弊事務所のインボイス登録の現況について

2023年10月より、インボイス制度が開始
されます。

先日、弊事務所の管轄税務署から顧問先への
インボイス制度についての説明や顧問先の
登録申請状況について、確認がございました。

弊事務所では、昨年の登録申請開始以前より
顧問先やSPC案件ごとにインボイス登録に
該当するかどうかを判断し、それぞれのご担
当者様へインボイス制度や手続きについて
税理士よりご説明をしてまいりました。

登録申請開始直後には、登録申請に着手して
おり、すでに登録が必要な顧問先やSPCに
ついては、ほぼ登録申請の手続きが完了して
おります。

現在は、顧問先やSPCそれぞれの取引先に
インボイス登録番号を通知する作業を開始
しているところです。

今後は、開始までの1年間で、顧問先やSPC
が発行する請求書への登録番号の記載やまた
受け取る請求書の内容確認を進める予定です。

まだ先の話のようですが、税務署のお話では
まだインボイス登録申請をされていないところ
が多く、間際になると申請が殺到し混雑が予想
されるとのことですので、該当される場合には
早目に着手されるのが良いでしょう。

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適格請求書とは

 インボイス制度開始後、消費税の仕入控除に必要な『適格請求書』とは、
 次のようなものです。

 大きなポイントは、請求書に、事前に税務署に登録申請をして付された
『登録番号(T+法人番号)』を付すことにあります。  
 それ以外は、取引内容や消費税率、消費税額を明示する従来の請求書にも記載のあった内容です。

(出典 国税庁ホームページより)

【適格請求書】
・発行元、請求先、日付、金額、税率等は従来の請求書の記載内容と同じ。
・一番のポイントは、登録番号の記載
・登録の有無は、国税庁のホームページ等で、登録番号等で検索可能となります。

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新規設立SPC(インボイス登録)

インボイス制度が開始する2023年10月から、
インボイス登録事業者になるには、2023年3月までに、
税務署等に登録手続を完了しなければなりません。

一方で、SPCはプロジェクトの立ち上げに応じて、設立するので、
例えば、2023年6月に新設のSPC(会社 3月決算)を設立するケースもあります。
そのような場合、インボイス登録は、いつまでにすれば良いのでしょうか?

このような場合、SPCの最初の消費税計算期間
(例 2023年6月設立のSPCで、2024年3月が最初の決算月の場合、2024年3月まで)
までに、登録申請をすれば、設立時から、インボイス登録がされていると、扱われます。

インボイス登録は、基本的には事前申請となっていますが、
新設法人の場合は、最初の消費税課税期間終了まで登録可能となっています。

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インボイス制度・導入スケジュール

インボイス制度の導入開始は、2023年10月で、しばらく日数があります。
そのため、随分先のことと思いがちですが、経理作業の事務的対応のためには、
一定の準備が必要です。

   年  月 主な内容
2021年(令和3年)10月登録申請受付開始
2023年(令和5年)3月インボイス開始(2023年10月)に、登録事業者となる登録期限
2023年(令和5年)10月インボイス制度開始

 

登録申請は任意で、2023年10月から、適格請求書でなければ、
全額仕入控除出来ない訳ではありません。

登録申請しない事業者が発行する『適格でない請求書』でも経過措置として、
一定期間仕入控除することが可能です。一定の猶予期間の間に検討を重ねて、
インボイス登録申請を判断することも一考です。

【適格でない請求書での仕入控除額(経過措置)】

   期  間 仕入控除出来る割合
~2023年9月100%(現行)
2023年10月~2026年9月80%
2026年10月~2029年9月50%

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インボイス制度とは

2023年10月より、インボイス制度が開始します。

この制度は、消費税の計算の際、
取引先から『登録番号』等の記載ある『適格請求書』を入手し、
保存しなければならないと改正されました。

この『適格請求書』を発行する事業者は、
事前に税務署に『登録』が必要で、
登録されると国税庁のホームページに掲載され、
登録された事業者であるか否かも、
容易に判定できるようになります。

