コロナ特例による令和3年度の固定資産税・償却資産税の減免申請について

コロナ感染症の影響で事業収入が減少している
中小企業・小規模事業者については、
令和3年度の固定資産税(家屋)と償却資産税が減免されます。

令和2年2月~10月までの間で、
任意の連続する3ヶ月間の事業収入が
前年同期比の30%以上50%未満減少の場合は50%、
前年同期比の50%以上減少の場合は全額が減免されます。

私どもの顧問先様の中にも
全額減免に該当するところがございますので、
申請の準備をすすめております。

申請するには、各地方自治体の申請様式に
必要事項を記入し、認定経営革新等支援機関等に
以下の事項等について、確認依頼する必要がございます。

・中小企業等であること
・事業収入の減少
・減免対象の固定資産が事業用家屋であること

確認完了後、経営革新等支援機関等により、
申請書の確認欄に記入・押印がされます。

弊事務所の税理士も経営革新等支援機関等に
認定されておりますので、顧問先様の確認作業は
弊事務所の税理士がおこないます。

そして、確認を受けた申請書と必要書類を
各地方自治体の担当課へ提出します。

申請書の様式は、10月初旬ごろから、
多くの地方自治体のホームページで
掲載が開始されております。

申請書の提出期間は、令和3年1月の
1ヶ月間ですので、まだ先にはなりますが、
既に、事業収入の減少が確定しており、
減免対象となる場合は、早めにご準備されることを
おすすめいたします。

コロナ感染症に伴う賃料猶予の消費税経過措置について

担当させていただいておりますSPCで
ホテル賃貸業をされているところがございます。

こちらのSPCでは、テナントと
2019年3月から20年の賃貸借契約を
締結しております。

契約時の消費税率は8%で、
2019年10月以降の増税後も消費税の
経過措置の適用となる契約でした。

先日、テナントからの依頼により、
コロナ感染症による宿泊客の激減のため
賃料の一部を半年間猶予する覚書を締結しました。

通常、賃料を変更する場合、
消費税の経過措置は適用されませんが、
賃料の変更が「正当な理由による」場合は、
経過措置が適用されます。

今回のコロナ感染症による減額は、
「正当な理由による」と認められるので、
消費税の経過措置が適用されます。

こちらのSPCでは、賃料の減額ではなく
一定期間の猶予ですが、猶予の場合も同様に
消費税の経過措置が適用されます。

但し、消費税の経過措置が適用されるためには、
賃料の変更や猶予の覚書を作成する際に、
コロナ感染症による減額や猶予だと言うことを
明記しておく必要があります。

賃料減額交渉で、知っておくべきこと。

新型コロナウイスル問題で、経営が苦しい飲食店や宿泊施設が多く出ております。人件費は、雇用調整助成金で一定の補償がありますが、家賃については、このブログを書いている時点では、正式な補償はありません。

仮に、現行賃料の減額を交渉する場合、どの程度の賃料減額を見込むことが出来るかお話ししたいと思います。

ここからは、あくまで不動産鑑定の実務や理詰めで交渉する時に考え方をご紹介します。

実際のところ、賃料は当事者間の契約内容に係ることで、当事者間の話し合いで決まるものです。

では、賃料の減額交渉をする際には、当初締結した賃貸契約がベースになります。そこで決まった賃料から現時点までの時間の経過により、賃料相場の変動(仮に、10%の下落があったとすれば、10%マイナス)相当を減額することになります。ここでの賃料を不動産鑑定では、『継続賃料』といいます。

一方で、今後新たに賃貸契約を締結する時に賃料を『新規賃料』といいます。昨今のようなコロナウイルスで景気が悪い時では、景気が良いときに締結した『継続賃料』>『新規賃料』となる傾向があります。

そのため、現時点で締結する賃料より高い賃料(継続賃料)で妥結せざるを得ないことが多くあります。

この点は、賃料の減額交渉をする際には、知っておいた方が良いと思います。

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解雇予告手当の処理

新型コロナウイルス感染拡大で、一部の企業ではやむなく従業員を解雇するケースもあります。解雇には、法的にいろいろなハードルがありますが、ここでは、解雇の際に、事業者が支給する解雇予告手当について、注意すべき点をおはなします。

従業員を解雇する場合、1ヶ月前に通知をしなければなりません。やむなく、即日解雇する場合、解雇予告手当として、30日分の給料を支給しなければなりません。これが、解雇予告手当というものです。

これは、労働の対価ではなく、退職に伴い支給するもので、所得税では、『退職金(退職所得)』として、扱われます。企業が退職金を支給する際には、次の点がポイントになります。

  1. 退職者から『退職所得申告書』へ記名・押印をもらう必要があります。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/2801h331.pdf  (書式)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_37.htm (手順)

https://www.nagoya-kyosai.jp/images/pdf/taishoku-sinkokusho-ex.pdf (記載例)

事業者は、申告書を保管しておきます。

  1. 退職金(解雇予告手当)支給者には、『退職所得の源泉徴収票』を作成し、交付します。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/pdf/h31/23100052-02.pdf  (書式)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100052.htm  (手順)

3 退職所得の所得控除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732.htm  

退職所得の場合、通常の給与所得より所得控除額が大きくなります。そのため、退職者に所得税の発生額が少ないか、もしくは全く発生しないことになります。

ただ、このように退職所得の控除額が大きくなるのは、1の『退職所得の申告書』を従業員から提出を受けていることが前提です。もし、提出を受けていない場合は、解雇予告手当(=退職金)の20.42%を控除した残額を、退職者に支給することになります。

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