SPC案件での不動産の取得価格

SPC案件で、案件租税時には、様々な費用が発生します。
会計士費用、弁護士費用、司法書士費用、ローン手数料
不動産鑑定費用、ER(エンジニアリングレポート)費用
不動産調査費用、仲介手数料など様々です。

これらの費用について、不動産の取得価格に含めるかは
1つの論点です。

税務上は、不動産の売買代金と仲介手数料、固都税の精算が
あれば、その精算代金は、取得価格に含むことを求めております。

実務上は、比較的大きな金額になるローン手数料や、弁護士費用を
不動産の取得原価に含めるか、長期前払費用等で、繰延処理
するケースが多くあります。

特に、複数の投資家が存在する案件では、配当を多くするため
取得原価を税務上のものより広く集計し、費用化するタイミングを
建物の耐用年数等に伸ばすケースも多くあります。

SPCが会計監査を受けているケースでは、この不動産の取得価額が
論点になるケースもあり、取得価格の範囲については、会計監査を
担当する会計士と、相談の上、進めることが、望ましいと思います。

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 大阪市中央区高麗橋4-3-7 北ビル7階
税理士法人 淀屋橋総合会計
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居住用住宅の消費税控除

ご存じの方も多いでしょうが、
この10月から消費税法が改正され、
居住用の賃貸住宅の消費税の仕入れ税額控除が
全くできなくなりました。

これまでは、転売する目的で購入した物件は、
居住用であっても
課税売上割合に応じて仕入れ税額控除ができましたし、
保有期間が短期間の場合などは
全額課税売上対応仕入にできる可能性もありましたが、
(平成30年(行ウ)第559号の事例等)
今後は、居住用に使わないことが明らかな物件以外は
仕入税額控除ができないということになりました。

ただし、3年以内に売却した場合等は、
課税賃貸割合に応じて仕入税額控除することが可能です。

不動産流動化SPCでは、設立してすぐに不動産を取得して、
数年間保有してから売却するというパターンが多いのですが、
数億円~数十億円の物件を扱うので、
消費税だけでもかなりの高額になります。
そのため、消費税も考慮したスキームが必要となります。
課税事業者として売買するのか
免税事業者として売買するのか、
SPC設立時期、物件購入時期、物件売却時期を
それぞれいつにするのかで
配当額が大きく変わってくる可能性があります。

近々立ち上げる予定のSPCでも
居住用物件を取得する予定ですので、
現在、出資者の方と慎重にスキームを検討中です。