『適格請求書』の発行事業者は、
消費税の課税事業者となり、
消費税申告をする事業者であります。

これによって、従来、年間売上高が
1000万円に満たない小規模事業者は、
取引先に消費税を請求しても、
消費税申告・納税をしないで、
消費税分が利益となるいわゆる『益税』となっていたものを
解消することがこの制度のポイントです。

『適格請求書』を発行しない事業者の場合、
相手先はその事業者に支払った消費税を
仕入税額控除(以下、『仕入控除』)出来ず、税負担が増えます。
そのため、制度開始後は取引価格や取引継続にも
影響を及ぼすことが予想されます。

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インボイス制度が与えるSPCの消費税対応

SPCの投資対象が何であるかによって、インボイス制度への対応が異なります。

『住居用賃貸不動産』を保有するSPCの場合は、年間の課税売上高(駐車場収入等)が、
1000万円に達しないので、免税事業者になることもあります。

2020年10月以降は、消費税改正により、『住居用賃貸不動産』の取得時に支払う
建物価格に係る消費税は、仕入控除出来なくなりました。
そのため、このようなSPCでは、最初から最後まで、
『免税事業者』が望ましいケースがあります。

『免税事業者』が最適なSPCは、
「適格請求書発行事業者」を選択しないので、適格請求書を発行しません。

インボイス制度は、請求書を見れば、その請求書の発行者が、
消費税の課税事業者(消費税を納税等している。)か免税事業者か
一目瞭然になる制度です。

そのため、取引先は、免税事業者に対して、消費税部分の値下げ交渉や、
仕入税額控除(支払った消費税相当を、税務申告で差し引くこと)が
出来ないため(※)、取引をやめて、
他の課税事業者に移行することも予想されます。

例えば、住居用賃貸不動産SPCが免税事業者の場合
、テナントの会社が社宅として、賃借しているケースを想定します。
住居部分は、非課税のためインボイス制度の影響を受けませんが、
駐車場も賃借している場合、駐車場代は、課税取引で消費税を上乗せして、
請求していると思います。

インボイス制度導入後は、テナントの会社は、
駐車場代に含まれる消費税の仕入控除額が出来なくなり(※)、
駐車場代の値引要請を受けることもあります。

インボイス制度は、免税事業者を選択するSPCにとっては、
収益計算でも何らかのマイナスに働く可能性があることを加味しておくことが必要です。

(※)インボイス制度導入から、6年間は一定の経過措置により、
一定の仕入控除は可能です。

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任意組合とインボイス制度

弊事務所(淀屋橋総合会計)では、法人であるSPCだけでなく
任意組合の経理業務(事務管理業務)も担当しております。

具体的には、商業施設の複数の所有者(オーナー)が構成員の
任意組合の経理業務です。

具体的な組合名は、お伝え出来ませんが、マンションの管理組合の
組合員が、複数の事業者で構成されているものです。

この任意組合も2023年10月から開始する消費税の
インボイス制度の影響を受けます。

弊事務所が担当しているに任意組合は、商業施設のオーナーのため
賃料には、消費税を上乗せして、テナントに請求しております。

一方で、任意組合自身は、消費税納税義務者でないため
消費税申告はしておりません。つまり、免税事業者なのです。

現行の制度では、免税事業者でも、取引先に対して、消費税を
上乗せして、請求することに、何ら支障はありませんでした。

インボイス制度が開始すると、免税事業者は、適格請求書(登録
番号等が付された請求書)を発行することは出来ません。

そのため、取引先には、当任意組合が免税事業者であることは、分かって
しまい、更には、取引先は、従来、任意組合に支払った消費税を
仕入税額控除(消費税の申告計算で、控除する)していたところ
2023年10月以降は、控除額が制限され、その6年後には、全く控除
出来なくなります。

