ソーラーパネルが設置されれば、安定した売上収入を
予想することが出来て、プロジェクト収入だけで
採算を見込むことが出来るためです。
しかし、金融機関がプロジェクトファイナンスを
実行する際には、プロジェクト実行のリスクを
洗い出して検証を行います。
具体的には、ソーラーパネルの製品保証
メンテナンス契約の内容、自然災害に対する
付保状況等です。
これらのリスク要因に対して、どのような対処を
しているかが、融資実行の条件になります。
ですから、にわかにメガソーラービジネスを
初めて、参入しても、その事業を
末永く、続けて実行できる見込みがないと
融資実行も、おぼつきません。
昨年から、多くの企業がメガソーラー
ビジネスに参入してきました。
従前から発電事業に、関与してきた
事業者のみならず、広大な土地を持つ
事業者、遊休地を持つ宅地開発業者
ゴルフ場運営会社、金融関係の会社
太陽光パネル販売会社、マンション等の
管理会社など、様々な事業者が
参入してきました。
言い換えれば、それだけ参入障壁が
低いビジネスとも言えます。
さほど高いノウハウが無くても
敷地さえ確保出来れば、よほどの
僻地でなければ、メガソーラーを設置
すれば、それなりの採算性を確保出来ます。
そのため様々なジャンルの事業者が、
参入してきました。
ただ、参入しても大規模なメガソーラーを
設置する場合、ネックになるのが、資金調達です。
何億、何十億もの資金が必要な場合
大企業であれば、容易に資金調達が出来ても
中小企業や資金調達実績が少ない企業の場合
資金調達のポイントで、事業がストップする
場合があります。
そのため、用地を確保し、設備認定を受けたが
肝心のメガソーラー設置工事資金が調達できず
メガソーラーの権利(敷地の所有権、設備認定を
受けた権利)を第三者に売却することを
考えている事業者もいます。
ただ、このようなビジネスの売買事例は
まだそう多くないことから、売買価格は
いかほどが適切であるかは、事例の蓄積や
メガソーラービジネスの収益予想の
精度が高まると価格算定方法も確立してくる
でしょう。
昨年7月から始まった再生可能エネルギーの
固定買取制度。買取単価は、今年3月までに
設備認定を受ければ、40円(別途消費税)ですが
4月以降は、約10%引き下げられ、37~38円程度に
落ち着きそうです。
買取単価が、10%低下すると利益率のIRRも
10%低下するかと言えば、そうではなく
それ以上 IRRが下落すると予想されます。
その理由は、メガソーラーの収益構造として
固定費の割合が高いので、買取単価が10%下落すると
IRRが仮に10%としたところ、9%ではなく
8%や7%などまで下落することが、予想されます。
その結果、ソーラービジネスに売電事業に
参入するメリットは、従前よりも低くなり
参入業者も、絞られると思います。一方で
EPC業者(太陽光発電設備設置業者)の
利幅は削減することが予想されるとともに
40円の単価が維持される今年の3月末に設備
認定が集中することが予想されます。
とはいうものの、買取単価が下がったとしても
メガソーラービジネスが、消滅するわけではなく
案件が、採算の取れるものに絞られることに
なろうかと思います。
メガソーラー設備の資金調達方法には
いろいろな方法があります。
なかでも、プロジェクトファアイナンスで
資金調達をされたいと考えている企業が
多いようです。
資金が潤沢にあれば、手元資金や
コーポレートで調達した資金で、投資を
すれば良いのですが、当初多額の資金が
必要なメガソーラーの設備資金の
調達苦慮している企業も、多くあります。
プロジェクトファイナンスなら、プロジェクトに
事業性があれば、資金も調達できます。
メガソーラーの場合、全量買取制度で
向こう20年間の売電収入の予想は立てやすく
その確実性も、かなり高いものとなります。
とは、いうものの、設備認定を受け、電力会社と
特定契約(売電契約)を締結出来たからといって
売電収入が、100%確実に得られると決まった
わけではありません。
例えば、パネルの劣化、破損、紛失、
電気系統の故障、土地設置型の場合
地権者との権利関係など、ソーラービジネスを
安定的に続けるにあたって、阻害要因となるものも
いくつかあります。
それらの阻害要因に対する対策を立てていることが
プロジェクトファイアナンスで資金調達を
するための、条件の一つとなります。
今年7月に始まった再生可能エネルギーの
買取価格42円で、電力会社と契約するには
来年3月までに、経済産業省に設備認定を
受け、電力会社との契約を締結しなければ
なりません。
その起源から逆算すると、今月末頃までに
経済産業省に申請を出さないと、来年3月には
間に合わないようです。
ですから、12月末が、42円の買取価格を
受けるための事実上の最終期限となって
きています。
経済産業省には、毎日多くの申請が
出され、その両もかなり膨大になってきている
ようです。
一方で、メガソーラーが多く設置された
ことから、パネルの価格も下落傾向で
初期投資も、少なくても可能となって
きています。
そういった意味では、今が投資効率の上では
最も良い時期かもしれません。
メガソーラー敷地は、広大な面積を
要することから、地価の安い山林や
農地などが使われることが多くあります。
メガソーラーの全量買取制度導入前では
ただ同然の価格でしか取引されており
ませんでしたが、この制度が導入されて
以来、メガソーラー最適地は、ソーラー
バブルといわれるように、高い価格で
取引されるようになっています。
では、不動産鑑定の角度から見て
ソーラーバブ価格で取引される
土地価格は、どのような価格とみるべきでしょうか?
再有効使用という観点からは
メガソーラー敷地として利用することが
もっとも価値が高いのであれば、
メガソーラー敷地としての利用が
最有効使用であり、それが正常価格とも
言えます。
一方で、ソーラーバブル価格はいつまでも
続くものではなく、これから数年間の
期間限定での価格となります。
つまり、全量買取価格が高めに設定される
残り2年半程度の期間に限定される
価格ということではあれば、正常価格とは
言い難い価格と言えます。
地方のメガソーラー敷地の所有者には
メガソーラー成金が現れているとも
聞きますますが、それも、ここ数年の
期間限定のことと思います。