不動産投資タグ

取得価額の範囲

不動産ファイナンス案件の際、不動産の取得価額について、
論点になることがあります。
これについて、会計上、税務上の整理をしておきたいと思います。

税務では取得原価に組み入れなければならない項目を定めていて、
それ以外のものを組み入れても問題になることはありません。
取得価額に組み入れることで将来の減価償却費計所時点までに
費用処理が繰り延べられるからです。

税務では不動産の売買代金と仲介手数料、そして売買時に精算される
固定資産税が取得価額に含めるように定めていて、例えば、司法書士報酬や
登録免許税等を費用処理しても、取得価額に含めても問題になることはありません。

一方、会計では不動産を取得に要したものを、取得価額に含めるべきとし、
税務のようにものと明文化されたものはありません。
その点では、会計上の取得価額の範囲は、案件によって異なります。

一般的には、税務上の取得価額に含めるべきものは、取得価額に含めることは
必須として、司法書士関連費用、ローン手数料、弁護士費用、不動産取得に関する
アセットマネジメント費用は取得価額に含めるケースもあります。
それ以外に、これらの費用を長期前払費用として、例えばローン期間に応じて
償却するというケースもあります。
 
会計監査を受けるSPCの場合、会計監査担当会計士によって、取得価額の範囲が
問題となることもあります。
事前に監査担当会計士とは、擦り合わせをしておくことが大切と思います。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
 税理士法人 淀屋橋総合会計
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レジ案件での控除対象外消費税

居住用賃貸マンション(レジ物件)への投資案件で
建物に係る消費税は、取得時には控除出来ないことは
ご存知の通りです。

税抜経理の場合、控除出来ない消費税は、一定の
期間で償却されます。この場合の償却方法は
60ヶ月(5年間)で償却する方法が、一般的です。

一方で、レジ物件の取得に係る控除対象外消費税を
60ヶ月で償却すると、各年度の償却額が、多額に
なることがあります。

その結果、投資利回りが低下し、投資としての魅力が
劣ることになります。

控除対象外消費税は、60ヶ月で償却の他、対象不動産の
取得価額に含めて、建物等の耐用年数に応じて
償却する方法も可能です。

今の消費税制度では、レジ物件の取得時に支払う
消費税は、控除(還付)対象にはならないので
取得費用の一部という理解で、特段問題ないと
思います。

この点は、オフィスビル等への投資と異なり
消費税の経理処理には、大きな差があります。

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不動産会社の事業戦略とSPC

不動産会社の事業には、大きく分けて2種類のものがあります。

① 仲介手数料、建物管理報酬等のフィービジネス

② 不動産を開発して販売したり、自己保有物件を売買することで売却益を得るビジネス

があります。

①の場合、借入金等は無くても自己資金だけでも出来ます。

②の場合、まとまった資金が必要なので、借入が必要となります。

一般的な会社は、①と⓶のビジネスを1つの会社で混在させて行っているケースが

多くあります。その結果、①で得た手数料収入を、不動産投資に回すなどして

①と⓶のビジネスで資金が混在して利用することになります。

その結果、自転車操業が蔓延化し、安定した経営が出来ていない会社もあります。

SPCは不動産投資をプロジェクト毎に分けることが出来て

投資不動産から得る資金を直接他のプロジェクトや事業に

転用出来ません。

そのため資金の流れが明確になり、上述のような資金が混在することが

なくなります。

不動産会社が継続して、安定成長をするには、不動産投資資金と

手数料等のフィービジネス収入を分けて管理出来るか否かが

ポイントとなります。

そのために、SPCを利用し資金管理の透明性を

確保しようとすることもあります。

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