そして、取引先は、免税業者である任意組合に対して、消費税の
上乗せについて、反論等されることが予想されます。

もちろん、インボイス制度が始まっても、任意組合は、賃料に
消費税を上乗せして、請求しても構いません。ただ、テナントから
上記のような申出は、予想されます。

なお、任意組合はあらゆる場合で、免税事業者になるわけでは、
ありません。組合員全員が、課税事業者である場合は、
任意組合が、インボイス登録をすることが可能です。

大規模な工事等で、複数の建設会社が、JVを組んだ場合の
組合は、組合員全員が課税事業者でしょうから、そのような場合は
任意組合もインボイス登録をして、適格請求書を発行することも
可能です。その場合でも、一定の届出が必要です。

このように、インボイス制度が与える経理現場への影響は
かなり幅広いものと予想されます。

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インボイス制度の概要

令和5年10月1日から、消費税の仕入れ税額控除の方式は、
適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)に
変更することが予定されています。

詳細な説明は省きますが、消費税の納税額の計算を簡単に説明すると
課税売上100+消費税10で、課税仕入が70+消費税7の会社は、
預り消費税10-仮払消費税7=3の税金を納税します。

つまり、『預かった消費税』-『支払った消費税』=『(消費税)納税額』
というのが基本的な考え方です。

制度が始まれば、引き算の『支払った消費税』にカウントされるのは、
「適格請求書発行事業者」からの仕入れだけということになります。

この「適格請求書発行事業者」になるには、事前に税務署に当事業者は、
「適格請求書発行事業者」になる旨の『届出』をしなければなりません。

同届出をすれば、自動的にその事業者は、『消費税課税事業者』になります。

従来、年間売上が1000万円に満たない小規模事業者は、
『消費税の免税事業者』として、取引先からは消費税を請求していても、
消費税の申告・納税はせず、納税しない消費税は『益税』として、
小規模事業者の利益になっていました。

インボイス制度開始後は、適格請求書発行事業者でないと、
取引先が消費税の仕入控除(引き算)が出来なくなります。
取引先が仕入控除するため、
小規模事業者も課税事業者になることを促すことになります。
免税事業者が課税事業者になれば、『益税』の大部分は、なくなることになります。

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2020年10月~ 賃貸住居建物消費税 仕入控除制限

ご承知の通り、昨年2020年10月以降に、賃貸している
住居用不動産の建物取引に伴う消費税は、購入者は
仕入控除出来なくなりました。

この改正は、いわゆるレジ系の不動産ファンドにも大きく
影響を与える改正です。

仮にSPCが課税事業者として、賃貸住居不動産の建物
購入時に支払う消費税は控除(還付)出来なくても、同建物を
売却時に預かる消費税は、全額納付することになります。
(簡易課税は選択しないことを想定)

不動産投資では、利回りを計算しますが、この建物消費税の
を購入時には控除出来なくても、売却時には全額納付すると
相当のキャッシュのマイナスになり、利回りにも影響を
します。

このような税負担を軽減する方法として、2つご紹介します。

① 購入時から3年以内(正確には購入時の消費税の課税期間から
3年以内など、少し複雑な計算がありますが・・・)に、売却する
場合、購入時に支払った消費税の一定割合(『保有期間と売却時の
課税売上』を『同期間の非課税売上と課税売上の合計』で割った割合)を
乗じた額を仕入控除する。ポイントは、3年以内に売却することです。

⓶ 消費税の免税制度を有効に利用して、保有期間中の年間課税売上を
1000万円におさめることで、SPCを永続的に、免税事業者にします。
そうすることで、売却時に預かる消費税を納税する必要がなくなります。
ただし、この制度は、インボイス制度が始まると使えない方法です。
 なぜなら、インボイス制度が本格的に始まると、免税業者が、不動産
売却時に、消費税を預かることは出来なくなります。

商業用不動産やオフィス系不動産では、上記のような論点は出てきませんが
住居系賃貸不動産では、消費税の扱いに、注意が必要です。

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